第21話 明晰な文章が書けない

 明晰な文章。どうしてこんなに難しいのでしょうか。そもそもの問題としてそういう文章を書く気がないというのもありますが、やろうとしてもできないでしょう。


 そもそも明晰な文章とは何なのか。これがまた難しいところです。わたしの語彙力ではどうにも表現できそうにありません。論旨がしっかりした文章、というのでしょうか。この連載で度々行っている自己分析にしろ、もうちょっと論理的な書き方があるのでしょう。


 というのも、他の方のエッセイを読んでいてつくづく実感させられるのですよ。人気があるエッセイはやはりそこのところがしっかりしています。


 どうして自分にはできないのか。これをちょっと論理的に考えてみましょう。まず、浮かぶ理由はやはり学のなさです。これまでにも何回か学がないと言ってる気がしますが、本当にないんですよ。最終学歴が高校中退ですから。それも進学校とかじゃなく中の中くらいのとこで。だから、小論文の類も書いたことがない。文章表現の基礎を知らないまま大人になり、創作に手を染めるようになったのでした。文章の書き方みたいな本も丸谷才一の『文章読本』を読んだくらいです。


 そもそも、わたしは作文が苦手な子供でした。読書感想文の類はだいたい提出せずに済ませましたし、受験のときも作文問題を白紙で提出したくらいです。そんな人間がこうして日常的に文章を書いていることの方が驚異なのです。


 つまるところ、勉強不足なのだと思います。明晰な文章が書きたいならそういう本を読めばいい。ただ、それもいまさらなあ、という思いがあります。最初にも言った通り、そこまでして明晰な文章が書きたいわけじゃないのですよね。そりゃできるにこしたことはないのでしょうけど。


 そんなんでよく小説が書けるなって思われそうですけど、そもそもわたし、説明ってものが嫌いなんですよ。だからミステリを書きたくないってのもある。ハイファンタジーが苦手なのもそこに一因がある気がします。どうしても、世界観や設定の説明が必要になってくるから。現代ドラマを好むのも、特に説明せずに書けるからでしょうね。いや、説明だけでなく描写だって明晰、不明晰の別があるのでしょうけど……不思議とそこであんまり困ったことがないので。


 脱線しましたが、やろうとしないからできないという当然の結論が導き出せたようです。こういう後ろ向きなことも本当は書かない方がいいんだろうなと思いつつ、書いたものは書いたものとして公開させていただきます。


 

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