第131話 ヨシュア エリコの城壁 

 エリコの町まで来たイスラエル軍。ヨシュアは神様から指示を受けます。

「あなたとあなたの兵士たちは、エリコの町の回りを行進しなければなりません!六日の間、一日に一回、町の回りを行進しなさい。その時、契約の箱を担いで歩きなさい。七人の祭司が契約の箱の前を歩き、角笛を吹きなさい!」6:10


エリコは強固な城壁に囲まれた難攻不落の町です。こうした都市を攻める場合は、まず囲みますが、ヨシュアに与えられた戦術はとても奇妙なものでした。


「六日の間、声をあげてはなりません。一言も発してはなりません。その時が来たら声をあげなさい!」お喋りな人には堪えられない戦術です。


「昨日、ちょっと飲みすぎて頭痛いんだよね」

「おれ、寝不足なんだよね。ダルおも~」

「角笛、下手じゃねえ?祭司初心者かな?」


 こんな話も出来ません。兵士はヨシュアの指示に従順に声をあげず、ひたすら行進しました。

 オナラなんてもってのほかです。笑いが生まれます。我慢できずに「くさっー」と叫びます。


――ついに七日目になりました。エリコの住民は薄気味悪かったでしょう。それももう終わります。この七日目だけ、七周行進されました。


 七周目、祭司達が角笛を吹くと、ヨシュアが叫びました!

「声をあげよ!神はこの町を与えて下さった!

緋色の目印のある家の者、ラハブと家の者は生かしておくように!彼女は私たちが遣わしたスパイをかくまったからだ!」


 ヨシュア最高です。ラハブの家の事を忘れてはいません。


 イスラエル軍が声をあげると、城壁が完全に崩れ落ちました。兵士は町に突入出来ます。


「町の物は強奪しないように、ただ、銀と金、銅や鉄の物品は神にとって聖なるもの、宝物庫に入れるように!」ヨシュアは穀物など燃える物は手を出すなと指示します。神が禁じておられるからです。エリコの住民、みんな死んじゃうんですけどね。


 そして、二人の若者にラハブの家から全ての人を連れ出し、イスラエルの宿営の外の場所に避難させるように命じます。この若者はラハブに匿われたスパイです。自分達がラハブに誓った通りに行動出来るのです。ヨシュアは部下の事を思いやる上司のようです。カッコいい!


 こうして、エリコ陥落。神とヨシュアの名声は周辺の諸国家に広まりました。


 さて、命を救われたラハブはどうなったでしょうか?娼婦の生き方を悔い改めて、イスラエル人として生きています。そしてサルモンというユダヤ人と結婚します。


 このサルモンは誰の息子だと思いますか?族長ヤコブにユダという息子がいましたね。


 そうです、ユダの息子なんです。ユダの子孫に与えられた預言を覚えておられますか?

「笏、つまり王権はユダから離れず」です。


 ラハブとサルモンの間にボアズという息子が生まれました。このボアズは聖書の「ルツ記」に登場します。そうです、ルツと結婚するのです。そしてその息子がオベデです。オベデの息子はエッサイです。エッサイの息子は?


 じゃんじゃジャーン。昭和のノリ。


 私の大好きなあのダビデです。ラハブは信仰が報われて、ダビデの先祖となりました。そしてダビデの家系にイエス・キリストが生まれるのです。

 人生何があるか分かりませんね。


 神様も公平な方ですね。職業や、民族なんて関係ありません。ラハブ良かったね。なんて誉れある生き方なんでしょう。私も頑張ります。


 ヨシュア率いるイスラエル軍は、次はアイという町を攻めとります。しかし、イスラエルの中で罪を犯した者がいて、神は勝利を与えてくれません。犯罪者を炙り出さねば。ヨシュアがんばれー!


 





 



 


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