第51話、『ゲームの世界への転生』は絶対に不可能⁉
──現代日本の推定三千万人の、異世界転生希望の、ヒキオタニートのお兄ちゃんたち、こんにちは☆
実は『ツンデレ気味の妹(しかも幼女)』という、あざといキャラ付けでお馴染みの、『転生法』だよ♡
今回からいよいよ本作の作者の
それで、最初に取り上げるのは、当然のごとくすべての大前提である、「果たして、本当に乙女ゲームの世界の中に転生することは、論理的に可能なのか?」についてなのですが、これに関してはいっそのことここで、一言でお答えしちゃいましょう!
「──できません」
「乙女ゲームの世界に転生することなんて、論理的に絶対不可能です」
「というか、これは別に乙女ゲームに限った話ではなく、たとえギャルゲ系だろうと、エロゲ系だろうと、BL系だろうと、RPG系だろうと、ダンジョン踏破系だろうと、
「──ありとあらゆる意味において、『ゲーム』と名がつく世界の中に、転生や転移を行うことなんて、絶対に不可能なの!」
○【理由】
なぜなら、ゲームの世界はすべてデジタルデータでできており、『ゲームのキャラになる』と言うことは当然、『デジタルデータになる』と言うことであり、人間や他の動物や鳥や魚や昆虫や、異世界転生なら異世界人や魔族やエルフや魔物や異世界の動物や昆虫等々、少なくとも『生き物』に『生まれ変わる』ことである、『転生』ではないのだから。
え? そんなの『屁理屈』ですって? とんでもない!
何とちゃんと、膨大なWeb小説の中には、『デジタルデータになってしまうゲーム世界への転生』作品も、存在しているのですよ!
ということは、転生して主人公等が『デジタルデータにはならない』作品は、真の意味での『ゲームの世界への転生』ではなくなるわけです!
へ? どうせそんな『屁理屈作品』なんて、取るに足りないギャグ優先の例外的木っ端作品に過ぎなくて、とても参考にはならないだろうですって?
ふざけるな、ごるぁ! 何が木っ端作品だあ! Web小説には、貴賤はねえんだよ! むしろ『ゲームの世界への転生とは、デジタルデータになることに他ならない』ことに気づくことのできなかった、能なし作家のおめえが創ったダメ作品のほうが、よほど劣っているんだよ⁉
だったらてめえは、『SA○』のことを、木っ端作品呼ばわりすることはできるのか?
──そう。今や『VRMMO系作品』はもちろん、『Web小説』とか『すべての小説の類い』とかいった範疇に留まらず、もはや日本そのものを代表するエンターテインメント作品である、『SA○』のような『ゲームの世界の中に閉じ込められる』系の作品こそが、実は何と『ゲームの世界への転生とは、デジタルデータになることに他ならない』を実行していると言っても過言ではないのです!
でも私としては、乙女ゲームの世界に転生した途端主人公が、文字通り『デジタルデータになってしまった』某作品のほうが、とてつもない衝撃と感動を覚えたわ。
それは本作の作者自身も同様で、「Web小説界には真の意味で、『乙女ゲームの世界に転生している』作品なんか存在しやしない」と決めつけて、他の作家の皆様を馬鹿にしていたの。
だからこの作品との出会いは、まさしく『目から鱗』だったわけ。
「……何、だと? 自分が乙女ゲームの世界に転生していることに気づいた『悪役令嬢』の主人公が、これまでのシナリオ進行を捨て去り、『タイムアタック』にすべてを賭け始めた…………だと?」
「むしろゲームであることを逆手にとって、『腰ワープ』というバグを散々利用して、最速のタイムアタックを連発していく…………だと?」
「タイムアタックのためには、本来最大の攻略対象であるはずの『王子様』すらも、平気で『捨て駒』として利用する…………だと?」
──そうなのよ! そこにいたのはもはや、『乙女ゲームの悪役令嬢』なんかではなく、タイムアタックのためには人の道を平気で踏み外すことができる、『タイムアタックの鬼』でしかなかったの。
これこそが、『乙女ゲームの世界の中に転生して、ゲームのキャラ=デジタルデータになる』ということなのであって、それに対して、Web小説界において掃いて捨てるように存在している、乙女ゲームのことを知り尽くした孤独な独身アラサーOLが、ひょんなことから愛用の乙女ゲームの世界に転生して、主人公の『逆ハーし放題のメインヒロイン』になれるんだけど、なぜか『悪役令嬢』なんかに懸想して、とてもデジタルデータとは思えない人間味たっぷりの『ゆりゆり物語』を展開していくような類いのテンプレ作品は、『ゲームの世界へ転生』なんかではなく、
実のところは、『乙女ゲームそっくりな、異世界への転生』、でしか無いのです!
それに対して、何と『ゲームの世界の中に閉じ込められて、無理やりデスゲームをやらされることになる』系の作品の代表作である、『SA○』のような作品のほうが、『ゲームの世界への転生とは、デジタルデータになることに他ならない』を体現していたりするのです!
だって、そうでしょう?
あまりにも川○礫先生の人物描写が秀逸なものだから、読者の皆さんは誰もが、『キ○ト』のことを『生きた人間』だと誤解なさっているようですけど、
あくまでも『キ○ト』は、デジタルデータに過ぎないのよ?
──そう。あくまでも、『キ○ト』は、ね♡
忘れてもらっちゃ困るよ、ゲーム脳のヒキオタお姉ちゃんやお兄ちゃんたち。
現実の生きた人間なのは、『キ○ト』ではなく、『桐○谷和人』のほうでしょう?
VRMMOの中で大活躍しているのは、あくまでも『デジタルデータ』に過ぎない『キ○ト』なのであって、生きた人間である『桐○谷和人』のほうは、ずっと自宅とか病院で寝たきりになっているんでしょう?
ゲームの中でまんまと『ア○ナ』とセックスにこぎ着けたのは、『キ○ト』であって、現実の『桐○谷和人』ではないでしょう?
だってあの時点では現実の二人は、物理的な接触なんか、一切していないんですものねえ。
いやもう、『桐○谷和人』さん、あなたってば、病院ではなく自宅療養にしておいて、本当に良かったよね!
お世話をしてくれている看護婦さんの前で、ゲーム内でデジタルデータの『ア○ナ』と合体した途端、『夢○』なんかしちゃって、「……こっちが、クズのゲーオタどもを生かすために、懸命に働いているというのに、こいつゲームの中で、一体何をしやがっているんだ?」と、腐った豚肉を見るような蔑んだ目つきで、にらまれたことでしょうよwww
……あ、そうすると、自宅療養中に偽妹の『○葉』さんから、同じような目で見られていたりするのかなあ? 「……カ○兄、サイテー」とか
まあ、ちょっと脱線してしまったけど、結局何が言いたいのかと言うと、『桐○谷和人』さんたちはいきなりゲームの中に閉じ込められることになって、無理やり現実世界とは切り離されて、あくまでも『デジタルデータ』に過ぎない『キ○ト』になってしまうことによって、事実上『真の意味でのゲームの世界への転生』を実現してしまったと言うわけなのよ♡
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