第6話 ”かく/ヨム”
大袈裟に例えて綴るのなら、「まるで間欠泉のように。」そんな思いを抱えて、誰かに連絡をする。電話であれば落ち着けることを知っていながらも、そもそも止める事が出来ないんだからと、パソコンをわざわざ起動してメッセンジャーに気持ちを誑し込む。これが僕にとっての正義、これは僕にとってのSOS、これらはあの人だから打ち込める内容。手書きで伝えるよりも、口で話すよりも、それよりもずっとずっと上を行く高度な技術なのに・・両手を器用に扱って、普段の自分以上に発狂している。都心部に居るにも拘わらず、やっと見つけ出した星に救いを求めるように。
――20/100しか生きていないのに、全部知っているかのような爆発の仕方…間違っていると思う。ここまで自分の想いをつらつらと書いてる時点で、どうなんだろう。結局、自分が招いて得た結果だというのに、誰かのせいにしては自分を陥れる。”反省”という言葉を防具にして、自ら武装をして攻撃をしている。
要するに、僕は、間違った捉え方で生きている・・
『奥野君、なんで、もっと早くに云ってくれなかったのかねっ?』
その言葉だけが、確かに僕を軸にして生かしている―――。
「ごめんな・・・、たかひろ」
田舎に行けば、いくらでも星を見つけられて願いを届けられるかもしれない。あの時の停電みたいに星を眺めてしまえば、いくらでも望みを聴いてあげられるかもしれない・・。でも、現実は・・・ちがうだろう?
僕は遠くで見ていたよ、
君はただひたすらに真っ直ぐだった。
風を切るには、それだけじゃ”足りない”何かを知らなきゃならない。
こうして、心の中で引きこもり続けている僕も、歩き出さないとイケない。
書くだけかいて、自分で読まなきゃダメだろう?それで、何度も何度も訂正をして白紙にして、それでいて組み立ててやらなければ。
”奥野貴弘”、それは僕の心にずっと住み続けている・・
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