第44話 ヒゼキヤ 傲慢と謙遜
「神は傲慢な人に敵対し、謙遜な人に惜しみない親切を示して下さる」ヤコブ4:6
「神は高い所にいるが、謙虚な人に目をとめる。しかし、傲慢な人のことは遠くから知っているにすぎない」詩編138:6
聖書の神様は傲慢な人が大嫌い。処罰される人のほとんどが傲慢という特質を示した人だ。神ご自身に対する不敬な態度は当然だが、人間同士でも傲慢はアウト。
ヒゼキヤは寿命が伸ばされ、アッシリアとの戦いに奇跡的な勝利を収めた。その事を噂に聞いたバビロンの高官たちは、興味津々でヒゼキヤを尋ねてくる。
さぁヒゼキヤ、イスラエルの神様の自慢話をするのよ。感謝の気持ちで満たされているでしょ?あんなに泣いて寿命を伸ばしてもらったんだから。
――宝物庫をことごとく見せました。
何ですと!ヒゼキヤは確かにあれから頑張って倉庫をお宝で満たしましたが……見せちゃったの?ダメじゃん。せめて、神様のおかげですと言ってください。
ヒゼキヤ、残念。自分の神様の自慢ではなく、富と栄光を手にしたことを自慢しました。傲慢になったのです。
「真の神はヒゼキヤを試すためにただ、静かに見守った。神は彼の心の中にあることを全て知ろうとしたのである」歴代第二32:35
ガーン。神様は心を読まれる方です。人間の心の傾向をご存じです。ヒゼキヤがどう行動するか、何を語るか、いわば放置しました。全知全能の神を侮ったヒゼキヤ。
「自分に施された恩恵にしたがって、お返しをしませんでした」歴代第二35:37
お返しをするどころか、示した特質は傲慢。それは横柄、不遜、尊大、高飛車と同義語で、傲り高ぶり、人を見下す事。バビロンに感銘を与えたかったのです。
放置されたヒゼキヤは、イスラエルの神に栄光や賛美を帰すどころか、自分の功績を自慢したのです。あのヒゼキヤがです。
分からないものです。売れない芸能人が突然有名になると、傲慢になるか、謙虚になるか二つに分かれるらしいですが……。
自分の事を客観視出来なくなり、感謝の念が失われると傲慢になるのでしょうか?
当然、イスラエルの神様の憤りがヒゼキヤに臨みました。預言者イザヤ登場。
「あなたの家にある物全て、あなたの父祖たちがこれまで蓄えてきた物全てが残らずバビロンに持っていかれる日が来る。生まれてくるあなたの子孫の中には連れていかれてバビロンの王の宮殿で廷臣にされる者もいる」イザヤ39:6~8
イザヤは神様の言葉を伝えます。ヒゼキヤの財宝を見せるという行為は、ただ、バビロニア人の貪欲さを刺激したのです。
ヒゼキヤは我に返り、自分のしたことを悔やみ、サイコパスイザヤにこう言います。
「私の生涯中、平和と安定を与えて頂けるのですから、感謝します」
へりくだり、へりくだり、謙遜になる。
傲慢を解消するのは謙遜しかない。自分の弱点を認め、神の助けに頼って、それを克服するよう努力する。
ヒゼキヤは大切な事を思い出して、本来の特質を示しました。
もちろん、神にその態度が認められ、ヒゼキヤの謙遜ゆえに、ユダ王国は処罰を免れました。めでたしめでたし。
たった1度でも、神様の存在を忘れて、傲慢になったのは失敗です。しかし、ヒゼキヤは聡明な王様。マナセという息子をもうけ、最期は安らかにダビデと共に眠りにつきました。
ところで……イザヤの預言は成就したでしょうか?1世紀後、バビロンは同盟国と共にアッシリアを征服し、新たな世界強国となりました。ネブカドネザル王の時代です。そしてバビロンに連れていかれ、廷臣になった者がいます。
ダニエルです。聖書の登場人物中、優等生第一位のダニエルです。
次回はダニエルとその仲間についてご紹介します。とにかくエリートです。
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