第78話 ヨセフ 夢を見る

 ヨセフが異母兄弟から憎まれているのには別の理由もあります。ヤコブが長子の権利を与えるのではないかという不安からなのです。


 文字通り長子の権利とは初めての子供に与えられますが、長男のルベンは父親ヤコブのはしためと寝盗やってしまい、権利がありませんでした。そこへヨセフが特別扱いされたので、兄たちは怒り心頭になったのです。


 そんな頃、ヨセフは夢を見ます。普段見る夢とは違います。どんな夢でしょうか?ヤコブは兄達に話します。


「私が見た夢について聞いてください。私たちが、畑の真ん中で作物の束を作っていると、私の束が起き上がって真っ直ぐに立ちました。そしてみんなの束が、私の束の周りに来てひれ伏しました」創世記37:6


ヨセフの話に兄達にキレます。そりゃあそうでしょう。ヨセフにみんながひれ伏しましたといってるようなものです。ぶちギレでしょう。


 すぐにまた違う夢を見ます。そしてまた兄弟たちに話します。今度は父親も聞いています。


「今度は太陽と月と11の星が私にひれ伏していました!」ドヤ顔。


「……?……えっ?――するってーとなにかい?

太陽と月は父親と母親を表し、星は俺たちかい?」となった事でしょう。


「お前は私たちの支配者になるつもりか?」

 兄弟の一人が怒ります。


「私とお母さんと兄弟達が、あなたのそばに行ってひれ伏すのか?」

 今度はヤコブがヨセフを叱ります。お兄ちゃんたちを怒らせないでという警告の為でしょう。


 兄弟ゲンカあるあるですね。


 しかし、微笑んで聞いてられません。兄たちはヨセフをますます憎むようになったのです。それで殺意にも似た感情を表します。


 父親のヤコブは叱った後、神様からのお告げかもしれないと心に記します。


 本当のところはどうなるのか、ヤコブの家族の生活を見てみましょう。


 ヨセフがんばれー。

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