第115話 エリシャ 4つの奇跡 4
ハナス――では、4つ目の奇跡について教えて頂けますか?今までとは、また違うんですよね。
エリシャ――そうですね、さっきの生き返らせた奇跡よりはインパクトはないかもしれませんが。
私、ギルガルという町に行った時の事です。そこは飢饉でした。食べるものがないのです。
ハナス――ということは、もしかして、エリヤのようにカラスに食べ物を調達してもらったんですか?
エリシャ――いいえ、命を狙われていた訳ではありませんから……隠れてもいませんでした。
預言者の子達と何かを作ろうと、材料を探したんです。
ハナス――あっ、分かりました。イナゴとか、ザリガニでしょ。昭和の初期には食べたらしいですよ。私は食べたことありませんけど。
エリシャ――しょうわ?聞いた事ない言葉ですね。雑草ですよ。そこら辺の草を鍋で煮ました。
ハナス――鍋パーティですか?盛り上がりますね。けど肉類ないから、野菜鍋かぁ、いいな。
エリシャ――それがとんでもない!一人の預言者の子が、キュウリに似たうりを沢山持ってきたんですよ。大きさは、え~と、オレンジくらいかな。薄く切って鍋に入れました。空腹を満たすために何でも入れたんです。そしたら……。
ハナス――もしかして腐っていたんですか?
エリシャ――腐ってればお腹を壊す程度でしょうけど、毒でした。人間が食べると死にます。食中毒なんてレベルじゃありません。コロシントウリだったんですよ!
ハナス――コロシントウリ、ちょっと待っていて下さい。今調べますね。え~とコロシン、あっありました。ヤバッ、砂漠の悪魔の実って書いてありますよ。実は猛毒ですって。あっこれ画像なんですけど、見覚えあります?
エリシャ――ヒャーこれです。このスイカに似たウリです。えっ、下痢を引き起こして脱水症状で死ぬんですね。危なかったぁ、私は一口も食べなかったんで良かった。けど、みんなお腹空かせていたので、私奇跡を行ったんです。麦粉を入れて毒を取り除いてあげました。
ハナス――みんなエリシャさんの奇跡のおかげで、餓死を免れたんですね。良かった。
エリシャ――そうです、私にとったらみんな子供ですからね。別の町に住む者が20個ほど、パンを持ってきてくれたんですよ。そこには100人いましたから、奪い合いにならないように、奇跡で増やしました。100人がお腹一杯食べても余るほど増やしたんです。
ハナス――本当にエリシャさんは素晴らしい人ですね。みんなの必要を満たすためにしか、奇跡を行わないんですから。その栄光を自分のものにしない預言者ですね。立派です。
エリシャ――ありがとうございます。これで4つの奇跡全てお伝えしました。どうですか?これは、将来の神様の約束でもあるんですよ。
ハナス――どういう意味かしら?
エリシャ――いつになるかは私には分かりません。しかし、不妊が無くなり、地には穀物が豊かに実り、死んだ人は生き返り、毒のような怯える物質が取り除かれる日が来るらしいんです。
ハナス――そうですか、確か預言者イザヤという人が同じ事言ってました。そうなるといいなとは思いますが、どうなんでしょうね。けど、本当にエリシャさんから直接お話聞けて良かったです。
お元気でいて下さいね。さようなら。
4つの奇跡、素晴らしかったですね。
次回は、みなさま、名前覚えて頂けましたか?
あのゲハジがやらかします。
お時間ある方はお付き合い下さい。
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