狂気のゾーンに声と息を潜めて、虚空の瞳の意志は「準備をしても無駄だ」

 第三節


 ダイナミックで有る事は強力な行動であることであり、幽霊に対する基本対策だ。


 しかし、普通の人にはニーズと生活と言うものが有りそれが全てでは無い。

 しかし、基本ダイナミックに行こう。彼は、決意する。大股でタックルの形ならばれないかと思うが、やはり速度重視型と言うか自分本位となってしまう。音を立てなければ案の定こう来た。光を避けるように進む。調度壁を超えて見た通路の先に触れて見ようとした辺りだ。変質型なので、マッチョなのだが、包帯ごとでかくなるようなイメージが正しいか。これが緑、やってられ無い。

「タックルはばれるよー」

 大型の発声だ。しかし、変な声が続いた。残りの二人からの教えだ。先輩のようにふるまっている。同時だが圧力は高い。計算などはしていないと思われる。彼はそう思った。つまり、風来玲央ので無い声、幽霊の声がした。美形の『死』型の二人目、形は同じ。美人の『病』型の通りで喋る。しかし、中性だ。

「論理的過ぎ」

「旧型ならばれないと思って」

 ダブルパンチを喰らう音がしたが大型が残りの二人からもらい、やはり、記憶の中の照明の消えた向こう側の通路は、ここに繋がっていた。『d』を足した形でもあったようだ。きれいに強力な鉄の扉が閉まっている。科学的な物だ。「金属と言うのは、音が響くのでこれを利用しよう」彼はそう思った。際たる美形の『死』型、ウケの良い『病』型の順で幽霊たちは喋り出した。

「あは」

「見つけた」

 うん、と頷く気配が霊感特有の寒さからする。響く様に寒さからその動きが続きのように伝わって来る。ボトルをもう持てないと限界をヒトである彼は判断した。「ばれませんように」と、金属の扉の傍にフロア寄り気味に金属にすり気味にしっかりと、置いた。

「金属ゥー」

 大型が喋り会話を締めた。「大型が、喜んでいるが、エネルギー体だから小さいから集中しているのか?」と風来はかなり強い疑問を抱いた。しかし、さらに厄介な事が続く、他の部屋の音が思ったよりピックアップされてしまう。さっきの状態は他の人間にも音が聞こえる状態だったと確認した。

 白い格子とは言え、塗装された金属製のものだった。ここから外に泣き叫べばその暇すら無く死ぬだろう。静寂が支配している。暖色系の照明でアイボリーからベージュに見える。思考が読まれた事を意味した。幽霊の言葉は、畳みかける様に風来玲央に目を見開かせる。現実に縛り付ける。それは、現実逃避を一切皆空許さない。


「見付けたって言わ無いんですか」


『病』型の言葉で決まった。陰に潜む俺に対し、詮索と捜索を同時に開始するだろう。他の部屋では「……く~ん死のう。好きな人は手紙を漏らさずくれたんでしょうよ」……は聞き取れないが、他の囚人本人の名前だ。

『死』型が言葉を虚空に投げ出し彼に語りかける。それは強制的に彼に聞かせる。それも、正確に。移動はまだなので大丈夫だ。しかし、ストレスや恐怖から来る現実逃避を本当に一切皆空許さない。確実に圧力を加えて来る。

 外に近い場所は他所との情報交換を可能とし、大丈夫だと良い聞かせ、時間つぶしを考え耐久戦に備えるのがベストだ。風来玲央はこう、判断する。しかし、身を削る凍えるような言葉は続く。うかつだったのは向こうにも経験、特に恐怖の知が有る事だった。

「彼女なんてカップラーメン喰って君の事を笑ってるよ」

 ぎぐ、彼の身体は音声に対して反応した。時限を定めていたか。悪魔め。分析はかなり念に近い位相手を倒す者へと変質つあった。ただし彼の脳内のことで、あんまり影響は無いと言える。「読まれていた」確かにここに来る前、女に冤罪でカモられて送還されてしまった。冤罪主犯は女たちであり、彼女とはそいつら複数のことを差す。確かに。彼は感じ取ったが、カリバーンが最強の武器と言う子供じみた妄想もまた浮かび上がってきたのも事実だった。

 つまり、時間はしばらくでも経ったが一つの事実が決定的一つの事実が浮かび上がってきた。

「しかし、マルチ語でもある」落ち着かせる方を優先した。

 ひたひた音は連携しパニックに陥るような数人が数十人に聞こえるような独特の響きと、近寄る恐怖が足音から演出された。「そう言えば痛くない」風来玲央は思った。未だ奇妙なだけなのも事実であった。まともな神経ではいられないのが、憑依状態の病二以上だろう。

 ここに全てを彼は依存していた。憑依への恐怖を病気とあざ笑うかのように中性型の幽霊は話す。低い金属音が混じるかのようだ。狂気を呼び館内響くかのようだ。プレートリバーブって知っているだろうか。関わりが有りそうな声だ。アレが、ゴシック調に恐怖を与えて来る。

「じゃあ、痛くしてあげるー」

 思考を読まれている事の特徴だ。空間系に響く旧型、緑色発光の幽霊の声だ。

 包帯から包帯を使われませんように。本気で祈った。風来は反射でそうしてしまう。変質した部分なんてのは一部を全体にすると圧倒的恐怖感だったりし、エンターテイメント感がミスだとなじってもいいが、変だと認識する方が正しいだろう。何せ『病』型が着ていたのは上のデカTシャツのヒザが半分見えるワンピース『死』型のものだ。


