第56話 ダニエル ライオンの坑
今やバビロンはダリウス(ダリヨスとも呼ばれる称号)が王となっていた。バビロンを実際攻めとったのは、ペルシャの王キュロスだ。しかし、キュロスは伯父に王座を譲った。(62才だから……少し待てば……。2年後没)
ダリウスはキュロスから聞いていたのであろう。ダニエルが、天の神から知恵を与えられた優秀な人であることを。
120人の太守の上に高官として立てた。気位の高いバビロニア人はお怒りモード。捕虜だったヘブライ人が自分達の上司になるからだ。
「その時、高官や太守たちは、その王国に関する事でダニエルを非とする何かの口実を見つけようとしきりに努めていた」ダニエル6:4
ダニエルは信頼出来る人。勤勉で腐敗した所など何もない。太守たち、残念。ダニエルはどこにも落ち度かない完璧な人。あきらめなさい!
しかし、彼らは諦めない。どうしてもダニエルを高官の地位から引きずり落としたいのだ。
「ダリウス王よ、幾時も定めなく生き続けられますように。すべての王の高官や総督たちは、王の法令を制定し、禁止令を施行することで一致しました。30日の間、神にであれ人にであれ、あなた以外の者に祈りをするものがいれば、その者はライオンの坑に投げ込まれるようにと。この書面に署名されますように」ダニエル6:7~8
彼らはダニエルが日に三度、天の神、イスラエルの神にひざまずいて祈ることを知っていたのだ。いやらしいわね、署名までさせるなんて。
それにしてもダリウス、あなたダニエルの事気にいってましたよね?ダニエルの祈りの習慣を知らなかったのですか?
ダニエルは、法令について聞いても祈りをやめなかった。見つかって捕らえられる。
彼らの計略は成功し、ダニエルはライオンの坑に投げ込まれる。
ダリウス王はとっても後悔する。今更、法令を変えるわけにもいかない。印鑑も押しちゃった。
ダニエルに嫉妬した高官、太守たちの策略にまんまとはまったダリウスはこう叫ぶ。
「あなたが仕えている神があなたを救って下さいますように!」ダニエル6:16
――王はその夜、一睡も出来なかった。そりゃあそうだわね、明日にはダニエルの骨とご対面?
「ついに明け方、王は起き上がり、急いでライオンの坑に行った。そして坑に近づき、悲しげな声でダニエルに呼び掛けた。王は声を高めて、『あなたの神はあなたをライオンからお救いになったか』と叫んだ」ダニエル6:20
――ダニエルの答えがあった。
「神は天使を送られました。そしてライオンの口をふさいで、私に害を加えないようになさいました。私のうちに潔白さが見いだされたからです。そして王よ、あなたの前でも、私は何ら害となるようなことは行ってはおりません」6:22
ライオンと、しかもお腹ペコペコの数10頭いるライオンと一晩過ごしたダニエル。無傷だ。
神様から送られた天使もお疲れ様。殺すのではなくて、口ふさぐって大変なお仕事ですね。
(パワハラするおっさんの口もふさいでくれたら、全国の女子社員に平和が訪れるのに)
ダリウスは大喜び。ダニエルの血の罪から免れたね。良かったですね。62才のおじさんだもの。
ダリウスはダニエルをすぐにライオンの坑から引き上げると、命令を与える。
ダニエルを訴えた太守や総督たち、その妻と子供をライオンの坑に投げ込むように!
お腹ペコペコのライオンたちは、食べる。骨までことごとく砕く。恐ろしい。血の罪100倍。
ダニエルは立派だ。法令を聞いて、祈りをやめることも出来たのに……より助けを求めて祈った。窓を開けて、イスラエルの方に向かって祈った。信仰の祈りは死の恐怖を忘れさせるのかな?
ダニエルは神の言葉を預かる者だ。まだまだ夢や幻を与えられる。次回は、四つの獣の幻。
ダニエル、がんばれー!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます