第65話、自分の作品をageるために、異世界をsageないで!

 ──現代日本の推定三千万人の、異世界転生希望の、ヒキオタニートのお兄ちゃん&お姉ちゃん、こんにちは☆


 実は『ツンデレ気味の妹(しかも幼女)』という、あざといキャラ付けでお馴染みの、『転生法』だよ♡



 さて、前回の第64話とその前の第13話の二話にわたって、じっくりと『異世界(系Web作品)における自衛隊』について述べてきたわけだけど、かなり『厳しい意見』を、詳細かつ深く突っ込んで解説を行ったゆえに、いかにも本作の作者が『自衛隊アンチ』であるかのように、思われた方も多いかと存じますが、そんなことは断じてありません!


 むしろ『自衛隊♡大好き』と言っても過言では無いので、けして誤解しないでね!


 ここら辺については、作者の別作品、『わたくし、悪役令嬢ですの!』の第243話からの、『わたくし、自衛隊は専守防衛だからこそ、理想的な軍隊だと思いますの』三部作のほうで、詳しく述べているんだけど、基本的に異世界転生には直接関わらない内容であるので、本作においてはこれ以上突っ込んで言及しないつもりだから、ご興味のある方はご一読してみてくださいな♡



 それではなぜ、本作にしろ、『小説家になろう』様限定連載中の『本当は怖い異世界転生⁉【病院編】』にしろ、いかにも一見自衛隊に対して、辛辣であるかのような作品を、作成し続けているかと言うと、実は作者が批判しているのは、自衛隊そのものでは無く、むしろ何よりも『専守防衛』にこそ徹するべき自衛隊までも、無理やり異世界に転移させて無双させようという、Web作家たちの『なろう系脳』に対する警鐘だったりするの。



 特に許せないのが、『なろう系』のお約束として、無理やり主人公やその一味をチート的に無双させるために、敵方の異世界勢力を理不尽にsageることによって、相対的に自衛隊サイドをageようとする、小狡い演出のやり方なの!



 これについては本作第13話でも述べたけど、異世界側の世界観がお約束的に、『中世ヨーロッパ』レベルで留まっているのをいいことに、『専守防衛』でこそ真価を発揮する自衛隊が、なぜか『侵略』先の異世界で無双してイキり倒すってのばかりなんだけど、いやいやいやいや、『中世ヨーロッパ』というのは、あくまでも『雰囲気』だから! いわゆる『パッとした見た目』のことだから! ──ていうか、本当は『中世』でも『ヨーロッパ』でも無いんだけど、語彙力と描写力が圧倒的に足りないWeb作家たちが、想像力の足りない人でもわかりやすくするために、『中世ヨーロッパ』という、実際には中身が何も伴っていない、『テンプレワード』を連発しているだけだから!


 しかも百歩譲って、異世界が基本的な世界観において『中世ヨーロッパ』レベルであったとしても、異世界と言えば『剣と魔法のファンタジー』であり、『剣と魔法のファンタジー』と言えば異世界なんだから、むちゃくちゃすごい魔法使いから魔族やモンスターなんかがわんさかいるわけなんだし、たかが21世紀初頭の科学技術に基づいている現行の自衛隊なんて、足下にも及ばないはずなのに、なぜか自衛隊のほうが無双しまくりやがるの!


 ……おいおい、このように『21世紀初頭の科学技術』とわざわざ明記しているのは、『現実の科学はチートなんかじゃ無い』と言っているわけなんだよお? それが何で、Web小説においては押しも押されぬ代表的チートである、『ファンタジー異世界における魔法』に圧勝することができるのよ⁉ 自衛隊系異世界作品を書いている作家たちって、Web小説の基本中の基本もわかっていないわけえ?(失笑)



 ──つまり、まさにここで使われているのが、先ほど述べた、Web小説ならではの姑息極まる、『age&sage』テクニックというわけなのよ!



 これまた第13話で述べているけど、なぜか自衛隊系異世界作品って、本来なら『青天井』であるはずの異世界側の魔法やモンスターのレベルに勝手に制限を設けて、まんまとsageることによって、21世紀初頭レベルの科学技術の自衛隊が、最終的には必ず勝つようになっていて、しかも異世界側が、「……さすがは、ゲンダイニッポンの誇る、ジエイタイ様じゃ!」とか、「俺たち異世界の魔法使いやモンスター風情じゃ、太刀打ちできないぜ……」とかいったふうに、作者による露骨なレベル操作が無ければ圧勝したはずの異世界側のほうが、むやみやたらと自衛隊を持ち上げるという、文字通りの出来レース的ageage状態なの!


 ……そりゃあ、小説を作成する上の演出手法の一環として、『age&sage』テクニックは必要不可欠とも言える、『常套手段』であることは否定しないわ。



 でもねえ、別に自衛隊系異世界作品に限らず、いわゆる『なろう系』作品においては全般的に、この、『age&sage』テクニックが、あまりにも露骨に使われ過ぎていて、むしろ『ウザさ』さえも感じられるようになっているのよ。



 特にラブコメ的作品にありがちなのが、クラスの最下位カーストの陰キャでアニメオタクの主人公をageるためだけに、なぜかクラス最高位の美少女ヒロインが、無条件に主人公に惚れてしまうのを始めとして、その他のクラス上位の美少女たちがこぞって、『実はアニメオタク』だったという事実が発覚して、もはや『主人公爆age祭り』を展開しつつ、これまたなぜかクラス最高位カーストのイケメン男子キャラたちが、裏で卑怯極まりないことをやっていて、どう考えても相手にふさわしいカースト上位の女子たちから、蛇蝎のごとく嫌われるという、理不尽極まる『sagesage演出』。『幼な○み原理主義』だかなんだか知らないが、Web作家ども、ちょっと露骨すぎじゃないのお?


 ……あのねえ、こんなもの読まさせられるとねえ、作者による露骨な『age&sage操作』が鼻について、心底うんざりして、むしろどうして『幼なじみ完全勝利作品』が廃れてしまったのか、納得できてしまったくらいよ!



 現在ネット上で何かと叩かれている『なろう系』作品って、こういった露骨な『age&sage操作』作品ばっかりなんだから、『なろう系』作家の皆様は、ここいらで少しは反省したほうが身のためよお〜w



 特に自衛隊系異世界作品ついては、自衛隊側をageるために、異世界側をsageるといった、本作『転生法』の趣旨とは真逆のことを行っているので、断じて放置しておくわけにはいかず、是非とも拙作『わたくし、悪役令嬢ですの!』の第243話以降をお読みになって、今一度『専守防衛こそが最大の優位点である』自衛隊というものを、一から学び直してくださいませね♡

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