ダニエルに恋して
第46話 ダニエル バビロンへ
西暦前600年初頭、エジプトのファラオ・ネコがバビロンの勢力拡大を阻止しようとカルケミシュに進軍する。
エジプト・アッシリア帝国亡命政権の同盟国VSハビロニア帝国 あの有名なカルケミシュの戦いだ。結果はハビロニア軍の大勝利。
世界強国としてバビロンが頭角を現した。そして……。
「ユダの王エホヤキムの王政第三年、バビロンの王ネブカドネザルはエルサレムに来て、これを包囲した」ダニエル1:1
そうなんです!エルサレムもバビロンに攻めとられたんです。しかも聞いてください。イスラエルの神がそれを許したのです。
「やがて神は、ユダの王エホヤキム、および神の家の器具の一部を彼の手に渡された」1:2
エホヤキムは悪い王様だったからです。神の預言者を無視したことで、エホヤキムに対して神様激おこ。(聖書の神様を侮ると、命ありません。エホヤキムついでに墓もなし。残念)
ネブカドネザル率いるハビロニア軍は、エルサレムの神殿の金、銀、宝石、神聖な器具まで分捕り物として盗りバビロンに帰還。
ネブカドネザルはそれを自分の神の宝物倉に入れます。しかし、携えていったものはそれだけではない。
「そののち王は、廷臣の長アシュペナズに、イスラエルの子ら、および王様の子孫や高貴な者たちの中から幾人かを連れて来るように言った」1:3
ネブカドネザルは人間も欲しい。サイコパスアッシリアと違って、拷問や殺すためではありません。十分な教育を受けたユダヤ人が欲しかったのです。独断と偏見ですが、ハビロニア人て知能指数低そうなイメージ。あっ、勿論、ユダヤ人に比べてですよ。ごめんね、ネブカドネザル君。
しかも、ネブカドネザルが求めたのは、「容姿が良く、あらゆる知恵に対する洞察力を持ち、知識に通じ、知られた物事に対する識別力があり、王の宮殿に立つ能力を備えた子供たち」1:4 でした。
鼻垂らし小僧もヤンキーもダメです。イケメンで、健康で、頭の良い子限定。なんてたって、王様の宮殿で仕えるのです!(一任されたアシュペナズ、ネブカドネザルの好みのタイプ知ってるかしら?)
ハナニヤ、ミシャエル、アザリヤ、そして――ダニエルが選ばれました。
ダニエル、その時、10代。高貴な者たちの子、君でした。家柄も育ちも良く、教育を受けたユダヤ人のエリート。
ダニエル書の筆者はダニエルです。アラム語とヘブライ語で記されてます。語学堪能が証明されています。
ダニエルとその仲間たちは、バビロンに連れていかれ、3年間みっちりと国務に就くための特別な訓練を受けます。
愛する親から引き離されて怖かったでしょう。
異国の地で強制される訓練。宮廷での奴隷生活が始まります。
そこへいきなりの試練が――ダニエルがんばれー。
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