第67話、Web小説こそが、本物の異世界を生み出していて⁉

 ──現代日本の推定三千万人の、異世界転生希望の、ヒキオタニートのお兄ちゃん&お姉ちゃん、こんにちは☆


 実は『ツンデレ気味の妹(しかも幼女)』という、あざといキャラ付けでお馴染みの、『転生法』だよ♡



 またまた連載の間隔が開いてしまって、本当にごめんなさいねえ。



 世間的に夏休みに突入して、レギュラーの『わたくし、悪役令嬢ですの!』や『なろうの女神』以外にも、某サイトの『夏のホラー2019』へのエントリー新作まで連載開始したものだから、スケジュールがギチギチになったせいもあるけど、それよりも何よりも作者を悩ませていたのが、『本作の今後の在り方』についてなの。



 ……おっと、そうは言っても、他の作品で手一杯だから、本作を公開停止にしたり、長期休止にしたりするといった話ではなくて、作品としての方向性を少々軌道修正するというか、ぶっちゃけ、これまで踏み込むのを躊躇していた『微妙なライン』を、思い切って越えてみようかとも思っているわけ。




 それというのも、これからは『異世界転生』というイベントにまつわるエピソードだけではなく、本作の最大のテーマである、『真に理想的な異世界転生』を実現するには、肝心の異世界系のWeb作家はどうあるべきかという、根本的な問題にも、果敢に斬り込んでいこうと思うの。




「……何だよ、またメタかよ?」


「ほんと、この作者ときたら(ため息)」


「何で、異世界転生のルールについて語っていくべき、この『転生法』という作品において、Web作家の創作姿勢なんかに触れる必要があるんだよ?」


「つうか、そもそもそんなの、『余計なお世話』以外の何物でもないよな?」




 ……たぶん、読者の皆様も、大体同じようなご意見かと思うけど、そのお気持ちも十分承知しているものの、これにはちゃんと妥当性のある理由があるの。




 ──それと言うのも、そもそも『異世界』などと呼び得るものはすべて、現代日本における、Web作家の皆様が生み出された、ご自作の中の創作物としての異世界以外には、けしてあり得ないのだからね☆




 ……たぶん、今まさにこの時、これをお読みになっている、皆さん全員が、


「おまえは一体、何を言っているのだ?」


「つまり、やはり異世界なんて、小説の中だけの話で、現実には存在しないとでも言いたいのか?」


「そんな、『メタ的全否定論』をぶちかましてしまえば、話はすべて終わってしまうではないか?」


 ──等々と、思われたかも知れないけど、けしてそうではないの。



 本作においても、これまで何度も何度も言及してきたように、現代物理学の中核をなす量子論に則れば、『ありとあらゆる世界は最初から無数に存在している』のだから、Web小説に描かれた異世界も、、本当に存在することになるんだしね。



 それというのも、あらゆる世界が存在していると言っても、それはあくまでも『可能性上存在しているかも知れない』だけの話であって、これまた量子論に則れば、基本的に世界というものは、ある人物が存在している世界以外には存在していないことになっているから、異世界なんてものも、現代日本のWeb作家や読者の皆さんにおいては、具体的に歴然と存在していることなんて、絶対に証明不可能なの。



 それでは、なぜ同じ量子論なのに、世界というものが、『たった一つしか存在し得ない』と言ったかと思えば、その一方で『無限に存在し得る』と言ったりもするような、明らかなる矛盾点を解消するには、どうすればいいかと言うと、いっそのこと、『可能性としてのみ存在し得る無限の世界』の『可能性』をズバリ、『未来』という言葉に置き換えてみればいいのよ!



 つまり、たとえばあなた方が現在存在している現実世界が、数千年後とか数万年後とかの遠未来において、Web小説に描かれるような異世界そのものの、いかにも非現実極まるファンタジーワールドになる可能性すらもけして否定できないし、あるいは、現在現代日本におられて本作をご覧になっている読者あなた様ご自身が、次の瞬間異世界に転移する可能性すらも、量子論的にはけして否定できないのであって、よってWeb小説に登場してくるような異世界が存在し得ることも、あくまでも可能性の上とはいえ、けして否定できなくなるの。


 しかもその異世界が具体的には、特定のWeb小説内で描かれた異世界そのものである可能性だって、十分あり得るのだから、まさしくWeb作家は、自作の中に異世界を登場させるごとに、本当に異世界を生み出しているようなものと言えるわけなのよ。


 ……というか、厳密に言えば、元々あくまでも可能性として『もしかしたら存在するかも知れない』に過ぎなかった、ある特定の異世界に、小説にすることによって具体的な形を与えることで、本物の異世界に為し得た──と言うほうが、正しいのかも知れないけどね。



 ──とにかく、現代日本のWeb作家の皆さんが、自作の中に異世界を登場させるごとに、本当に小説の内容そのままの世界観を有した異世界が存在することになるのだから、作家さんたちが、異世界そのものはもとより、そこで生活する人間やファンタジー系の各種族たちや、そこで行われるファンタジーイベントを、いい加減に描写してしまうと、本当にそのようないい加減な本物の異世界が存在し得る可能性が生じてしまうので、これまで本作で主に述べてきた『事後的なルール』だけではなく、事前に真に理想的な異世界となるように、Web作家向けの『異世界系作品作成のためのガイドライン』を、ある程度定めておく必要があると思うのよ。




 まあ、そういうわけで、少々『お節介』だったり『余計なお世話』だったりするかも知れませんが、これも真に理想的な異世界転生の実現のためだと思って、これからも是非ともお突き合いのほど、よろしくお願いいたしますね♡

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