 速い。ひゅいと言う音の認識の前に幽霊が殴りかかって来ていた。場所は違うが充分脅威だ。正確に風来の場所と比較してと言っても左一・五メートル先だが。ズゴォォォン、はっきりと金属音が殴る音が響いた。そいつはこちらを向きながらこう言った。包帯で締め上げられたらひとたまりも無い。頸椎を上手く締められると終わる。到って簡単なU国の手法だ。

「あれー、ここら辺なんだけどなあ。ねえ」

 発光すると言う事自体をこれ程怖いと感じた事は無い。緑色の大型と言っても二メートル五十センチ有る訳ではない。「包帯を使うな」マジで直感する。

 有って二メートルプラス十センチ位だろう。旧型幽霊の加速からのフック寄りの右ストレートは完全にオーラが包み発光する状態で鉄格子を直撃した。ズゴォォンは一撃で倒れる一番痛い音だ。「人がもらったら」と思う。

「音も無く逃げ出したい」そう、思った。スッと立ち上がり、膝を入れたいが、恐怖と言うものは対象をでかく見せる。蒼い閃光もなびく様な二つも後続からやって来た。

 五条の光芒がそれぞれに付き髪の毛まで纏ったオーラが恐怖を演出する。

「死ぬ」彼は完全にそう思った。


 囲まれた。ラグビーだったらそう言う状態だろう。風来は真剣にそう思った。そう、フロア側に彼はいた。カリバーンなんて無い。有効打とすべき武器も無い。ついでに幽霊も使え無い。こいつは多分、『商用』だ。購買意欲用で多分正しいだろう。

 あとで詰める。この三体だけなら俺の人体は耐えられる。大型は所詮アシストでしか無い。これも事実だ。「包帯はアシスト。包帯は、えーと。……倒せる」瞬時に有効打を思い出し、情報にアクセスできなくなる事に耐えなければならない。

 新しく無い情報は劣化する。

 しかし、眼前には空間、走れば間に合う隙間があり、走ればここを抜けられる。感じ取った恐怖の中での配置はそうだ。逃げを想い命令する期間が存在するヒトと囲む幽霊たち、彼らは互いの対峙はその様な形になった。「足元が整い構えられる前に、判断しろ」身体に命令する。命令に対し、慣れない的の形の包帯大型相手に腹部へのボディアッパーに相当する一撃を見舞わせた。

 本気と言うのは打った後の体勢の整えにも時間がかかり、防御も疎かだった。

 ゆっくりとそして掻き消えて行った。

 右肘でコントロールしたと言う言い方が正しい、そういう左フックだった。彼としては脳のコマンドはそう。蒼に発光した存在が話しかける。いちいち驚かす事に長けている。暗闇を基本味方としている。これが、幽霊の方だ。緑色の発行体は完全に掻き消えるが、サッと空間から消えた辺り。

「良くも消したね」

『死』型が言う。カリスマ性が違う。呼応して、『病』型が左ストレートクラスのジャブから入って来るコンビネーションを素直に入れた。横向きだった身体を首をそちらの方に向けただけなので、幽霊に対してのスタンスは右脚が前のサウスポーに近い。伸ばした左は長身のヒトの顎をとらえる。

 二撃目からはブロックが効いたがそれでも幽霊特有の掴まれたような痛みに加え、尚痛い格闘技の一撃を喰らった様だった。あっさりとボディに左が入る。閃光は左に移動し『死』型が左ボディストレートを入れた。「世界で稀に見るあれか」ボクシングのテクニックの事だ。本気で彼は空気に飲まれながら、囚人と言うレッテルに飲まれながらリミッター解除と呼ばれる激痛に右腹部は耐えなければ成らなかった。

 風来に闘争心だけは残っており、反撃にサウスポー型右フックを壁までのスナップで打ち、そこら辺までを激痛区間にすれば良いとの判断からだった。美味しい場所と言うのがパンチにはあり、当てる気の無い場所などには攻撃力など存在し無い。押す力が有るだけだ。技術に関してはそんなものだが、意図としては薙ぎ払いたい。邪魔な物を粉砕したいとの思いからだった。アッパーが飛んできたら終わるが、何もしないよりましだ。死の直感はアッパーだった。予定通りそれは目の前の死型から飛んで来た。軽いステップで距離を取り、はっきりと物を拾う様にダッキングでかわす。『病』『死』の行動はそれぞれ次への選択死が違う。左足を壁にそれを蹴り、肘を『病』型に。左手で『死』型の頭は抑え付けた。壁に。押す力は、推進力として弱い『病』型に向かわせた。振った右拳の裏券は腕が直撃するだろう。ブロックした痛みが有ると言う事は生きていると言う事であり、肘はフェイントでもいいからいいが、活路と有効打を与えると判断しつつ神経はこうだ。「逃げ道だ」彼は強力にそう思った。

 パニックと言う切羽詰まったと思うが、追いつめられた状態に一瞬で成ってしまった。

「うん、隙間を縫えば殺そうと思っていた。足元を掴んでね。拾え無い訳が無い」

『病』型はそう思った事を言った。あの場で隙間を縫って逃げていたら、対処し切れない事態に陥っていたと言う事だ。バックキックや、幽霊の手を足蹴りなどで手放させる事が出来ないと言う事を意味している。勝てないと直感してしまった。マインドやメンタルの領域だが勝ちを差し出す感じになってしまった。ストレスは、長時間に渡り負けの望みの様な一般的には弱気なマインドを形成してしまった。環境の効果と言葉の成果だ。幽霊と言うのは言葉で優位性を壊し、自分の物としたのでは無い。圧倒的自信から来る事実の宣告は、ヒトに降伏させる事を狙ったもの。彼は明確に念で依存した。「カリバーン」カリバーンは思いをキャッチする。そう思い、武器が無い事、素手の限界を思い知らされた。認識上完全に対処出来ない。不可効力と言う、ロジックと言う英語にハマった時の裏側の方に負ける。目はしかし、まだギラギラしたままだ。依然頭の一部は恐竜を命じている。

