第3話 ケイトの 騎士

カイト「なぁケイト、ローゼとは…どうなのよ?」

にやりとカイトが笑って聞いてきた

ケイト「なんともねぇよ!」

カイト「ローゼはなんかエロそうだしなぁ…」

ケイト「だからなんともねぇって!」

カイト「……ホントは?」

ケイト「殴るぞ…」

カイト「わりいわりい…へへっ、でもローゼはマジでなんでお前なんかと…おかしい話だよな、それがお前の使徒の能力なんじゃないか?」

ケイト「だからよぉ…何度言えばわかるんだよゴラァッ!」

思い切りカイトの頭を殴った

そして宿に戻った

ローゼ「お帰り、ケイト」

ケイト「それで昨日は…」

ローゼ「…気持ちよかったの?」

ケイト「ちげぇよ!それで!これからどうするんだ?文字も教えてもらってないしよ!」

ローゼ「私は…ギルドを辞める」

ケイト「…え?なんだって聞こえなかったぞ」

ローゼ「だ!か!ら!私はギルド辞めるって!」

ケイト「なんでだよ?ローゼはギルドの幹部じゃないのかよ 」

ローゼ「君と一緒に…じゃなくて!私はギルドの騎士以前に君の騎士だから」

ケイト「なんだそのナンパみたいのはよ」

ローゼ「ナンパってなによ?」

ケイト「なんでもない、俺の地元の言葉だ」

ローゼ「だから私は…ケイトと一緒に…冒険したいから…」

ケイト「わかったよ、俺もローゼと一緒に生きたい」

ローゼ「…やっぱ生意気」

ケイト「どうやってギルド辞めるんだ?」

ローゼ「辞める理由になった物を持ってくるってのは知ってるけど」

ケイト「ようするにほとんど知らないってことだな」

ローゼ「ケイトよりは物知ってるよ!」

ケイト「とりあえずギルドに行こうぜ、何を持ってくんだ?」

ローゼ「ケイト、君」

ケイト「マジすか」

ローゼ「マジ」


俺たちはギルドの中を歩く

ローゼ「ふえぇ、私ギルマスとあんま関わりないんだよなぁ」

ケイト「幹部なのにか?」

ローゼ「幹部なのにね」

ケイト「(ギルマスってどんな奴なんだ…)」

ローゼ「ここにいると思う」

見るからに分厚い木の扉だ

ローゼ「ギルドマスター、私辞めたいんですけど!」

ケイト「(ギルマスにこんな軽い口調でいいのかよ!)」

ギルマスは背もたれが長い椅子に座っていた

おじいちゃんな見た目をしている

ギルマス「フォッフォッフォッ、ローゼちゃんなんで辞めるんじゃ?気になるんじゃよ」

思ったより凄くニーズな人だった

ケイト「(えぇ…)」

ローゼ「このケイトっていう人の騎士になることを決めたからです!」

ギルマス「フォッフォッフォッ、恋か、ええのお。ほれ、契約解除の刻印じゃ、」

ローゼ「恋…なんかじゃ…」

ギルマスが判子のような物を落としたかと思ったが、判子は宙に浮き、ローゼの手元にすっと入った

ケイト「うおっ!」

ギルマス「フォッフォッフォッ、はしゃぐのう、若いの」

ローゼ「どうすればいいんですか?」

ギルマス「フォッフォッフォッ、手の甲に押すだけじゃ」

ローゼ「…こうか」

ローゼは判子を手の甲に押すと、その跡が水色に光る

ローゼ「こうですか?」

ギルマス「フォッフォッフォッ、そうじゃ、そして今夜はローゼちゃんの新たな門出を記念して宴会じゃ!」

ローゼ「本当ですか!?ありがとうございます!」



おっさん大剣使い「うっうっうっ…我がギルドの花があっ…ケイトやら!お前たち幸せになれよ!」

ケイト「は…はい…」

男騎士一同「うおーーっ!」

ローゼ「みんなありがとうね!また会いに行くから!」

チャラ騎士「もう行っちゃうのかい?おい店員!ナッカ酒もってこーい!」

男騎士一同「うおーーっ!」

ケイト「完全に帰れなくなってるな…」

ローゼ「楽しいしいいじゃん!」

ケイト「俺はもう疲れまくってるぜ…」

ローゼ「いえーい!」

ケイト「ははっ…いつも通り…」

おっさん大剣使い「おいケイトとやら!ケイトぉーっ!」

店員「すみません…お酒が品切になりました…」

チャラ騎士「マジかよ…もうローゼちゃんとお別れか…」

ローゼ「また戻ってくるよ!本当にいままでありがとう!」

おっさん大剣使い「うっうっうっうっ…俺は嬉しいぞーーっ!」

男騎士「ケイト担げるかい?ローゼちゃん」

ローゼ「ん…おいしょ、大丈夫!みんなじゃあね!」

男騎士一同「うおーーーーーっ!」



