第181話 パウロ 目から鱗
キリストの弟子迫害になおも息をはずませ、サウロはダマスカスに向かっていました。
「木にかけられる者は呪われた者」このモーセの律法を信じきっています。その木にかけられたイエスが、神を冒涜した者として処刑されたのだと喜んでいます。
三日後に復活したイエスなんて認めない!そんなデマを流すクリスチャンなんざぁ、許しておけないっていう勢いです。
エルサレムから二百キロ離れたダマスカスまで、迫害者サウロはクリスチャンを追いかけます。もうここまで来ると、執念です。
イエスをメシアだと吹聴するクリスチャンの根絶が目的のサウロは、将来を期待され余計に燃えていた事でしょう!
「サウロ、サウロ、なぜ私を迫害しているのですか?」
道中、辺り一面が光で満たされ、サウロはあまりの眩しさに立ち止まり、超自然的な光の中に突然声がしたので驚きました。
「主よ、あなたはどなたですか?」
超自然的な声だったのでしょう。サウロは声の主に尋ねます。一緒に旅をしていた仲間は光は感じましたが、声は聞こえません。
「砂漠通って来たから、サウロ熱中症?」
「……サウロ、幻でも見てるんじゃねぇ?」
仲間は突然話し出すサウロに怯えたかもです。
「あなたが迫害しているイエスです。起きて町に入りなさい。そうすれば何をすべきか告げられます!」
いっ、イエスですか?サウロビックリ仰天。
イエスの弟子を迫害したけど、イエスにはしてませんよ!って言い訳したかったでしょう。
イエスにとったら、自分の弟子を迫害するのは、自分を迫害したも同じなのです。
ステファノ殺しにも加担してるし、家から引きずり出したところも見られています。
サウロ真っ青。しかし、イエスはサウロを責める事なく、町のユダという人の宿に行くように指示しました。
サウロは目を開いても、何も見えなくなっています。強烈な光を浴びると目が見えなくなるのと同じですが、この現象はサウロだけに起こりました。
サウロは仲間に手を引いてもらい、ダマスカスに入りました。
ユダの家に着いても、三日間何も見えず、何も食べることもしませんでした。
イエスに会った事が衝撃的だったからです。
サウロは三日間、ずっと祈りました。聖書の中で三は完全数です。自分の身に起きた事を考え続けて、人生180度変わらなくてはいけません。
サウロは回心、転向の為に三日間を用いました。
「キリストの弟子は真実を語っていたのだ。イエスは本当に神の子で、人類の救い主メシアとして殺され、神の栄光のうちに復活されたのだ。しかも弟子を迫害していた自分に現れ、これから行う事を教えようとされている」
サウロはパニックでしたね。今まで自分がしてきた事が間違っていたと気がついたのですから。
しかも、復活したイエスから話しかけられたのですから。
サウロはここで幻を見させられます。イエスの弟子のアナニヤが自分に手を置くと、目が見えるようになるという幻です。
そんな頃、アナニヤの所にもイエスの声がありました。ユダの家にいるサウロの所へ行き、手を置くようにという指示です。
アナニヤは断ります。弟子に危害を加えるサウロの噂を聞いていたからです。サウロに会ったら殺されちゃうじゃんか。と駄々をこねます。
「行きなさい!この人は私が選んだ器であり、異国の人々に、また王たちやイスラエルの民に私の名を知らせるからである!」
イエスはアナニヤにもう一度指示します。
これも特権です。アナニヤにしか出来ないお仕事。彼はサウロを見つけ出し、手を置いて、
「サウロ、兄弟、道中であなたに現れたイエスが私を遣わしました。あなたが視力を取り戻し、聖霊に満たされるためです!」
アナニヤ、偉い。仕事を果たしました。
「すると、すぐ目からウロコのようなものが落ち、サウロは視力を取り戻し、バプテスマを受け、食事をして元気になった」
目からウロコ……この言葉は迫害者サウロが使徒パウロになった時に生まれた言葉です。
現在でも使いますね。使う時は是非、この記述を思い出して下さい。パウロも喜びます。知らんけど。
「ベニヤミンはオオカミのように噛み裂く。朝には獲物を食い、晩には分取り物を分かつ」
ヤコブの臨終の預言の通り、朝は、エステルとモルデカイが成就させました。
晩にはベニヤミン族のパウロが霊的な戦いをすることで、成就させていきます。
神とイエスの選びの器、パウロがんばれー!
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