「五十キロなら対応してやるよ。ああ」

 狂気のゾーンに、負けじと思いで勝ちにかかった。ヒトである彼は頑張って即座に言い返す。自信が無く普段なら腹部を押さえるだろう。経験者の二対一ははっきりって圧倒的不利だ。さっきの移動を見ると無理矢理逃げてもまた追い付かれるだろう。今は求められている事が違い、瞬間的に判断する事が必要だ。活路を切り開く。そう、カウンターでも奇跡では無いと蒼いのの髪が長いのには勝てない。そう、実感した。限界を知るのも正しい。「攻撃されるより前に何かだ」意思決定は決まった。

『病』型は思い付く、自身の脳の色めき立つような電撃のパノラマに対し、『病』型幽霊の蒼い光は容赦なく光の形を伸ばす。攻撃に入った幽霊は右が当たったら先輩の『死』型の打った場所と同じ場所に拳が当たったらこう言う予定だった。「もう一度です」脳内は、これ一杯だ。

 風来は視認したが既に光は伸びていた。慣れだが得意技な方、左足を軸にしたバックステップだ。それの回転系だ。スポーツ経験があれば動作も無い。サウスポーのスタンスを思い切りねじ曲げる。「間に合えー」彼はこう思いながらかわしに入った。思いっ切りずれながらだが、今は胴部が致命傷で、弱い。呼吸器系はゼエゼエ言って無い。

「もう一度です」

『病』型の攻撃は払う程度に熊手で触れた程度に感触が残った。呻き声で普通なら、相手『病』型の言葉は聞こえてない。ただし、風来の左足の筋肉はほとんど消耗した。呼吸は生きている。この部分を攻められる事、これが一番恐怖を生みだす。呼吸が死ぬと何も出来無くなる。そこにあっさりとやられるのが一番怖い。腹部を一文字とは横に払われ、切腹系の心地だ。「血も蒼くなる」彼の明確な意識とは裏腹にトンネルの中のスピード走行ははじまる。ただし、あの世へのだが。思考がそんな気分で、相手のスピードが速い。

「うん、元に戻り殴れば良い」

 元の姿勢の、フリッカージャブが打てる姿勢で、ピョインピョインと跳んでいる。『病』型はそうしている。前腕を下げたまま警戒体制である事を示している。

 回転モーションに入り、見てる方は機嫌が良い稀有な芸術性が格闘技から打ち出される。それをうっとりと見てもいい。中央制止型のミドルキックをステップインしながら打つ感じに近い。振りきれば足をコンクリートにぶつける。右だ。先も確認したように幽霊も同じだ。「空間係認識は完璧だ」幽霊に対して褒める思いを瞬間的に憧れと驚きと賞賛と共に逃げようと思っている彼は持った。腹部に痛みを抱える彼は動く事が出来ない。ハアン劇の思いは出て、幽霊にこう考える。筋力の限界を超え、通常限界を超えた状態は負荷が高く何処かに必ずとか美味しいのは無いのか。実は、背中に激痛を逃がした彼はそのまま、襲い掛かり首を掴み暴れる様にやればいいと思ったらリミッタ―と言うのは凄まじく、もう、元の姿勢に幽霊はいた。『病』型は話す。低い声だ。少々。目玉の部分が発光し無い、通称黒塗りの瞳では無く、虚空に拡がる視界内側の眼、能面の幽霊は語る。ゆっくりと。思ったよりも。

「あとは、ヒットアンドアウェイでいいんです」

 そう、風来は投げ技のように喰らった感覚は無く本能で防衛していた。右足が前であり壁に蹴りで押し込まれた感じだ。延々とスパイラルが続くのはまずい。判断を変え、弱点のルート判断を信じることにした。もう、『死』型がタックルに入っていて綺麗な軌跡を描き、ルートへのある種、希望のルートへの踏破率を減らしていた。

「こっちは壁歩きだ。くそっ」

 両肘で、無理矢理身体を起こし、死への完全な恐怖からの凄まじい判断である事を思い知らされた。徐々に身体は弱って来ている。弾ける様に離れる事が出来る筈が、動作はそつ無くが無く全ての動作が出来ると目視、病気の様な潜伏を『死』型は意味していた。気付くと恐怖だが、気付かないともっと恐怖だ。壁を蹴る事が出来、ターンを変え幽霊同士を浮き合わせる事がギリギリの両腕の行った奇跡だった。後方に一気に駆け、体勢を崩すべく約身長百八十センチの回蹴り軌道の突き蹴りを放つ。どちらかと言えばそのまま逃げるためだ。一緒に過ごしたボトルは完全に、金属の扉の前にロストした。トイレが有効打とは、トイレに行きたいと思う事が、何故か幽霊を消してしまう事が有る事だった。自然であると尚良い程度だが事実は強い。保険に用意しておきたかった。そう言えば、トイレの問題は身動きが取れなくなるから死んでいると言う事か。整合性は取れなくなった。パニックと記憶は混濁で脳が一杯になるようにしていた。崩れた幽霊を尻目に、一定距離を離せば暗闇が自分の姿を隠すのを学習したので、通路を曲がり、逃げた。成功した。


 これ程光が怖いと思った事は無い。影から発光体を探すには左手を壁に当てたようにもう一度金属の扉を一番遠い所から見る事であるが、指向性が光には有り、過呼吸は口も渇かす。それは、地獄だ。死ぬよりましだが。インターネットでかき集めた情報の中にはいわゆるトイレ系の失態は無い。幽霊がどうにかしてくれるのだろう。怨念や恨みが武器か。「なるほど」で構わ無い。幽霊に思う所は沢山有る。

「武器だー。あいつならそうする」

『死』型が話しているのが聞こえる。思考を辿られるのはもう開き直りとは書いて無かったが。慣れでしか無い。現場がこれ。攻撃力も『病』型の方が低い。派手なモーションの技の割にエネルギーや蓄積ダメージの類いが無く、タッチ程度の腹部の右がまだ痛む。回復は見込めない。腕の痺れは我慢と勢いと気迫でどうにかなった。言葉による恐怖も『死』型のほうが上、武器を持ちだされたらどうだと男の思考が入る。圧倒的が付くが屈服感に対し憑依の距離には届かせない事に成功する。憑依に入らせない事には成功していたと言う事は、第一の目的が憑依、外道転生の法なる怪しいのでない限りなど、強力なのは離れる訳が無い。脅威に見え、論理的だが完璧に対して、大型と恐怖、物を使うなど、緑色の発光体に対しては向かい合ってしまえばどうって事無い。対処可能って奴だ。怖がらせようとしているのは分かる。旧型がこれ。対して、性能を求めているような気がするのが『病』型、ハイスペックの無駄遣いをして来るのが『死』型今回の経験は以上だ。

『死』型幽霊が味方に話す。

「あってるんだがな。あー」

『死』型は『病』型へ説明を始めた。小言だ。凍えて動けなくなるように一々プレッシャーをかけて来る。念を喰われる様な思考さえしなければ、あの脅威のムーブは見ないで済む。

 普通は腕が丈夫なら開幕から、ラリアットを見舞い倒れさせ、昏倒から一気に畳みかける。憑依で〆と言うやつだ。旧型に多いムーブだ。身動きが取れない所を幽霊の自由にするのが基本、知は武器であり知は防御で有る。これを堂々と対処可能から防いで行った結果、色んな状態を経た結果が今の状態だ。凍えるような思いの状態、寒さは身体には筋肉の能力低下だけで無く、内臓にも悪影響だ。痛みも走る。

「俺ならどうするでは無い」そう思い、正確な事を風来玲央は思い出す。「正解しか無い」

 パフォーマンスは圧倒的に下がり幽霊の側に良くなって行く。これも悪い状態だ。しかし、こちらを触れると言う事は殴り返せる。これが希望だ。エフェクトは世の常の騙しだろう。向こうに取っての脅威のサインと認識を改める。分からない部分を解析されたかのように知る為のものだろう。解剖されたかのように情報が取得されてしまう。意志が効く。

『死』型の言葉だけで、「イシガキク」が向こうへの協力アーカイブと成り変わる。それは恐怖心によるものだ。惹き込みが『死』型の言葉から引き起こされる。ダメージが協力へと意志のすり替えが起こる。身体へのダメージによるものだ。慣れと怒りなどの隠れた武器をちらつかせコントロールする、心労等に代表する精神系統へのダメージも顕著だ。彼はこれを認識する。が、ブレーキは効かずまるで犯罪だ。そのような心地で読まれる前提の思考は協力する。幽霊に。



 例として石とかの投石の類いはキャッチを始め幽霊に持たれると単純に最大限有効活用され、反応の良いのは、物質透過を起こし等、風来の個人に対し複数人で幽霊退治を行う事が有る事からもここ、囚人間の仲も悪くなり疑心暗鬼と言うやつは、仲間が幽霊に見えてくるなど悪循環が多い。いない筈の幽霊が自然湧きする事から、特に忌み嫌われる。

 数の論理が効かない筈なのと、他人への攻撃性から排除となる。

 つまりは持ち込めないと言うやつだ。発光系のおもちゃなどはふざけていると却下、そもそも幽霊退治は囚人がするもので、管理側が上手い事保身を働かせ機知を得たのであってこちらに知恵が無い訳では無い。ハイリスクな事は外側の人間は行わない。俺は冤罪だが。

 サービス業がこってりと待っている。外の世界は所詮、禁止等で出れないようにされてしまう。レベル2までに限定されるように努力される。害意は利用され、憑依への呼び水となる。


 よって水の中への投石が表面への小石のバウンドでも自殺行為だ。そう、有名な幽霊の情報はまとまっていた。彼自身は、幽霊から見て一番面倒くさそうな、場所にいる。武器と言う言葉だけで、幽霊のコールから凄まじい量の武器のアーカイブを引き出してしまった。

 まるで、コンピューターだ。これが読まれる。情報は処理と把握をされ、徹底的攻撃力にその姿を変える。人間側へは判断材料もまた、攻撃力であり、攻撃力の礎そのものと化す。

 いたずらは死への歩行となる。現在幽霊対策は外側では幽霊を呼ぶことすら出来ない。金は全てを動かす。保身とは殺意を害意に変え、最終的には善意に変える。この方程式だ。天才は縮地のようにこれを用いる。幽霊退治時、普段の延長であり癖は必ず出る。影響率は百パーセントだ。


 思考は辿られ、自分の脳が疲労であざ笑われるかの様な、披露をしてしまっている。幽霊達の持つ見た目に関しては、コンプレックスとして心に刺さる事は無かった。美しい動きについても棘や荊のように冷たく心に刺さる事は無かった。攻撃力が高い事が、猛烈な劣等感に刺さり、舐めるような『死』が持つ能面全体の表情に感じ取れる。百八十センチの高身長は、百六十センチから百六十五センチの身長相手に対処し難い事を初めて感じていた。

 最大速度で読み解かれて向こうの解法と化して行く。

 戦略は上位へとシフトする。思考を辿ることはこの為であり、年間万を死者数が超えた事もないわけでは無い。三年間それは続き、犠牲を強いて止めにかかったが無駄、ヒトの叡智は閉じ込めと共に徒労と終わる。そもそも、その出現を止めれるわけが無い。スタッフの悪態の積み重ねもそれは含む。抗議は失敗作の霊を送り込む事だった。

 不幸が襲いかかった部分に触れられる等と言う最悪の事態には陥っていない。二十四時間体制攻撃のあいつの存在を思い出してしまった。今回のメンバーにいない者。そう、それは彼は明確に思い出す。かばう行為を身体はしてしまう。戦略的にはさらに上だ。上位戦略を思い出してしまった。


『傷』型はいなかった。不幸の連鎖として有名な、旧世界の占いなんかで主に対策されていた、心の傷から来る不幸及び、外傷を示す。呼び水と言えてしまう、収容所内ではこうだ。

 呼び込むのは外傷と『心の傷』行動をこれで阻害し、あわよくばコントロールする。理解するものは指向性を学習してしまうから。主にそのように見られている。人間側はその程度のものだ。蔑視と言う意図的作為的、誘導が可能なので、法の外の暴力の世界ではある。しかし、真実の自己も有るのもまた事実である。鏡を見れば悪魔に見える。これを平然とクリアする物もまた制御の天才、自己制御の天才だったりする。稀ではあるが、存在としては話を聞く価値の有る、プロと化しているのが自然であり、当然であろう。チームは組まされ、自然な状態の人間に力のベクトルは向けられる。これが知力、攻撃力として囚人に襲い掛かる。

『無為自然』現在の状態は主にここに向けられている。知力では無い。再犯を一応のクレームをクリアした平等の勝利のある種の理想形が叶った状態だ。だから、基本方針などはこうなる。

 狂気の沙汰かと思えるほどの報復や復讐の念に囚われる状態に有る風来玲央は、ここまで幽霊の持つ生体エネルギーの利用の目的に対して良く耐え、対策しほぼ無事でいる。窮地に陥った彼は、監視カメラなど存在し無いフロアで、孤独死をしていただろう。コントロールを知らない人間が辿る境地はここだ。時間が来て、なーに死体と言うのは腐った状態で発見されたとしても法的には関係無い。その時既に主権は切れているからだ。その考えが跋扈している。

 端的に言うと処刑機関と化している。事実だ。憑依霊対策として外の世界では外道転生の法、その類いが横行し光の溢れる善意の元、ピンチの人間に行われている。弱かろうが効能が違おうが関係無いのだ。意図やルート、戦術において最も強い物が『外道転生の法』『外道転生の行』などという強力な念力を用いる物、失敗すると犠牲を強いる行この二つで有り、行はダイブを主に、法は直撃でもう一度戦う事を意味する。『病魔降退』この技術の時代が有り、その結果全てに酔いしれた人間は、手に入れたものが自我を喰い破り基本的な弱化法を消し去ってしまった。プロの様な人種はこの『病魔降退』を地で行動で行う。死傷病とグレードを下げにかかるのだ。これは、常時外道転生の法を必要とするもので囚人たちの隠れ日課では無く立派な日課だ。共に生きる。この様にしないと女子は生きれ無い。死ぬ。百パーセントだ。女子の構造は二人部屋、なぜならふらっと徘徊する霊がやはり有り、持ち込み対策は万全だが環境が整う事が有る。その時に目の前に『死』型がいると思えば良い。勿論格子の外だ。彼らは小さい頭を格子の中に入れようとする。しかし、生体エネルギーが二つだと侵入を完全に防げる。死体なら基本法の範囲までだ。ナンセンスな事は「後ろ指学上」出来ない。基本は遺族がいる。愛されていてまっている事を望まれている。男女差はこれで有り、どうしようも、無い。生まれの方が優先寄りである。ピアッシング系統から事故、病、コンプレックス、昇華など色々あるだろうが、ほぼ生まれである。所詮人の手で変えたものである。死人前には関係無いと言う事か。自由な思いのときに、突如現れるこの脅威に対して、生体エネルギーによるインフラ対策が取られる事になったのだ。こういうことはいくら詳しくてもなかなか出無い。想いにおいて決定付ければクリアできる事項の一つである。エゴで沈む。このルールに変えられてしまう。幽霊が目の前に現れるとはそういう問題が起きる。死因などは一応は減らさなければならないので、為政者側は平等を敷く。つまりは、男一人に対し女二人だと言う事だ。微妙にでも仲良くやって無いと死因であり、イニチアシブの取り合いになる。有効打が勝つ。有効打が勝たなければ、幽霊の望んだ形で死ぬ。ベクトルはこちらに進み、ベルトに乗せられたヒトは状態をその状態へと移行する。男は念の管理をしなければならない。セロトニンが支配した人種に対してテストステロンは管理、制御を学ばされる。これが、大抵の実態だ。或る一点を除いては。


『A国製、対害制止薬物』これを使用する人間はこのタイミングでい無いだろうな。恐怖で眠れないのでは無い。風来玲央は頭にこれが去来した。そう、憑依されたとしても、『病』と『死』だけ、つまりは勝者であり、生き残りである。

