第50話、これぞ『嘘から出たまこと』⁉ 【連載50回記念特別編】

 はーい、現代日本の推定三千万人の、異世界転生希望の、ヒキオタニートのお兄ちゃんたち、こんにちはあ!


 実は『ツンデレ気味の妹(しかも幼女)』という、あざといキャラ付けでお馴染みの、『転生法』でーす☆




 ──パンパカパーン!




 実は何と、本作、超辛口Web小説『転生法』は、今回めでたく、50回目を迎えたんだよ!


 これもすべて、こんな全方面に無駄にケンカを売りまくる、非常に危ない作品をお読みくださっている、奇特な読者の皆様のおかげでーす! ──さんきゅー、えぶりばでぃ♡




 ──と言うわけでえ、今回は読者の皆様に感謝を込めて、【連載50回記念特別編】として、これまでの条文エピソードについて、振り返ってみようと思うの!


 何せ本作は、『異世界転生』といういろいろな問題を孕んだ『現象』を丸ごと対象にした『ルール集』だから、その扱っている内容も多岐にわたり、下手するとまとまりの無いものになりかねないので、このような節目において一度、全体的視野に立って総括するのも、読者に皆様にとっても親切だしね。



 ──あ、そういえば、本日4月1日は『エイプリールフール』だけど、別にこれは嘘企画とかじゃないよ? ほんとだよ?


 ていうか、本作自体がそもそも『嘘から出たまこと』的な、ふざけた冗談企画みたいなものだったんだしね♡


 それが気がつけばすでに50回にもなっていたんだから、むしろそっちのほうが「嘘みたい」で驚きだよ!


 ちなみに、異世界転生どころかWeb小説やラノベ全体における、『嘘』というモチーフの使い方の『ダメダメさ』を徹底的にこき下ろした超問題作、本作第34話『人の嘘を見破ることのできるスキル』については、すでに絶賛公開中なので、エイプリールフールの今日こそ、超お薦めだよ!




 ──さて、これまで50回にもわたってお送りしてきた、本作『転生法』における最大のポイントは何かというと、



 やはり何と言っても、『ゲーム脳』の弊害と、その撲滅の勧めだと思うの。



 ……いやもう、こうしてこれまでの50回を振り返ってみると、ほんとひどいものよね、現在の異世界系Web小説における、『ゲーム脳』ならではの悪影響って。


 ほとんどの作品のストーリー展開が、有名RPGのテンプレシナリオそのものだし、『魔王』や『人間諸国の国家体制』や『魔物や魔族や獣人やエルフ等の各種人外キャラ』や『ダンジョン』の在り方なんて、ゲームの世界観設定そのままだし。


 細々としたところでは、『レベル制』とか『ステータスウィンドウ』とか『ダンジョン内の宝箱』とか『アイテムボックス(無限収納庫)』なんて言う、非現実極まるゲームガジェットを平気で登場させているしといった、惨憺たる有り様。


 特にひどいのが、もはやお馴染みの『死に戻り』スキルであり、実は今回第27話を大改稿して、非常にわかりやすく書き直したんだけど、それによってますます『死に戻り』の、『ゲーム脳ならではの非現実性』が強調されてしまったの。



○『リ○ロ型の死に戻り』の致命的問題点。(第27話より再掲)


 実はこの『リ○ロ型の死に戻り』が、まさしく各種ゲームにおける『セーブシステム』以外の何物でもないことこそが、諸悪の根源であり、だからこそ致命的な問題点を生じることとなっているの。


 ──よって、これについての解説は、非常に簡単だったりするわ。


 当該『死に戻り』作品が、これまでに通算n回のイベントにおいて、『死に戻り』が必要になるほどの強敵と、絶望的なバトルを繰り広げているとしましょう。


 すると、n回目のバトルイベントにおいて、一通りの『死に戻り』をやり終えた後に手に入れることができた、最終的な『やり直した世界』においては、当然のごとく1回目からn−1回までのすべてのバトルイベントも、すでに勝っていることになっているよね? ──なぜならそうでなければ、この時点で主人公が生存していることが、おかしくなるものねえ。


 ──しかし、現実問題として、これは、あまりにも『非現実的な状態』と言わざるを得ないの。


 それというのも、最後のn回目のバトルイベント以外の、1回目からn−1回までのバトルイベントについては、『死に戻り』を一度も行うことなく、すべてたった一度の勝負で、難敵を降していなければならないの。


 だって、言うまでもなく、『死に戻り』を一度でも行ってしまえば、『主人公』は当然のごとくその時点において、文字通りに『死んでしまう』んだもの。


 とはいえ、これまでそれこそ無限とも言える『死に戻り』を繰り返すことによって、どうにか辛勝してきた相手に対して、たとえ一度は勝っているとはいえ、改めて勝負に臨むに当たって、すべて一度の勝負で勝つことなんて、とても現実的ではないでしょう。


 しかも、これはバトルイベントの回数である、『n』の数値が増大していくほど、ますます困難になっていくものと思われるの。



 ……それでねえ、私ったら最初、計算を単純化するために、おおよその目安として、1回目のバトルイベントをクリアするに必要な『死に戻り』は『0回』で、2回目のバトルイベントをクリアするに必要な『死に戻り』は『1回』で、3回目のバトルイベントをクリアするに必要な『死に戻り』は『2回』で、n回目のバトルイベントをクリアするに必要な死に戻りは『n−1回』といったふうに設定すると、n回目のバトルイベントをクリアする場合──例えば、『n=100』の場合においては、0+1+2+3+…………+98(=n−2)+99(=n−1)+100(=n)=100×50=5000回、『死に戻り』をしなくちゃならなくなると、単純に思ってしまったんだけど、実はそれは大間違いで、このような『加算』じゃなくて、何と『乗算』しなくてはならなかったの!


 ──そう、『1×2×3×…………×98×99×100』だったの! 超天文学的数値だったの!


 よって、たとえたった10回ほどバトルイベントをこなすだけでも、もはや実質上『死に戻り』をしなければならなくなるの!



 もちろんそんなことなぞは、実際にやりおおせるわけがなく、本家本元の『リ○ロ』においては、何回か連続してバトルイベントをクリアするごとに、適当なところで『セーブポイント』が設けられて、それ以前のバトルイベントは『しなくてもいい』ことになっているわ。



 ……いや、『セーブポイント』て。



 むしろ、そんなそれこそ『ゲーム脳』そのままの反則技を、どうやって実現せいっちゅうねん?




 こうして今回の【連載50回】の節目に、改めて『死に戻り』の何たるかを再確認してみると、そのあまりの『ゲーム脳』っぷりに、めまいを覚えちゃうほどだよお〜。


 やはり真に健全なる『異世界』を実現するためには、異世界系Web小説家の皆さんが一人残らず、『ゲーム脳』を捨て去る日が一日でも早く訪れることを、祈るしかないようだねえ……。




 ──ということで、これからも『転生法わたし』は、『ゲーム脳撲滅運動』を全力で続けていくから、ゲーム大好きヒキオタニートのお兄ちゃんたちも、どうかゲームと現実との区別をつけて、一日でも早く『真人間』になれるよう、頑張っていってちょうだいね♡

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