第94話 サムソン 仕返し

 小麦の収穫の季節、サムソンは妻恋しさに実家を訪ねました。子やぎ1びき担いでいるところをみると、一応反省しているのでしょうか?


 妻の父親はサムソンの訪問にびっくり。しかも寝室に行かせろと言って来たのですから。Hする気満々のサムソンにこう言います。

「あなたが、あの子を嫌いになったと思ったので、花婿付添人に与えました。妹の方が美しいので、どうぞ妹を代わりに妻にしてください」14:3


 サムソンは、「私がフィリスティア人に害を加えても今回は責められないはずです」と答えます。何でそうなるの?トビマストビマス。古っ。


 サムソンはどうやって害を加えようとしたでしょうか?盗んだバイクで走り出す若者のように、暴走します。

 まず、300匹のキツネを捕まえます。そして尾と尾を向き合わせて、二つの尾を縛り合わせます。それからを一本ずつ取り付けます。150組のキツネ爆弾完成。


 教室入り口扉に、黒板消しを仕掛ける時のワクドキ感と同じでしょうか?先生白髪頭確実!


 その150組のキツネを、フィリスティア人の刈っていない穀物畑に放ちました。

 もちろん火がついてますから、ぶどう園もオリーブ畑も火の海です。可哀想に、キツネも焼け焦げた事でしょう。


 フィリスティア人は、すぐサムソンの仕業だと気付きました。大切な穀物畑を全滅され、怒り心頭のフィリスティア人は仕返しをします。


 もとつまと父親を火で焼き殺しました。


 盗んだバイクを盗まれた心境のサムソン。

「そういうことをするなら、私はあなた達に必ず復讐をする!」と宣言してまた殺す。仕返しの仕返し。殺した後、エタムの洞窟に住みつきました。


 聖書にはこの時のサムソンの気持ち、考えは全く書かれていません。裁き人としてフィリスティア人を殺せばいいのですから、してやったりと思ったのかもしれません。神様の言う通りにしたので、むしろ満足だったのかも。怖いんですけど。


 フィリスティア人の復讐はもうどうにも止まりません。サムソンを捜し回ります。とばっちりを受けたくないユダの民3000人は降伏するようサムソンを説得しました。

「フィリスティア人が私たちを支配していることを知らないのですか?それなのにどうしてこんなことをしてくれたのですか?」

「彼らが私にした通りに、私も彼らにしたのです」サムソン、思春期の男の子ですか?言い訳があまりにも……。「目には目を」の精神です。


 「右の頬を打たれたら、左を出しなさい。悪に悪を返してはなりません」キリスト真っ青案件。


 結局、降伏を促され、大人しく縄をかけられ、フィリスティア人の前に引き出されました。


 フィリスティア人は大喜びでサムソンを痛め付けようとします。――その時、簡単に縄をほどき、サムソンは死んだばかりのロバの顎骨あごほねを手に取ります。死体に触れるのOKなんですか?


「ロバの顎骨で一山ひとやま二山ふたやま!ロバの顎骨で1000人を討った!」歌いながらの1000人殺し。

 一山、二山、三山こえ、(ヨイヨイ)の炭坑節と山の使い方が違います。


 殺したフィリスティア人の死体で山を作るのです。怖いんですけど。サイコですか?

 仲間を殺され、フィリスティア人の怒りは頂点に達します。


 サムソンの力の源は体の1部が有名ですね。この力を奪うために、フィリスティア人はこれまた有名な女性をつかいます。


 やっと彼女の登場です。


 

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