A Cat has

「司令、捕獲したザイゴートについてなんですが」


「捕獲?

死体を解剖のために回収したと聞いたんだが」


「それが、完全には死んでなかったんです。

詳しいことはこの報告書にまとめてありますが。

彼らは単純に高い再生能力を持っているだけではなく、複数の脳や心臓を持ち、損傷し機能を喪失しても内臓を再配置することでその機能を維持しているものと思われます」


「心臓と脳をすべて破壊すれば殺せる、ということ……でもないんだろうな」


「それを調べるための許可を得たいのです。

どこまですれば完全に無力化できるかを知らない限り、我々もただ徒らに消耗するだけですから」


「わかった。

許可しよう、だが常にセンサーで見張っておくこと。

まわせるタレットがあるなら、それも保険として使うといい」


「ありがとうございます。

でも、

本部に許可はとらなくてもいいんですか」


「あいつらに訊くだけ無駄だ。

だが、私からも伝えておくが、部隊にはそういう実験をするという情報共有はしておいてくれ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る