 時間の経過は希望を生みだした。相変らず音に敏感な警戒から察知の仕方だが、眠る事が次の仕事だ。クリエイティブにこれを考える事にした。幽霊体験は基本七日間は不眠症に悩む。『戦術眠る』が必要となる。人権を守る為に開発された脅威の薬、あれを使うと半分の恩赦が受けれる。最後のトドメだ。普通は最後のトドメにあれを使う。ただ、あれには抜け道が有り、三日間に渡り眠らせ無い、インフラが必要となる。抜け道とは薬物使用の際眠る事。狸寝入りでもムカつくものだが、奇跡的に自然と階家への安堵感からか、眠れてしまう寝入ってしまう事とが多い。


『光への回帰』『光への回帰感』そう呼ばれている。そして、それはそのまま実行される。対眠装置とは、睡眠妨害システムのことであり、基本誰がやったか分からないが、今見ていているような悪夢の光景を見て思い通りの更生を促すものでは無い。学習装置では無く、科学はここまで来ているが薬の効果とは、三日間を三年間から五年間に変える事だ。量が有るが、こんな物そこの場所の采配だ。管理者が決め、全国統一では無い。地域差が必ず有り、地域性を認められ、尚且つその情報を知っていれば、『ハッキングの証拠級』つまり、知ってはいけない秘密を知っている事になる。特にここでは不利だ。これを利用された訳ではない。人間にメモは無く日数を数える事は出来ない。それは徐々に不安に成り正確で有っても不可効力的に自信が無くなって行く。そして、下手をしでかせばまた捕まると言う綺麗な『悪循環』と言う訳だ。システムの勝ち。一日千秋という恋のシステムはここに叶う。

 光が辺りを情け容赦なく支配し聴覚を壊さない程度に目の覚める揺らぎが聞こえて来る。

 これが光の正体だ。負ける。人間の脳を大抵の人間は有している。詰めとしてはここまで詰め切った。そう、冤罪でで持ち込まれた彼は、タクティカルに思い出す事に成功している。そして、使うタイミングが悪ければ何が起こるか。実態はこうだ。

 死へのシステムだ。


『A国製、対害制止薬物』これを使われたら、三日間眠れない。他人もこれは同じだ。仲間への帰属感などは有ってはなら無い。眠れるからだ。事実は強い。申告者でもある使用者は金属製の点滴の腕環型が有名で、普通システムは不明だ。周りの囚人を巻き込む光を採用、通常、鉄格子に捕まり目を必死に瞑る。これが、効かなくなった。

 周りとは、そのフロアでは無く館全体であり死亡の判定を今理解する。特殊部隊が必要な理由も同様、暴れる人間は対策済みの器物破損を封じられた状態なので普通はベッドに当たる。

 当たり散らすといった感が正しいが悲しい事に人間にはそれまでの間が、ある。無駄な暴走する理性と知性の矯正的噛み合いはトレーニングと疲れによる睡眠を行い、死ぬ事が怖く栄養失調のレベルのトレーニングが恐い場合は友人を思い返し瞑想をし平常心を覚え座禅を組み深く寝ている。

 ギャクを開発し、ストレス対策に笑い転げ狂っていても目立たない。つまりは、何らかの方法で死別を判定する方法があると言う事だ。殴っていても、破壊出来ないので音は目立つが

 急病の噂もあまり聞かない。ある種の最もな恐怖なのだが、その筈が上手く機械が回しているか人力の催涙弾やここにあるので閃光への慣れが含まれると思われる。訓練というやつだ。


 幽霊について、緑色はイタズラ好きで殺意が無い。弄びに近い。昔はこうだった。

『これは、幽霊が室内侵入した時の身体の動きとしてはパーフェクトに近い対策法の一つで、良く見られる光景だ。何せ眠れないし、幽霊が出た事を馬鹿にすれば自分が呼び水により死となる。死に至る道を自分が選んで辿る訳だ。ここは、暗黙の了解で善意の解釈をし周りの人間は「オーケー」と行かなければならない。』

 最高の恐怖と最大の脅威と思われていた。名画からの出現と、正体がゾンビであることと堂々とそのまま這い回り世界最高のテロリストに遭う筈の呪詛と言う最強の証明だ。部屋に対しこれをやるのでたまったもんじゃあ無い。近年、公益法人からその呪詛のメモや証拠の関連グッズが見つかった。よって、所詮は人と税が課される事となった。想定の話では無い。正義の仕事のために最も整合性が取れて美しくカリスマ性手段と共に正気を失い黙ってしまう。他人や使用物が不味くても正気を失い正義の指標が崩れる。スケールが紐のように曲がった。どっちが先か、真実は不明だ。能力に対してなので、案外軍人でも無く医療関係でも無い。いじめられて自殺したい人間が身辺整理をしながら融合してしまった場合などに不意の誤爆が起こる。決行の決意が評定に加わってしまう事が問題だった気がする。本質はここだ。

 走馬灯の様に人生を反省して省みても教師の能力でぶっ飛び上がる可能性がある。それは、反省をしたからだ。


 敵なので当然批判はでる。否定は常時行われ、それが知力の証拠だ。相手の立場に立つなど普通であり、初手。外務省から収容系へは、諸外国からの圧力にも対応しなければならなかった。よって、意外と有名な事実こそが事実だ。外国人の知性も使われたという事だ。

 裁判では当然だろう。

 彼は生存競争と化した命にリスクを負った状態に克たなければならない。まだまだ有効打を思い出す。身体が覚え反応するまで。


 女子収容所で二人一組のシステムなのでなんせ、軽度患者が重傷相手に殺意を向けてもいいのだ。幽霊の出現は、テクニック上あり得るのでむしろ感謝される事が多い、しかも、幽霊は部屋の場合本人にしか見えず、幻覚とショックと心的外傷とフラッシュバックとが区別が付けば良い方なのは当然だ。

