第108話 エリヤ 天に運ばれる

 アハブ王が死んで、イスラエルは息子のアハジヤが王となっていました。ある日、屋上の部屋の格子を突き破って落ちるというお間抜けなアハジヤ。大ケガをします。


 アハジヤはケガが治るのかどうか、神に尋ねるため、使者をエクロンに遣わします。エクロンはフィリスティア人の神、バアル・ゼブブがいます。ハエの所有者、つまり昆虫をつかさどる神なんですね。ゼブブなんて笑います。ゼブブブブ。


イスラエルの神に遣える天使は、エリヤにこの事をチクリます。エリヤはアハジヤに死の宣告をします。「あなたは、バアル・ゼブブに頼ったので、ベッドから起き上がる事はない。必ず死ぬ」


 そう言うと、エリヤは山頂に向かいます。アハジヤは一人の長と部下50人を派遣し、エリヤを呼びつけます。


「火で焼き尽くされますように!」エリヤが言うと全員焼死。また別の長と部下50人派遣。焼死。


 このやり取り3回目に、天使はエリヤにアハジヤの所に行くように言いました。エリヤ断言。

「あなたは必ず死ぬ!」アハジヤショックです。きっとエリヤの言葉を覆したかったのでしょう。残念ながら死にました。


 エリヤは預言者として最高の力を神様から与えられたのです。信頼度ナンバーワン。

 

 エリシャとの関係も六年めになります。エリシャはもうそろそろ一人立ちしなくてはいけないお年頃です。


 神様はエリヤにベテルに行くように指示しました。エリヤがひとりで行くというのに、エリシャは譲りません。長く一緒にいたかったのでしょう。六年も訓練してもらったのよ、お別れしなさい!


「私はあなたを離れません!」とエリシャが三度も言うので、エリヤは連れて行きました。


 こんな上司と部下の関係いいですよね。転勤先までついてくる部下かわいい。BLですか?


 ヨルダン川まで来ました。エリヤは職服を脱ぎ、丸めて水を打ちます。すると水が左右に別れて乾いた地面の上を歩けるようになります。


「川が割れるのよ!道が出来るのよ♪ カムサハムニダ」歌いながら渡りきります。知らんけど。


 エリヤはエリシャに聞きます。お別れだとエリヤは分かっているのです。「欲しいものを言いなさい」

「あなたが持つ力を2倍分下さい」まぁ‼


 エリシャはエリヤを父親のように慕っています。相続財産として、エリヤの、恐れに負けない精神を受け継ぎたいのです。


「あなたは難しい事を願いました。私があなたから引き離される時に、あなたが私を見るなら願った通りになります!」エリヤが力を持てるのは神様に是認され、与えられた力、その力をエリシャに授けるのは神様だけです。


 エリヤには分かりませんが、神が許すなら与えられると確信して、そう答えました。


――突然、天から火の兵車と火の馬が現れ、二人の間を分けます。暴風がエリヤの体を運びます。天に上っていくエリヤ。


 エリシャは確かに見ました。

「父よ!父よ!イスラエルの兵車と騎手たちよ!」エリヤを目で追って叫びます。


 見えなくなると、自分の服を2つに引き裂き、エリヤの職服を拾い上げて、ヨルダン川に向かいました。


 先ほど、エリヤのした通りに水を打ちました。


「川が割れるのよ!道が出来るのよ!」

なんということでしょう!エリシャはエリヤの最後に行った奇跡を、自分の最初の奇跡として行うことができたのです。エリシャ大喜びの舞。


イスラエルの神様、カムサハムニダ。謝謝。


 エリヤは暴風によって天国に行ったわけではなく、ユダの地域にとばされました。そこで余生を送ります。本当にお疲れ様でした。


 そしてエリシャはエリヤよりも勝った奇跡を行います。師匠エリヤ、嬉しいね。あなたの教えを当てはめたからですよ。愛情深く育て、イスラエルの神への信仰を背中で語ったからですよ。


 本当にお疲れ様でした。


 

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