第7話 登山妖精、万事快調
☆
「また一緒に、山をやる――よね? あ、もちろん二人でだよ!」
「……うん」
知らず、私は頷いていた。
・
果たして、ミヤは満ち足りるのだろうか。
エベレストを登り未踏峰を踏みしめて。
その道を振り切り、それでもなお、私を選んで。
あるいは。私は思う。
あるいは私は、添え物なのかも知れない。
水面に彩りを添える、浮き草なのかも知れないと。
主たる魚を引き立てるだけの。
それでいいのだろうか。
――違わない。それでいい。
やっと確かめた思いに、もはや驚きはない。
今は、この思いに従うとしよう。
魚より浮き草が長く生きることもあるだろうから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます