第10話、始まりの森。
「──というわけで、御領主のお嬢様にはこれからすぐ、領内の外れにある大森林を根城にされている、こちらの野盗の方に襲われていただきます」
「「何でだよ⁉」」
ちわっす、作者の8813…………じゃなかった、毎度お馴染み、某異世界の転生局転生法整備課勤務の、平課員でっす。
いよいよ『カク○ムコン4』の『読者選考期間』も、本日が最終日。
果たして本作は、今日中に、選考基準の10万文字に達することができるのか?
何と、現時点での総文字数は、37330文字だったりします。
……あと16時間足らずで、残り6万文字強、だと?
作者の計画性の無さが、如実にうかがえますねw
そもそもこの作品ときたら、下書きどころか、プロットもまったく無しで、そのつど『即興』で書いているという有り様。
そんなんだから、非常に重要だった、『最終日前日』である昨日なんか、1話で9000文字という、無駄に文字数のあるのを一本だけ仕上げるとともに、力尽きて寝オチしてしまうという、効率の悪さ。
最凶の使徒に襲撃されてるネ○フのごとく、文字通り絶望的状況ですね♡
ただし、「……心配は無い、手は打ってある」と、作者の中の『ゲン○ウくん』が嘯いているように、自作内で事あるごとに『リスク対策』の重要性を訴えているだけあって、ちゃんと『最終手段』は残してあるので、ご安心ください。
※ヒント、『カク○ムコン4』にも『な○うコン7』にもエントリーしていない、異世界系の作品を、二本で57600文字ほど、温存しております。
それはともかくとして、ちゃんと本編のほうも進めて参りましょう。
何せ、時間も文字数も、圧倒的に足りませんからね♡(自業自得)
「……何でって、私の話を、しっかり聞いておられたのですか? 我が転生局の調査によれば、もうじきあなた方の領内の大森林の中に、現代日本からの転生者が現れることが予測されていているからして、我々異世界側としては、きちんと歓迎セレモニーを催さなければならないのですよ」
そのように私が改めて、『今回のイベント』の趣旨を丁寧に説明し直して差し上げたというのに、目の前の整備課内の応接用ソファに仲良く並んで座っている、領主令嬢と野盗の頭目のお二方は、憮然とした表情を隠そうともしなかった。
「……あのよう、お役人さんよう、あんたら──というか、この場合、現代日本のWeb作家連中か? まあどっちでもいい、ともかくあんたらはよう、俺たちのような野盗や山賊のように、地域に根ざした犯罪集団の在り方とか仁義とかいったものを、全然理解していないんだよ? 俺たちの獲物は基本的に『弱い者』や『よそ者』なのであって、近隣の農村や
「まったく、同感ですわ。そもそも領主息女の
「俺がお貴族様のお嬢様だったら、当然のごとく、そいつと俺たち野盗が、グルだって思うけどな」
「普通、そうですわよねえ」
「「ねー?」」
そのように、現代日本のWeb小説における異世界モノの冒頭部の、ワンパターンで考えなしな有り様を、ディスるだけディスるや、相変わらず仲良く顔を見合わせて頷き合う、お嬢様と野盗の頭目。
──そんな、正論で能なしWeb作家の皆様のガラスのハートを容赦なく傷つけんとする、鬼の所行に堪りかね、ついに私の堪忍袋の緒が切れた。
「てめえら、ふざけるんじゃねえ! 何度言ったらわかるんだよ⁉ 今回の『転生法』制定の最大の趣旨は、『現代日本からの転生者の皆様に、何よりも快適な異世界ライフを満喫していただくこと』だろうが! てめえらネイティブの異世界人の事情なんか、知ったこっちゃないんだよ⁉ てめえらはただひたすら、我々転生局の指示に従って、転生者様たちにとってのゲームワールドに過ぎないこの異世界において、『
「「なっ⁉」」
「この世界が、ゲームワールドに過ぎないですって?」
「それに俺たちが、単なる『
私のあまりの暴言──否、『至極当然の事実』を耳にして、血相を変えて口々にわめき立てる『
「てめえ、今すぐ訂正しろ! いくら転生局のお役人だろうが、ただでは済まさねえぞ⁉」
「そうよ! お父様に言って、転生局の上層部に手を回して、首にしてもらうわよ⁉」
野盗お嬢様共に、それぞれのやり方によって、確かに十分効果的に、私に向かって脅しをかけるものの、
「……無駄ですよ、そもそも『転生法』を制定して、現代日本からの転生者を全面的に受け容れることを決定したのは、この世界そのものの上層部の方たちなんですからね。──そう、我々は気づいたのです、たとえ彼らの、あらゆる面で異世界を見下しきった横暴極まりない振る舞いにより、国辱的な目に遭おうとも、現代日本人からもたらされる最先端の科学技術等を享受することによる、利益のほうが遙かに重要だと」
「「……え」」
「頭目さん、あなたたちだって、転生者が増えてくれたほうが、何かと都合がよろしいでしょう?」
「……ああ、確かになあ。この世界の危険性を甘く見ているやつらが、何の警戒心もなく、俺たちのシマである大森林に迷い込んできてくれたら、物騒なチートを持っていない限り、ただのカモだからな」
「お嬢さん、地方貴族の皆様のほうは、どうですか?」
「……あ、はい。確かに父も、転生者の方々がもたらした新技術によって、領内の各種産業の能率が大幅に向上したし、よその貴族領との交易の規模も格段に拡大し、全体的な収益が毎年倍々ペースで伸び続けているとのことです」
「……そして領内や国全体が潤えば、俺たち野盗の獲物も増えるし、しかも御領主様自身も潤っていることもあって、俺たちに対するお目こぼしも多くなり、ますますやりたい放題に稼げるという、好循環になるってわけだ」
相変わらず複雑な表情ながらも、転生者たちの近年ますますの増加による、弊害を無視しても余りある利益については、認めざる得ないお二方であった。
「ようやく、おわかりなられたようですね。そうなんです、誰だって本当は、よその世界の人間なんかを、無条件で受け容れたいとは思っちゃいませんが、今や彼らからもたらされる確実なる『利益』についても、けして無視できなくなっているのですよ。──そう。一度『甘い汁』を吸ってしまった、我々異世界人は、もはや後戻りできないのです。だったらむしろ開き直って、プライドすらも捨てて、転生者たちが望むがままに、『
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