星に願いを
「ほーい、短冊持ってきたよー」
「あっ、ありがとーじゃあ、早速願い事書こっか」
「なんか、こういうのって小学生みたいだね」
「ふふっ、そうねっ」
「――よしっ、できた。チハルは何にしたの?」
「えっ!? そ、それは……秘密」
「なんだよーいいじゃーん、見せてみって!」
「あっ、ダメっ!」
『リュウと相思相愛になれますように』
「なーんだ、そんなことか」
「そんなことって――」
「バカだな、叶ってる願いを書いたってしょうがないだろ?」
「え…………エッ!?」
「違うの?」
「ちっ、違うくないけどぉ……てかっ! じゃあ、そういうリュウはなんて書いたの!?」
「ん? 俺は『織姫様と彦星様が今年は会えますように』ってな。俺が覚えてる限り、ここ数年はずっと雨ばっかだったし会えてねんじゃねーかなぁーって思ってね」
「っぷ、ないその可愛らしいお願い」
「俺はとんだロマンチストだからな」
「でもさ、普通に考えて1年に1回しか好きな人と会えないなんて可哀想だろ? 自分の立場で考えてみ、嫌でしょ?」
「う、うん……1年にたった1回だけなんて、嫌だな……」
「だろう? だから俺は2人のためにこんな健気なお願いをするエラい人なの」
「それ、自分で言わない……」
「へへっ」
「でも、それいいかもね。私もやっぱそれにする」
「――今年は晴れるかな?」
「晴れると、いいな――」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます