第22話 ソロモン 神殿
ソロモンは、西暦前千三十四年にモリヤ山上に神の家を建て始めた。七年半後の完成までに、全部で十八万人が神殿建設に携わる。
そもそもこの神殿建築の目的は何か? 父親ダビデの願い、「天幕布のただ中にとどまっていた契約の箱を納める家を神のために建てたい!」というダビデの晩年の願いなのです。じゃあ契約の箱とは何ですか? となると思う。
それはイスラエルの神様がモーセに、あるものを入れるように作らせた箱です。
モーセ、彼はエジプトで奴隷として虐げられていたイスラエル国民を救出するために、神様に用いられた人。兄アロンと共に、ファラオに解放のお願いに行きました。しかし、エジプトのファラオは傲慢でイスラエルの神を怖れない人。なかなか解放してくれません。ぷっつんした神様は川を血に変えたり、町を蛙だらけにしたり、ぶよを放ったり、家畜を殺したりしてファラオを痛い目にあわせる。ファラオも強情。
神様は最後の災いとして、エジプトの初子の皆殺し命令を出します。殺すのは人間ではなく、神様に仕える天使です。天使が人殺しって残酷です。イスラエル国民は天使が自分の家をとばすよう玄関に羊の血の印をつけました。天使は印を見てその家を過ぎ越します。過ぎ越しの祭りはこの事に感謝する祭り。神社の鳥居が赤いのはこの血の印からだと言われています。
おっと、話がそれました。で、エジプトのファラオも自分の初子を殺され、半狂乱し、奴隷だったイスラエル人を解放。なのに途中で惜しくなって追いかけた。エジプト軍みんなで追いかけて、紅海まで追い詰める。イスラエル人は紅海が二つに割れて地面になったときに渡り逃げ切る。エジプト軍が追いつく。その時、海が戻り、エジプト軍とファラオは溺死。聖書の神様は自分の民を救うためなら、何でもするのです。イスラエルの神様を怒らせてはダメです。
それで、救出されたイスラエルの民は神様と契約関係に入りました。その契約がモーセの十戒です。神様は十のおきてを石の書き板に記しました。そしてそれを契約の箱に入れるように指示し、ずっと大切に保管。イスラエル人は持ち運び、天幕で保管されていました。
あー長かった。けれども、そのくらい大切な物が入っている契約の箱。ダビデは命より大事にしたかったのでしょう。自分の資産を用いて神殿建てたかったのも納得です。
ダビデは他の国の王様にも慕われていました。ティルスのヒラム王はダビデと友好関係にありました。息子のソロモンに杉やねずの木の木材を供給し、働き人まで提供してくれます。(二代目社長が、先代の人脈で経営を助けられる感じ)ダビデは人脈も豊富でした。
そして、ティルス人とヘブライ人のハーフ、これまたヒラムという名の職人さんもご紹介されました。(東京オリンピックも才能豊かなアーティストが手掛けますね)
荷物運搬人七万人、石を切るもの八万人。交代勤務で労働に就きます。
聖所は長さ17.8m 幅8.9m 高さ13.4m。
至聖所は約九mの立方体。その建物の中、天井や壁は純金で覆われ、宝石がちりばめられ見事。
ケルブと呼ばれる天使が垂れ幕に刺繍されていたり、ケルブの形の像が契約の箱を守ってました。杉材の壁は花の形の彫刻が見事に彫られています。職人さんでかしたぞ。
契約の箱はお守りではありません。ケルブも偶像崇拝の対象ではありません。神様の臨在の象徴であり、権威を示してます。エデンの園で食べるなと命じた林檎の木のようなものです。アダムは食べることで、神様の権威に反逆したのです。(冷蔵庫にある父親のプリンを子供が断らずに食べた感じ) 次元が低っ、。
神様は反逆したアダムとイヴがエデンの園に入れないように本物のケルブに見張りをさせました。命の木と善悪の知識の木が神様の権威を示してます。二本の木が示すで「禁止」です。
またそれました。とにかくソロモンの神殿は豪華です。外は中庭、そこには司祭が沐浴し身を清めるための鋳物の海と呼ばれる銀製の水盤がありました。
至聖所は大祭司しか入れません。イスラエル国民は偶像崇拝禁止の民ですから、ケルブの像を見ることが出来ないのです。ソロモンは二頭のライオンの像も作ります。
ソロモンの神殿が現代にあれば、世界遺産として多くの観光客が訪れたでしょう。また面白いことに、神殿は日本の神社に影響を与えています。
ライオンの像は狛犬の二頭。お参りする前の清めの水。神社も拝殿より先は一般庶民が入れない。伊勢神宮は特に似ているそうです。「いせ」もヘブライ語が変化した言葉だとか。
聖書は欧米人の書物だと思っていた私も、列王記を読むと身近に感じました。
さあ、そろそろ奉献式でソロモンが献納の祈りを捧げます。ソロモンは純粋で美しい心の持ち主です。捧げる祈りの言葉に心打たれます。 お時間ある方は是非耳を傾けて下さい。
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