第41話、『主人公は不幸体質』の絶対禁止。
我が『転生法』においては、わざわざ「この主人公は、不幸体質なのですじゃ」などと喧伝することを、絶対的に禁止する。
もちろんここで言う『主人公』とは、『現代日本からの異世界転生者』のことである。
【理由】
ラノベとかWeb小説では、主人公が『不幸体質』なのは当たり前というか、そうでなくてはストーリーが始まらないから。
終わり。
………………………ええー⁉ もう少し詳しく説明しろってえ?
もうっ、それくらい
──うふふ、ここでいきなり
簡単に言うとねえ、実はこれって、ハーレムもののWeb小説で、「主人公はモテキングである☆」と言うようなものなの。
──それって、『違う』でしょう?
普通、ハーレムものって、『いかにもパッとしない非モテの陰キャ野郎』の主人公が、だんだんとモテモテになっていくから面白いんじゃないの?
最初から主人公がモテモテの『ハーレムもの』なんて、何が面白いわけえ?
『不幸体質』だって、同じだよう。
不幸な主人公が、不幸な目に遭って、何が面白いの?
むしろ幸福の絶頂にあった主人公が、不幸のどん底に堕とされるところが、いいんじゃないの♡(昏い笑顔で)
──なんちゃって、冗談冗談、本当に面白いのは、むしろそこからの『巻き返し』だよね!
つまりWeb小説で言えば、『追放』や『NTR』があるからこその、『ざまぁ』や『成り上がり』のカタルシスがあるってわけなの。
【まとめ】
◎言うなれば『不幸体質』とは、特定のキャラの『設定』なんかではなく、作品全体の『演出』の一つとすべきってことよ。
例えばねえ、最初に女神からスキルをもらう時に、むちゃくちゃすごいチートなやつをもらうんだけど、その代償として、「そのスキルを使うごとに、不幸な出来事が一つだけ、主人公を見舞うことになる」とかいった、パターンにするのが望ましいかな?
いい? 異世界転生を司っている女神様に、Web作家のお兄ちゃんたち、馬鹿の一つ覚えみたいに、「この主人公は不幸体質である」なんて、設定するんじゃないわよ?
そういうのは、あくまでも作品全体の演出として、ストーリーの中に溶け込ませなければ、真の女神や作家と言えないんだからね!
──
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