予定は計画的に

「ああああああ全然夏休みの宿題が終わんねええええ!」


「もーう、騒いでないで手を動かす! だいたい毎日毎日コツコツとやらないのが悪いんでしょ?」


「ぶぅー仕方ないじゃーん! 勉強よりもやりたいこといっぱいあったんだもーん!」


「はぁー……そのツケが今になって回ってきてるんでしょうが……」


「うぅー……にしたってぇーこの量で今日中はムリだってぇー…………あっそうだ!」


「……何?」


「気分転換しようよ! ユイが教師のコスプレしてくれたら絶対に今日中に終わらせる!」


「は、ハァッ!? そ、そそそ、そんなことっ、するわけないでしょっ!?」


「えぇー? してくれたら愛の力で絶対できると思うんだけどなぁー……」


「うっ……」


「そしたら俺も先生に怒られずに済むだけどなぁー……」


「…………わかったわよ」


「え?」


「わかったわよ! やる、やるわよ! やればいいんでしょ!?」


「おおおお! マジか! ありがとおおおお!」


「その代わりに……絶対今日中に終わらせるのよ?」


「任せろ! 愛の力で完遂させてみせる! ではさっそく姉ちゃんのスーツと伊達メガネを着けて――」


◇◇◇


「――これで……いい?」


「うおっ、えっろ……」


「ちょっ、そういう目で見ない!」


「いや……それをそういう目で見ない方がムリだって……でもなんでなんだろうな。ただスーツ着てメガネかけてるだけなのに、こんなにもエロいなんて」


「そんなの、私が知るわけないでしょ……」


「あっ、顔真っ赤になった。かわいい」


「うぅ……恥ずかしい……」


「しかもさ、このスカートがなぜか妙にエロく感じるよなぁー……」


「ちょっと……目がやらしい……」


「ねっ! 写真撮っていい?」


「ちょっと、勉強は?」


「ちょっとだけ! ちょっとだけでいいから! すぐ終わるから! お願いっ!」


「……ちょっとだけだからねっ」


「うしっ! じゃあさっそく俺に背中向けて、顔だけこっち向けてみて――」



――2時間後――



「あっ、やべっ! もうこんな時間だ!?」


「バカなことやってる自分が悪いんでしょっ、もう知らない……」


「いや、ちょっと待って!? 助けてユイ様ぁ!」


「先生にこってり怒られることね、それで反省しなさいよ……ちょっとだけって言ったのに……」


「あぁー! やっちまったあああああああ!」



「誰か俺を助けてくださああああああい!」

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