サムソンに恋して

第91話 サムソン 生い立ち

 「サムソンとデリラ」をご存知でしょうか?

美容院で有名ですね。たぶん髪の毛に関係があるか、はたまた……。


前回、ヤコブの子孫がエジプトに増え広がり、脅威を感じたファラオによって奴隷にされたお話をお伝えしました。その奴隷状態から解放のため、神様に用いられたのがモーセです。モーセが亡くなると、ヌンの子ヨシュアが指導者となります。


 そしてヨシュアの死後、神様がイスラエル国民を守るために起こされた人が「裁き人」と呼ばれます。


 裁き人の書は、西暦前1400年から1100年の約330年の期間の事が記されています。聖書の7番目の書物で、ヨシュア記とルツ記の間にあります。


 筆者はサムエルです。サウル王に油注ぎをした預言者サムエルの事覚えておられますか?


 ヨシュアの死後、サウルがイスラエルの王になるまで12人の裁き人が起こされました。


 イスラエル国民を攻撃する諸国民から、文字通り戦った裁き人達。ここで紹介させて下さい。


 オテニエルは、メソポタミアの王から隷属のイスラエル国民を解放しました。エフドはモアブの王の手から、ギデオンはメディア人の手からイスラエル国民を守りました。シャムガルは牛の突き棒でフィリステア人を600人を一人で倒しました。みんな勇敢で強い。なぜなら裁き人は、神様からの力を受けた者達だからです。


 そして今回、ご紹介するサムソンも裁き人の一人です。どんな人生だったかお伝えしましょう。


 父親はツォルハに住むダン部族のマノアといいます。「ダンはイスラエルの一部族として民を裁く」ヤコブの預言の成就です。


 マノアには子供がなかなかできない妻がいました。妻が一人でいるときに、天使が現れます。


「あなたは子供が出来ませんでしたが、妊娠して男の子を産みます。それで注意してぶどう酒を飲まないようにしなさい。カミソリを当ててもなりません。彼は生まれた時からのナジル人となるからです。彼は先頭に立ってイスラエルをフィリステア人から救います」裁き人の書13:2~5


 ナジル人とは何の事でしょう。「より出された者」「分けられた者」という意味があります。


 神からある目的のために、任命された者です。

ナジル人には、三つの要求が課せられていました。

 ひとつ、ぶどう酒を飲んではいけない。マノアの妻も飲むなと言われました。子供がお腹にいるからです。ぶどうも禁止です。つわりの時食べたかったかもしれないのに残念。

 ふたつ、髪の毛を剃ってはいけない。切ってはいけないのです。もしもハゲ散らかしたおやっさんの遺伝があったら?可哀想、悲劇。

 みっつ、汚れたものに触れてはいけない。つまり死んだものに触ってはいけません。


 ナジル人には神からの任命と、自らの志願者がいます。サムソンは生まれながらのナジル人です。あのサムエルもそうです。サムエルは4才位の時から、親と離れてエリという大祭司と暮らしました。

 そして、ナジル人で有名なのが、バブテストのヨハネです。イエスに洗礼を施し、くびちょんぱされてしまったヨハネも、神様の目的を果たしました。


 そんなこんなで、生まれた男の子はサムソンと名付けられました。サムソンはどんな導きがあって神様の目的を果たしたのか、デリラとの関係は?最期の様子は?


 お父ちゃんとお母ちゃんはちょっと、サムソンを甘やかして育てたようです。


 次回、サムソンの傍若無人ぶりをお伝えしますね。

 


 

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