第14話 ダビデ アブサロムの反逆
アブサロムはアムノン殺害後、母方の祖父の領土ゲシュルに逃亡する。(追放者としての生活は辛かったでしょう) 一方、長子アムノンを失った苦しみが和らいだダビデは、アブサロムの事を恋しく思った。
ダビデはアブサロムをエルサレムに連れ戻すよう、ヨアブに命じる。宮廷に出る権利はないが、執行猶予付きの赦しを与えようとした。
アブサロムは、のけ者にされた身として二年間忍耐した。結局ダビデの全面的な赦しをもらうのに五年の月日を要した。この五年はアブサロムの人格形成に大きな影響を与える。
そもそもアブサロムは、足の裏から頭のてっぺんまで欠陥がない容貌だった。ふさふさとした髪は一年伸ばすと二、三キロあったという。
美しさは虚栄心を強くし、父親の愛情を受けなかった五年間は、アブサロムを野心家にする。三年間、異国の地で過ごした為、異国の王の影響も受け王位簒奪を企てる。ダビデの自慢の美しい息子が、反抗的な息子に変わる。
息子の成長に、父の生き方は良くも悪くも影響を与える。(思春期に父親のダメダメな所みたら、尊敬できなくなるよね、アブサロム)
アブサロムは王権を奪うため陰謀をはかる。まず、裁きを求めてダビデ王のもとに来る人に滑らかな唇で語る。
ダビデは民の必要に無関心である事をほのめかし、自分こそが、民の福祉に関心を抱く者だ! と。優しい言葉をかけまくる。いわゆる政治運動だ。守る気のないマニフェストを掲げる。
「人々が近づいて彼に身をかがめようとすると、彼は手を差し出して、その人を捕まえ口づけした」 「人々の心を盗んだ」サム第二15:5
アブサロムは、自分の側に多くの人々を引き入れ、ついにはダビデの腹心の友である顧問間アヒトフェルを味方につける。
息子アブサロムの反逆、友アヒトフェルの裏切りに、ダビデは裸足で泣きながら頭を覆って歩いたり、また寝込む。病気になった。
「病は気から」を実践しまくりましたね。この時代って精神薬とか睡眠薬とかなかったのかな?
ダビデは宮廷を後にし、エルサレムから逃げる事になった。
その時に書いた詩が、詩編三編だ。
「神よ、なぜ私に敵対する者が多くなったのですか? なぜ多くの者が私に向かって立ち上がるのですか? あなたは私のすべての敵の顎を打って下さらなければなりません。邪悪な者たちの歯を砕いて下さらなければなりません」
嘆きと神様による復讐の願いの祈りだ。ダビデは辛いことがあると自分の心情を吐露する。
(この信仰を伴った祈りが薬なのかしら)
そして、ユダの荒野を通っていた時に、別の友フシャイと出会う。神様はこのフシャイを用いてダビデの祈りに答える。
アブサロムとアヒトフェルは王宮占領。このあと大どんでん返しが起こります。
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