第64話 ダニエル 北の王と南の王 11:10~14
セレウコス二世の死後どうなるのか、ダニエル11:10からみていきましょう。
「しかし、その息子たちは戦いをしかけて、強力なおびただしい大軍を集め、進みに進んで、押し流して越えて行き、そうしてまた敵のとりでに戦いをしかける」11:10
セレウコスの息子三世は、北の王になり……わずか3年で戦士しました。その後すぐ兄弟のアンティオコス三世が、南の王に戦争をしかけます。
この時、南の王はプトレマイオス4世です。ベルニケの甥に当たります。襲撃されて南の王はどうするでしょうか?
「南の王は激怒し、出てきて彼、すなわち北の王と戦う。北の王はおびただしい大軍を起こすが、その大軍は敵の手に渡される。その大軍を連れ去ると、南の王の心は高ぶり、数万人を倒す。しかし、勝利を得ない」11:11~12
激怒するんですね。南の王プトレマイオス4世は7万五千の兵を集結し、北の王アンティオコス三世率いる6万8千の兵と戦います。これが西暦前217年のラフィアの会戦です。
南の王が激怒する事を神様はお見通し。古代から人間は領土争いが絶えませんね。
結果はどうなったでしょう?預言通り、南の王のプトレマイオス4世は、北の王の歩兵一万人と騎兵300人を死に渡し、四千人を捕虜として連れて行きました。しかし、戦争をしかけたアンティオコス三世を追い続けなかったので、勝利を得る事は出来ませんでした。頭とらなきゃダメよ!だからまた戦争があります。
「北の王がまた、初めより大きなおびただしい大軍を起こし、何年か後、大軍勢と多くの武器を持って必ず攻めて来るからである」11:13
アンティオコス三世は、南の王エジプトからしばらく手を引きました。その間、武力と財力を蓄えたのです。そして機会をうかがっています。
南の王プトレマイオス4世から5世に代わるのを待っていたのでしょうか。たったの五才で世継ぎとなったプトレマイオス5世の時に、大規模な軍をエジプトに送りました。奪われた領土奪還の為に、マケドニアの王フィリポス5世と同盟を結んでいます。
子供のケンカみたいですね。相手に勝ちたいから誰かを味方につける。いや、そんなことを言ったら子どもに失礼です。大人もやってます。
まだ幼いプトレマイオス5世のエジプトでは何が起こっているのでしょう?
「その頃、多くの者が南の王に反抗して立ち上がり、あなたの民の暴徒たちもまた、高ぶって、その幻を実現させようとするが、失敗する」11:14
エジプトには敵対する者が多くいました。ギリシャやシリアです。アンティオコス三世はそれらを味方につけたのです。
「あなたの民」とダニエルは天使に言われましたね。ダニエルの同族ユダヤ人もエジプトの支配からの自由を夢見て、暴徒化し革命を起こします。
南の王エジプトに反抗しますが失敗するのです。
ダニエルは2世紀後のユダの民の預言をどんな気持ちで聞いたのでしょう。
プトレマイオス4世の管理下から自由になりたいと願った自分の民の革命失敗。
いつまで異邦人に国も心も占領され続けるのか、悲しかったでしょう。
イスラエル国民はずっと籠の鳥です。
しかし、この預言を書かせたのは、イスラエルの神様です。自分の民を解放するのが目的のはずです。そうなることを願って、次に進みましょう。
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