第80話、【PV1000記念】これぞ真の『外れスキル』だ⁉(解説編)

 ──現代日本の推定三千万人の、異世界転生希望の、ヒキオタニートのお兄ちゃん&お姉ちゃん、こんにちは☆


 実は『ツンデレ気味の妹(しかも幼女)』という、あざといキャラ付けでお馴染みの、『転生法』だよ♡



 さて、本作は現在、『「真に理想的な異世界転生」を実現するには、何よりも肝心要な「異世界系のWeb作家」はどうあるべきか?』について、その時点その時点において、ネット上で話題になっている、『異世界転生(や転移)』系の話題があったら、それをテーマとして踏まえて語っているところであり、更には前々回からは数回にわたって、本作のPV1000アクセス達成を記念して、これまで以上の【特別編】とも呼び得るエピソードをご紹介しているんだけど、前回はいきなり『物語ドラマ形式』のエピソードが登場したものだから、驚かれた方も多いことでしょう。



 本当に久方振りの物語ドラマ形式エピソードでしたが、何ゆえあえて【PV1000アクセス記念特別編】において、このような唐突なエピソードを挟み込んだかと言うと、あまりにも現在のWeb小説においては、『外れスキル』というものが形骸化してしまって、もはや『外れスキル』の何たるかを理解している作家さんが『皆無』とも言える、惨憺たる情況にあるからなの。



 元々『外れスキル』とは、名実共に『大した効力が見込めない、カススキル』に過ぎず、それしか持っていない主人公が、馬鹿にされたり仲間外れにされたりといったひどい目に遭っていたところ、実はそのスキルにはすごい効力が秘められていたり、使いようによってはチートスキルに匹敵する万能さを発揮できたりといったふうに、結局(テンプレそのままに)主人公が無双して、周りの者たちに対して「ざまぁ」をするといった、ワンパターンのカタルシス展開に落ち着くというのがお約束のはずだったの。



 ……そうなの、結局、テンプレなの、ワンパターンなの、お約束なの。


 そのようにあまりにテンプレでワンパターンでお約束であるために、作家たちが、飽きたというか、面倒くさくなったというか、「……どうせ最後には、チートスキルになるんだから、最初からチートスキルでも、良くね?」とか、『頭のおかしなこと』を言い出してしまったの。



 つまり、最初から明らかに『チートスキル』以外の何物で無いものを、『外れスキル』と言い張って、ストーリーを組むようになったの。



 ……ねえ、本末転倒でしょう?


 読者様のことを、馬鹿にし腐っているでしょう?


 間違っても、そんな作品が、流行るわけがない…………と、思うでしょう?



 それがさあ、あきれて物が言えないことに、これまたお定まりの『テンプレ』になってしまって、読者の皆様が受け容れちゃって、「もういっそのこと最初から、チートスキルが外れスキルでいいや☆」とか、末期症状なことを、読者様までもが言い始めてしまったのよ。




 で、本作の作者が、あるの真夜中の丑三つ時に、とうとう見てしまったの。




 世にも恐ろしき、SAN値急降下待ったなしの、まさしく『宇宙的な狂気の具現』を。







 何と、某サイトにアップされていた某作品においては、どっこからどう見ても、『予言スキル』を『外れスキル』にして、ストーリーを展開していたの。







 何かの間違いかと思って、何度も何度も読み直してみたけど、どこからどう見ても、『予言スキル』だったの。


 冒険者には、ダンジョンででくわす出来事を、事前に的中してみせるの。


 商人には、将来どんな商売すればいいか、的確にアドバイスするの。


 領主には、未来の大戦争に対する十分なる備えを、いまだ肝心な敵の存在がまったく確認されていない、遙か以前から忠告するの。



 ──そのくせ、「いやあ、僕のはあくまでも、『外れスキル』ですからねえ〜」とか何とかほざいちゃって、もはやそれは、謙遜ではなく嫌みだろうが?



 それでどうして、『予言スキル』が『外れスキル』扱いされているのかと言うと、いわゆる『無知シチュプレイ』のパターンなわけ。


 なぜだかその世界の人たちは、みんながみんな、『予言』というものを知らないの。


 ──いやいや、そんなわけ、無いだろうが? どこまで好きなんだよ、『無知シチュプレイ』w


 これって前に述べた、『駄目なage&sage』の、一番悪い例である、『異世界の人間は、揃って馬鹿ばっかり☆』パターンよね。


 そもそもどうして、主人公のスキルを判断する役割を果たしている神殿自体が、『予言スキル』のことを知らないわけ?


「──こんなレアなスキルなんて、見たことも聞いたこともない⁉」って、馬鹿なの?


 それとも、作者さんが読者様のことを、馬鹿にしているの?


 普通、神殿こそが、インチキの『予言』等で信者をだまくらかして、大金をせしめたりしている、『予言』のプロフェッショナルでしょうが?



○『予言』等のチートスキルを、『外れスキル』として描写する方法。


 もちろん、前回実際に物語ドラマ形式で例を示したように、『予言』等のチートスキルを、あえて『外れスキル』として描写するやり方は、ちゃんと存在するの。



・『予言』のような神懸かりで規格外のチートスキルは、為政者にとっては非常に都合が悪いから、取得者は闇から闇に葬り去られることになり、まさしく当の本人にとっては、この上もない『外れスキル』となってしまうパターン。


・『予言』と言っても、『人の不幸な未来』しか予知できず、『不吉なことしか言わない疫病神』として差別や疎外をされていたけれど、実はこれぞ『リスク回避』にはもってこいのチートスキルだったりして、特に『軍事戦略』等においては、事前に万全の『弱点対策』ができるので、超大国から『軍師』としてスカウトされて、自分を差別した奴等に対して盛大に「ざまぁ」を行うパターン。


・実は現代物理学の中核をなす量子論に則れば、『唯一絶対の未来』をピタリと予測するようなことなんて、絶対に不可能なのであって、チートスキルだと思っていた『予言スキル』が、使いようによってはただの『外れスキル』にしかならないことが判明して、(主人公等に対して、散々イキリ倒していた)ライバルの予知能力者が『能無し』の烙印を押されてしまうといった、『敵キャラのほうが外れスキル』パターン。



 ──等々が、考えられるわけであって、


 要は、『予言スキル』のようなチートスキルを、『外れスキル』として描写したいのなら、ちゃんとそれなりに工夫しろって言っているの!


 いくら面倒くさいからって、『無知シチュ』なんかで、ごまかそうとするんじゃないわよ⁉



 今回述べたことに関しては、作家の皆様には是非とも肝に銘じていただくとともに、読者の皆様におかれましても、インチキ『外れスキル』作品をお見かけになった際には、けして甘い対応をせず、ちゃんと厳しく指摘なされるように、どうぞよろしくお願いいたしますね♡

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