運命的な出会い
「せんぱーい……もうやめまっしょって!」
「おい、なんだぁ? ビビってんのかぁ?」
「や、だってぇーウチの学校、怪談話で有名なんっすよ!? 丑三つ時に2階の廊下を歩いてると……『出る』って!」
「だーかーらーそれが嘘っぱちだって証明するためにここに来てんだろぉ? んな、非ィ科学的な現象なんてありえねーっつーの!」
「でもでも! そうやって面白がって肝試しした生徒の何人もがその幽霊の被害にあったってぇー!」
「ハッハッハッ、そんなの話盛ってるだけだろ? そうすれば、みんなにチヤホヤされっからっな」
「そうなんすかねー……そうだといいですけど……」
「だいたいお前はビビりすぎ。新聞部の俺らがこんなにビビってどうすんだよ! ほらっ、いくぞ!」
「あっ、ちょっ、先輩待ってくださぁーい!」
「――問題の2階に来ましたよ……先輩。時刻も丑三つ時過ぎ……条件は揃いましたね……」
「ああ、でもやっぱ特にこれといったことはないな。ほれみーやっぱ嘘だったんだぜぇー?」
「ほっ……そうみたいっすね……」
「アイツらの言い分も当てにならねーなぁ……こんなデマ掴ませやがって……」
「そうっすね! 結局、被害にあったっていう生徒も嘘なんでしょうねぇー」
「あぁ、だろうな。んじゃ、そろそろ帰るか」
「はいっ!」
「うぅらぁぁめぇぇしぃぃやああああ!」
「ヒッ!? うぎゃあああああああああああああああああああ!」
「あっ、ちょっとッ、先輩! 待ってくださいよ! 先輩! あーあ、行っちゃった……てか――」
「ねえねえ、遊びましょっ」
「うっ!? うわっ、マジで出ちゃったよぉ……やっぱホントだったんだ……」
「怖くない……怖くない……怖くないっ! よしっ、振り向くぞ!」
「そらッ! ッ!?」
「ん? どうしたの?」
「うっわぁー……めっちゃ美人さんだ……」
「え? あれ?」
「こんなに黒髪ロング似合う人初めて見たかも……」
「あっ、そりゃどうも……」
「……あのっ!」
「はい?」
「俺、あなたに一目惚れしちゃいました! 付き合ってください!」
「……は?」
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