第7話 助けたい
ぼくは、凪に教わって守られてばかりいる。でも、そんなのは嫌だ!
対等の友達でいたい。
だからぼくは、冒険の合間に鍛えて行くことにした。
でも、それさえも凪に教えもらった上で鍛えている。情けないことに・・・・。ORZ
体力をつける為に、今日も果樹園や薬草園、そして牧場を駆け回る。そんな充実した毎日に、ぼくは、とても大切なことを忘れてしまっていた。
白雪様の部屋(家?)から冒険に出て約一月。
目的地である「外円」に着いても可笑しくなかったのに、寄り道したり戻ったりして、結局⑤の円の先の動物たちのいる牧場以上先に行っていない。
何時までも「外円」から連絡がないことに、白雪様が心配なさって探しにこられたのだ。
ぼくは、めちゃくちゃに怒られた。そして、凪と友達になったことを物凄く抱きしめて喜んでくれた。
それからは、定期的に白雪様の方が会いに来てくださり、勉強を教えてくれた。(訓練は、今まで通り凪がしてくれている)文字は、ぼくが住んでいた日本の日本語と、ヲシテ文字という不思議な文字だ。そして算数。足したり引いたりかけたり・・・基本的な物は全部。
後、ぼくがこの世界に居ることが出来るのは、白雪様の加護があるからで、その加護で「神力(しんりょく)」というのが使えるようになっている。その力について知り、使えるように、凪がついでに教えてくれることになった。
*************************
なんやかんやと、あっという間に時は過ぎ、気が付けば5年。10歳になっていた。
「神力」の使い方もしっかり覚え、一日中猛スピードで駆け回っても、息切れすることもなくなった。白雪様の部屋から半時で「外円」まで行けれるようになった。
最近は「外円」の護衛たちに、戦い方を教わっている。
自分の「神力」で、刀を作って戦うのがぼくのスタイルだ。
今日も、何時ものように「外円」で訓練をしていた。
「たすけて・・・・・。た・す・・・」
どこかから聞こえる、小さな助けを求める声。妙に気になって辺りを見渡せば、その声は、無数にある扉の一つから聞こえることがわかった。
その声を聴くとぼくは、胸の奥が締め付けられるように痛くなり、決して扉に近づいてはいけないと言われていたのに、歩を進めていた。
そして、声のした扉に手を掛け開く。
後方で、何か言っている声が聞こえるが、ぼくの行動は止まらなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます