第106話 ゆんの手紙(8月2通目)
野々村詩音様
ゆんです。
パパ、レンからお兄ちゃんの伝言を聞きました。
ゆんは待っています。
いつまでも待っています。
何が起こっても野々村詩音を待っています。
本当は今すぐ会いたいです。
竜人くんの曲で「逢いたいYO〜!」ってあるでしょ?
本当にそんな気分。
でもこの距離を作ってしまったのはわたしだということはわかっているので、文句を言える立場ではありません。それが今はとても悔しいです。それはわたしがどれほどバカだったのかをも痛いほどに思い知らせることだけど。
わたし達が少し我慢をして会った時にはわたしも言いたいことがあります。
忘れないで。ゆんがまだ伝えてないことがあるということを。
わたしはわたしが今できることを頑張ります。
お兄ちゃんのそばにいても胸張っていられるように。
そんな
多分、お兄ちゃんって呼ぶのは今はおかしなことなんじゃないかなってことも思ってます。でも…これまでずっとお兄ちゃんだったから…まだお兄ちゃんと呼ばせて下さい。好きな人がお兄ちゃんって世間的にはおかしいかもしれないけど、まだそう呼ぶ以外に出来なくて。
そうだ、今度会った時にはどう呼べばいいのかも教えて。
ゆんは…
野々村詩音をここで待っています。
待っているだけではなくて受け入れます、全てを。
だから…早く会いたいです。
寺本ゆん
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます