第7話 わたし達の部屋

ふん、だ。

「鍋見てろって言われるまで出なくていいよね」

まだ納得いかないわたしは部屋に籠ることにした。わたしの部屋だけど、わたしだけの部屋じゃない。部屋には長い机が置かれていて、二段ベッドも置かれている。お兄ちゃんと一緒に使ってる。


元々は別々の部屋だったのだけど、一部屋を作業部屋にしたいってお兄ちゃんが言い出して、要らないもの置いてたら気が散るとか生意気なこと言っちゃって、お兄ちゃんが高校に入った時今の状態になった。でも結局お兄ちゃんはわたしが勉強教えてってせがんだ時と寝る時くらいしかこの部屋に来ないけどね。


「はーぁ、何がいけないんだろうなぁ」

ため息混じりに呟く。今に始まったことじゃないけど。ダメダメ、もうこれは放置しなきゃ。

「今日の宿題何があったっけ…」


ひとしきり宿題に没頭したものの、やっぱりモヤモヤする。うーがるがるがる…

「そうだ!」

思いついたわたしはおもむろにスマホを取り出すとひとりごちる。

「逆襲するんだもん!」

インスタの写真をDL出来るアプリを起動してイケメンお兄ちゃんを捕獲していく。

「ふふふふふ」

そしてプリンターのスイッチを入れるとスマホから直接プリントを始める。

「いっぱい貼り付けちゃうんだから!」

10数枚プリントしてニンマリする。

「どう見ても本当にカッコいいとしか言えないのに。ほんとお兄ちゃんってよくわかんない。わたしの目が悪いわけじゃないでしょ。花梨だってカッコいいって言ってたし」

ブツブツ言いながら、念のためにラミパウチの機械も取り出して来てガッツリ保護する。

「これならグシャグシャにはされないよね」元々置いてあるコルクボードから要らない写真やメモを外してさっきプリントして補強した写真を貼り付けていく。

「はー気が済んだ!」

ニンマリ笑うとキッチンの様子を見にいくことにした。


お兄ちゃんは既に鍋のお守り中だった。

「出て来たか。じゃバトンタッチしてもいい?」

「いいよ。でもほんっとにそのキノコ頭で映る気なの?」

「もちろん」

「あっそ」

「あれ、反論しないのか?」

「無駄でしょー」

ふーんだと付け加える。

「あ、ね、後何分煮込めばいいの?」

「30分くらい。そのくらい経ったらルー入れて先に食べてていいよ」

「はーい」

そしてお兄ちゃんは作業部屋に向かってく。ったく。せめて前髪上げて!じゃなくてもちょっと分けて目を出して!念じても無駄なことは分かってるけどね。ため息しか出ないや。



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