ローゼ「ようやく目が覚めた?」

ケイト「ああ…あのあと気を失って…どうしたんだ?」

俺は机に伏せたまま寝ていたんだろうというのが直ぐに予想できた

ローゼ「ここはもうあの街じゃないよ、私の故郷というかなんというか…そんな所、ここは友達が貸してくれてる小屋、

あと…」

カイト「ようケイト目ぇ覚めたか」

カイトの顔が俺の真上にあって心臓が止まりかける

ケイト「うわっ!なんでカイトここに居るんだよ!」

カイト「俺もケイトとローゼがあの街出るって言うから俺もギルド辞めて着いてきたぜ(キリッ)」

ケイト「キリッ、じゃねぇよ!」

ローゼ「まぁこの3人でやってこうよ!」

カイト「おう!そうだぜ!」

ケイト「…そうだな、頑張るよ俺も」

ローゼ「ということで今から作戦会議をしまーす!」

カイト「作戦会議ってなにすんだよローゼ」

ケイト「ケイト君教育作戦!」

カイト「教育って!おまっ!」

カイトは腹をかかえて笑い転げた

それに無性にイライラした

ケイト「お前も一年前は俺とおなっ…」

カイトが俺の口を押さえた

カイトが小声で「お前なに言ってるんだよ!俺たちが異世界人だって事バラしてもいいのか?」

俺は生唾を飲んだ

ケイト「お前も一年前は俺と同じ年だったんだからな…ははっ」

ローゼ「それにしても二人とも凄い仲良くなったね、何があったの?」

ケイト「まっ…まぁな、これが俺のコミュ力だぜ…」

ローゼ「コミュ力ってなに?」

ケイト「俺の故郷の言葉だよ…うん」

カイトが物凄い目力でこちらを睨んでいることに気付いた

カイト「それよりよ、作戦会議するか!」

ローゼ「うん!まずは…」

ローゼがポーチから5センチほどの巻物を取り出した

何かをローゼが唱えると巻物は突然広がり、巻物は元のサイズの10倍程になった

ローゼ「まず文字の読み書きを覚えさせる所から!頑張ろうね!」

ケイト「どんと来い!」

カイト「そんな事もあろうかと俺が子供用の絵本を持ってきたぜ!」

カイトが後ろから積み上げられた絵本をドサッと机に置いた

ケイト「」

ローゼ「どうしたの?」

ケイト「いや大丈夫だ、教えてくれ」

ローゼ「まずこれが…」




ケイト「(やべぇまったく分からねぇ…)」

カイト「うおっ!もう夜かよ!」

ローゼ「ホント最近日が暮れるの早い気がする」

カイト「俺もだぜ!」

ケイト「…じゃあ寝るか?」

ローゼ「そうだね、もう寝よ! 」

カイト「てかケイトは分かってるのか?」

ケイト「も…もちろん」

カイト「(こいつ絶対わかってねぇな…)んでベッドは2つか…」

ローゼ「私とケイトで寝るから、カイトは一人で寝てていいよ」

カイト「お…おう…」

ケイト「俺はもう寝るよ、おやすみ」

ローゼ「じゃあ私も」

カイト「(寂しいなぁ…)」


カイト「おい起きろケイト!ローゼ!いちゃいちゃしてんじゃねぇ!」

ローゼ「んぁぁ…?」

カイト「霧がやべぇって!」

ケイト「うおっ!マジかよ、真っ白だ!」

窓から外の様子を見ようとすると、予想以上に何も見えなかった

ローゼ「私まだ眠い…二人で…」

カイト「しょうがねぇ、俺たちが上手くやるぞ」

ケイト「上手くやるって、なにかするのか?ただの霧だろ」

カイト「お前、13の使徒には霧の能力者がいるんだよ、本読んだ、いや読んでもらったんだろ?」

ケイト「そうだが、というか一言多いんだよ!」

カイト「まぁそうカッカするな、ほら、行くぞ」

カイトは背中に俺の身長ほどの両刃剣を掛けた

カイトが扉を開けると霧が部屋に流れ込んだ

ケイト「ゴホッ…これなんだ!?明らかに霧なんてもんじゃない!?」

カイト「これが…使徒…」

?「やぁ君たち、正解!」

ケイト「お前は…誰だ…ゴホッ」

?「ちょっと咳してるから解除してあげましょう、はい」

そいつが指をパチンと鳴らすと霧が一瞬で消えた

カイト「こいつが…霧の使徒か!」

?「そう!僕が…」

?「霧の使徒、マコトです!」

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異世界ノンソリチュード @reki1007

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