第87話、ヴァルプルギスの夜を異世界にも広げよう♡

 ──現代日本の推定三千万人の、異世界転生希望の、ヒキオタニートのお兄ちゃん&お姉ちゃん、こんにちは☆


 実は『ツンデレ気味の妹(しかも幼女)』という、あざといキャラ付けでお馴染みの、『転生法』だよ!


 ……非常に申し訳ないことに、コンテストとかいろいろあって随分とご無沙汰でしたけど、今回から心機一転連載を再開いたしますので、どうぞよろしくね♡



 さて、本作は基本的に、その時点その時点において、ネット上で話題になっている、『異世界転生(や転移)』系の話題があったら、それをテーマにして語っていくって方針なんだけど、今回のお題は、つい先日年に一度の全世界的開催日を迎えた(はずだったけど、コロナ問題のために人が密集するのは好ましくないので、スウェーデンの某市役所の『鶏糞攻撃』等によって、実力行使的に阻止されてしまった)、『ヴァルプルギスの夜』についてだよ!



 ……とは言うものの、もしかしたら読者の皆様の中には、



「『ヴァルプルギスの夜』って、実在の催しイベントだったのかよ⁉」


「えっ、本当に『ヴァルプルギスの夜』が来襲するんだったら、魔法少女がいなければ、撃退できないじゃん!」


「──助けて、ほ○らちゃん!」(見○原組長)


「……もう、い○ははいないわ。あなたが殺してしまったんじゃないッ⁉」(神○組長代理)



 ──などと、思われた方もおられるかも知れませんが、そうなんです、日本ではあまり知られておりませんが、欧米……特に北部ヨーロッパにおいては、『ヴァルプルギスの夜』は『ハロウィン』と並ぶ、伝統行事だったりします。


 とはいえ、日本人の方で『ヴァルプルギスの夜』を知っている場合も、『某鬱系魔法少女アニメ』由来の場合が、ほぼ100%占めておりますので、(上記の通り)いろいろと誤解されているみたいですが、別に魔法少女の名を騙る若年暴力集団が、大人数で魔女をフルボッコする、いかにも公序良俗に反する犯罪的行為なぞでは無く、四月の最終日の夜に春の到来を祝って、大人数で集まって行われる、まさしく『ハロウィン』と対をなす毎年恒例の祭典であるわけなの。



 元々、魔女が人里離れた山中などに集まって、春の到来を祝って夜通しサバトを行っているらしいという、伝承が発端となっているんだけど、実は『ヴァルプルギスの夜』自体は魔女の名前なんかでは無く、8世紀頃のイングランド地方に『ワルプルガ』という名の敬虔なる女性がいて、彼女が教会によって『聖女』として正式に列せられたのが、4月30日から始まり日付をまたいで夜を徹して行われる、『ヴァルプルギスの夜』の祭典が終わりを迎えるのと同じ、5月1日だっただけの話なの。


 むしろドイツでの別名である『ヘクセンナハト』のほうこそが、このお祭りが『魔女の夜』であることを、より的確ダイレクトに言い表していると言えるでしょう。



 それではどうして、異世界転生に関連することを(主に)扱っている本作において、今回『ヴァルプルギスの夜』を取り上げたかと言うと、以前『クリスマス』等を扱った時も申しましたけど、異世界においても──すなわち、異世界転生系作品においても、普通に『ヴァルプルギスの夜』を登場させて、異世界における伝統行事として扱っても、構わないんじゃないかと思ったからなのよ。



【理由その①】そもそも『ヴァルプルギスの夜』が、れっきとした実在のイベントであるとは、(あまり)知られていないから。


・陽キャ、「は? 何、『ヴァルプルギスの夜』って? モーツァルトか誰かの楽曲?」


・陰キャ、「知ってる、知ってる、『まど○ギ』とかに出てくる、架空のイベントのことでしょう?」



 ──とまあ、現代人には陽キャと陰キャしかいないとすると、日本人の100%が、『ヴァルプルギスの夜』が欧米における実在のイベントであるのを、知らないことになります。



【理由その②】魔女に関するイベントだし、何よりも『ヴァルプルギスの夜』という語感からしても、いかにも異世界っぽいので、普通に『なろう系』作品に登場させても、違和感がまったく無いから。


 実はこれは【理由その①】で述べたように、『ヴァルプルギスの夜』に対する日本人特有の、無知や誤解の凄まじさゆえだけどね。


「いろんな『なろう系』作品で目にするけど、『ヴァルプルギスの夜』って、西欧系の古典文学における創作物かなんかで、著作権フリーなんだろ?」といった感じで、普通に受け容れてきたし、


