ちょろいわぁー


「さあて、勉強会始めましょっか」


「ふふーん! 分からないとこがあったら、なんでも頼っていいのっ!」


「なあなあ、さっそくで悪いんだけど、ハナさぁー――」


「――あぁ、ここはねぇー……」


「あ、あれっ?」


「――なあ、ハナ。連続で悪いんだけど、こっちの場合はどうなんの?」


「ええと、そのパターンは――」


「ねえ、なんでっ! なんで、私を頼ってくれないのっ!?」


「いや、ハナの方が頭いいし……つーか、ヒナタもヒナタでそんなこと言ってないで、自分の勉強したら?」


「そしたら、ハナが可哀想でしょ!?」


「いや、私は大丈夫だよ。再確認もできるし、教えながらやると頭に入りやすいからね」


「ぶぅー!」


「だいたい、たいして頭もよくないのに、人に勉強教えるなんてムリだろ」


「頭、悪くないもん……」


「ほー、いっつも赤点ギリギリな人って誰だったけぇー?」


「うぅー……」


「つーか、この勉強会もお前のために開いてるんだから、勉強しろって。留年は嫌だろ?」


「……うん、嫌」


「な、ほらっ、やるぞっ――」


◇◇◇


「ひぃー終わったぁー!」


「とりあえずノルマは達成だね、お疲れ様!」


「うぅー疲れたぁー……」


「ヒナタ、ちょっと」


「ん?」


「はぁー癒やされるぅー」


「んあーくっつくなぁー!」


「よしよしよしっ」


「あぁーくしゃくしゃするなーっ!」


「これでわかったっしょ?」


「何がっ!?」


「ハナにはハナにしかできないことがあるように、お前にはお前にしかできない役割があるんだよ」


「えへへー…………ん? ハッ! いやいやちょっとまって! それ私、マスコットみたいじゃん!」


「そんだけ可愛いってことだよ」


「ひゅーひゅー」


「うっ……ハナもハナで茶化すなぁ!」


「大好きだよ、ヒナタ」


「……私もっ」

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