『A国製 対害制止薬物』これの仕様に際し睡眠妨害装置より早くに目を瞑っていると後遺症に相当する物が非常に弱くなり、当然ベット行きに成るのだがそれでも筋トレ系の疲労より遥かに良い睡眠がとれる。そのように成っている。幽霊と言うやつは待機中まで日頃の行動を規定する。当然レベルはツーまで干渉は無い。しかし、憑依は可能なので呼び込む真似などはしてはならない。イライラからケンカ等の多数の死骸のアーカイブからのバトルプルーフは、枕を被り仲間のサインを行わない事だった。『自分を守れない者は他人を守れ無い。』たった一つの有効打にまで辿りつくまで、犠牲者は山の様に出た。

 女子が実はアップデートをかけた。脅威の緑色系絶滅の理由は、自分を守れ無い者は他人を守れ無い。

 これのテクニックが伝達し、三日間の機能マヒと、光の中の生活を意味していた。枕を上手く使う、非常に気を使ったシステム、これが戦場用のテクニックに変わって行った。

 しかも、テクニック開発者は消防系に詳しいかその仕事の経験者では無い。ただのゲームからまたも結果を導き出した。

 そう、余計な物は省く癖だ。

 女子はあまりゲームをやらない。その上情感が強い。

 ただ、流行りのゲームを考えるほど外側の遊びを考えるほど暇なのではある。それが、結果を出す。

 必死こいて実は先輩美人の妄想とデータアーカイブを繋いでいる風来ではあるが、それは彼が男子に優しいのでは無く女子に優しいからだ。光は効かないのでは無く詐称に遭い過ぎた過去をクリア出来ない放置されたままである事、この条件下で特に戦術レベルの光を出す事が出来ない事、一度でも出すと、幽霊が嫌がり戦術と戦略を取って来る事と有難がられる事などが有る。


 レベル3出現地域とはそれほど危険であり、インターネットアーカイブにアクセスする事など出来ない彼は、単体戦闘ではあるが「変に情報などに揉まれるよりまし」と割り切った。ここまでくると、個人用何々流の強制などが有り得る。

 それは、自己の為に他者を犠牲にするものだ。結果は出ても、総崩れが起こる。彼はそう考えた。

 ギラギラした目に成り凶暴になり身体はだるく言う事を聞くから問題が無いと思うだろうが、睡眠不足や不眠これを誤魔化す行動、疲れなどは心的外傷系に弱くなり、実際正しい判断が簡単に出来る。不眠、七日目の人種も居た。しかし、ここからが問題で他人を巻き込んだ程度の問題では無い。

 精神発狂し、死んだ。

 精神のコントロールが徐々に効かない事を意味する。運と言うのは味方する。しかし、徘徊型幽霊の監視からのコンボにあっさりと餌食になってしまう。病型は心の傷を作り難いが、同様に干渉出来ない環境の中で『傷』型が徘徊し、仕事をし仕留めてもいいのだった。複数人の場所にこれは多い。

 ばっちり!幽霊たちが喜ぶ様に周りの囚人だけでも無くかなりの質と量の人間に例え情報が漏れなくとも仕事をする。風水が環境を作っているとも言われているからだ。変えれば良いだろうが、世間の行動ニーズは基本変わらない。堕落と言われても便利さを手放すのは退化より苦しい。

 人間性を失う事にそれは等しいものだ。

『傷』はコントロールし『死』へと一気に傾ける。命の天秤をコントロールする本人の行動と言うやつをだ。だから、眠らなければならない。これは仕事だ。これは至上命題だ。

 不可効力の、行動論理による減刑が向こうにも有るとしたら、簡単なイージーモードと言った所だ。これを避けなければならない。至近距離で目視した場合、絶対に睡眠する必要が有る。『傷』型の憑依へ下地を作ったようなもの。死への誘いは殺生石のようにしばらく残る。


 彼は片目で、幽霊の移動を確認する。

 一々ひたひたと嫌な音だ。しかし、二人に減ったこれは、圧力が減り、目視は逆さまの様に覗きこむような髪の毛が逆さまになる位頭をかしげての波動が飲まれた状態だが、見られてない上に一瞬でも、仲間と誤認してくれると嬉しい。染色により髪質が変化、柔らかくなったので重力に対して素直でもあり金髪と呼ばれた不良型の髪の毛が引っ張られてると感じる。

 光って無いから無理なのだが、遠くからでも光っているとは見分けが着くものでありつつ、光が味方してくれれば、誤認が有り得るので監視モニターなどなく洗浄装置に死体として拾われる程度なら、トライした方がましだ。

 奇妙な状態に慣れてきた。つまり、効き目の右目で襖を覗きこむのでは無く、奇妙な人間の様に女子の効き目の左目で目視し、少しでも思考を辿るシステム戦術の裏をかき混乱をきたしたいと思った。その上での行動だ。

 全滅を願い、道連れを狙う酔狂な奴もまたいるのも事実。自分だけは関係無いと防衛線を張らなければならない。幽霊は曲がり角へと曲がり、例えばれたとしても、油を塗ったようなギラギラした目に成って来た風来玲央は「さっき対策できたから」と金属の扉の近くに向かう事にした。しばらくし、少し時間が経つ。

 天上の採光から日が差し始めているのが分かる。幽霊退治は古典的にここで終わりだ。最上階の中央部では無く、ピラミッド状を基本とするので、実際には少しずつ、採光用の窓が天井に有り、微妙な日照権を確立している。時計はここにしか無い。それは窓という昔ながらの光に依存した物だ。細かく、人間より小さくまるで幽霊を放り込む為に有りそうな感じだ。失礼だが赤ちゃんなら通れる。そういう気がする。そしてこの時間帯の死への確率もまた、高い。

 金属の扉の前で勝負だ。光を求め、入口のフロア前の格子近く、あいつらは多分そこら辺だろう。通常は消耗し切った心理的状態は暖色の光を求める。口呼吸を減らし、内緒の鍛錬呼吸を採用し、口の渇きを押さえきっていた。実際にはとにかく思考を読まれないようにするのが先決だ。慣れない呼吸は、苦しさを伴うが今は生きている実感が心地良い。

 時間の経過を推し進めるのにもいい。

 驚異の追い上げと言うのが待っている。ここでの有効打はただ一つ、カウンターだ。「左手で受け止め、右ストレートで打ち抜く。左手で受け止め、右ストレートで打ち抜く」人によっては壁を背にし、構える。見付からない事を望み、平静心とつぶやく様に丁寧に呼吸をする。平穏な空気は暗がりから白い衣服を着た人間を消すのを容易とした。

 左手とはロックオンの隠語で左拳の事だ。勢いに対しこれを当てる。制動をこれで取る。そこから、一気に打ち抜くのだ。攻め込まない限り、これが出来る。

 彼は左手を棒の様に伸ばした。呼吸を元に戻し、鬼のような呼吸にまたも「褒めろ」などと思いながら賞賛を渇望した。

 予定通りと言うか読み通り、『死』型のもう二度と見たく無い移動と、『傷』型の見えない事は待機だろう。来ている白色はコーティングは有り独特なれどやはり憧れる物だ。左手を伸ばした時に確定した。フースーフー、独特な音が響くが長時間は出来ず短時間用だ。割り切らないと、自分が身を提供している事になる。音は静かだと良く響く。彼の行動は、『死』型の幽霊の適切な突撃をキャッチする事に成功した。引きずり込もうとしているのは向こう。行き先は、死だ。ショックを身体は受け付ける。

 左手でキャッチし制動をかけコントロールをしている所だ。左手に掴みかかろうとは何事だ。珍しい挙動だが。右手を狙いすまし、打ち込もうとするが、向こうの方が身体に対して制する能力が高かったが半透明だ。冷静にしたほうが良く、呼吸によっては弾いている事すらある。平常心や平静心と言う奴だ。だから、幽霊側、彼らはこれをかき乱して来る。そう、巧みに。

「教えてあげるー。ハンディライトを持つと私達は念が読めなくなるのー」

 そんなもの知るか。俺に要るかの意だ。反射でそう考えた。情報必要無いの意だ。視覚上左側へ顔をナナメにした妙に笑顔だ。美形なのがまた、戦術だろう。日光はやはり味方をした。窮屈な狭い呼吸は終わりを告げた。戦いは倒したのでは無く、撤退させたにしか過ぎない。そして、空気は妙に笑顔では無い。

「改めて理解させられるのは、死者三千人を出す幽霊退治には、死ぬ前の外傷や病気などの状態がある」思ってしまった。思考読みの癖は抜けない。正確には対策だ。口に出して言葉を発することなど、幽霊退治の基本から戻るのに工夫が要る。たった一晩の事が自分を変身させてしまった様な感じだ。変身が戻るのに苦労する。


 収容所のルール上倒れたままでも良い。勝手に自室に運ばれる。感染ではないが、人人のタイプの憑依を嫌うので機械が用いられる。だから大丈夫だ。しかし、這うような体力でも自力で自室に帰るのはかっこいい。精神力を見せつけた気がする。対象はいないのだが。

 憑依のチェック機は『病1 番号018……』囚人服の胸元の妙にロックな黒い数字表示した。自分のことである。管理番号の都合だ。姿勢を正し、痛みと疲れを全て誤魔化す。


 手続きは早々に終え、私室に放り込まれる。鉄格子の音は安全性を意味するし、チェック上、病一は決して変わる事は無かった。メカが上手く作動する。「逃げる事はできないか」ベットの上で光輝く天井を見ている。一瞬、幽霊のうすぼけた幻覚を見た気がした。いや、まて。こちらへの監視はまだ聞いた事は無い。

「身長が同じ位なのって戦術なのかなー」

 思いっ切り声に出した。

 ベットに横たわり手を頭の後ろに組み、怒られるだろうが大きな声でかっこつけた。半日前までいた向かいの部屋に良く笑う小柄のヘアースタイルだけ印象に残っている。赤が抜けてなったかのようなピンクの髪の毛の俺より若い男は消えていた。

 手を振っていた事を思い出した。向こう側の彼が俺にであった。


 詳細は聞けないのがルールでもあるのだ。意外と自由なので、シャワー等は適当でどうにかなる。「誘因型の念を持たなかったのが勝機だ」後輩用に教えを考えてしまった。


 手紙だ。どうにかしなければならない。しかし、家庭には「カリバーンを頼む」で通る。前の職場の近くに取り扱いが有った。非常に簡単だろう。その筈だ。人力移動なら尚の事早くて楽だろう。これを30行に渡り、30回書けば通るだろう。実際、30回書いた。しかも、常軌を逸したその文はとっとと、看守のチェックを通った。早い仕様の便はあっさりと家庭へと仕向けられた。読まれただろうかでは無く、「読まれなければならない」と必死で念じていた。

 脱獄への自信からか辞書分くらいの自由は与えられる。それは、武器に限る。

 そして、彼は完全な睡眠と異常な清潔さを得る事に成功、次の幽霊退治への布石とした。


       『旧型はカウントされないような。悪夢だ』

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