 そもそも剣と魔法のファンタジー系の異世界だったら、魔女がいても別におかしくも無く、彼女たちのお祭りとして、『ヴァルプルギスの夜』を名前を変えずに作中に登場させても、あえて「どうして異世界の存在が、『ヴァルプルギスの夜』を知っているんだ⁉」などと言った無粋な意見よりも、「たとえ異世界でも魔女のお祭りだったら、『ヴァルプルギスの夜』という名前であっても、別に構わないよね♡」と言った意見のほうが、大勢を占めると思うの。



 まあ少なくとも、『クリスマス』や『ヴァレンタインデー』や『ハロウィン』みたいに、もはやすっかり日本に定着してしまったイベントなんかよりは、よほど『なろう系』作品に親和性が高いでしょうね。


 ぶっちゃけ(今のところは)完全な、『オタクワード』扱いって感じかしら?


 とはいえ、これって欧米では、ほとんど『ハロウィン』と同格扱いのメジャーなイベントなので、そのうち日本においても大々的に導入される怖れもあるから、Web小説に登場させるんだったら、早いほうがよろしくてよ。


 ……まあ、『ヴァルプルギスの夜』はその性質上、『なろう系』作品においては、現代日本同様に、単なる『季節のご挨拶的イベント』として堕落している、『クリスマス』や『ヴァレンタインデー』や『ハロウィン』のような体たらくには、ならないとは思うけどね。



 ──何せ、『ヴァルプルギスの夜』は基本的に、『魔女のお祭り』なんだから、『なろう系』作品に登場させる際にも、そこら辺のところをしっかりとアピールしておけば、『クリスマス』等のようにいつしか『神聖性』を完全に喪失して、中身のない駄目イベントになることは無いしね。



○『なろう系』Web小説における、あくまでも『魔女のお祭りイベント』としての、『ヴァルプルギスの夜』の在り方。


 もちろんこういったものは、作者さんそれぞれのオリジナリティに委ねるべきだから、ここは本作の作者が『本当は怖い異世界転生⁉【病院編】』という別の作品において、実際に作成したエピソードに基づいて、あくまでも『参考例』としてご紹介するにとどめておくわ。


・基本的に、剣と魔法のファンタジーワールドを舞台とする。


・主人公は元自衛官で、異世界転生をしてきた。


・実は彼は日本において、この異世界の呪術師たちによる忌まわしき邪法である、『逆転生の秘術』により、身体を異世界人に乗っ取られて、銀座を舞台に同じ自衛隊員同士で殺し合わされたと言う、凄惨なる過去の記憶を持っているので、元の日本人と、その仇敵である異世界人という、二つのアイデンティティの狭間で葛藤し続けていた。


・ただし主人公が転生した時点では、なぜか日本人との諍いはまったく起こっておらず、そもそも『召喚術』は存在するが、『なろう系』的な異世界転生は一切行われていなくて、そもそも『日本』の存在自体が知られていなかったのだ。


・主人公のいる魔導大陸の東方海上には、強大な魔力を有する『魔女』が住んでいる、弓状列島『ブロッケン帝国』が存在しているが、世界そのものから呪いをかけられている彼女たちは、基本的に島の外に出ることができなかった。


・ただし、年に一度の『ヴァルプルギスの夜』だけは、大挙して大陸東岸に押し寄せてきて、略奪や暴行や殺人等々、残虐非道の限りを尽くすのであった。


・それに対して、密かに自衛隊の知識を使って、魔法と科学とをミックスさせた『ハイブリッド戦隊』を組織していた主人公は、その革新的な戦闘能力で、魔女たちを迎え撃とうとしたものの、彼の前に現れたのは、何とかつての大日本帝国の軍艦を擬人化したかのような、新種の魔女、『駆逐艦デストロイヤー・ガール』であったのだ。



 ──とまあ、こんな感じなの、参考になったかしらあ?


 内容のほうにご興味を持たれた方は、是非とも別のサイトで絶賛公開中の、『本当は怖い異世界転生⁉【病院編】』第49話から第52話までの、『ヴァルプルギスの亡霊たち』シリーズのほうを御一読ください♡



 ──とか何とか、他のサイトの宣伝まがいのことをしちゃったけれど、実は別に無理してお読みになる必要は無かったりしまあすw



 それと申しますのも、「どうして自衛隊の転生者の前に、大日本帝国の軍艦擬人化少女が現れたのか?」については、次回本作において、詳細にご説明する予定ですので、どうぞご期待くださいませ♡

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