番外編 キョンのヤマザキパン選び

 どうも。皆から「キョン」と呼ばれている者です。

 いままで20種類以上のヤマザキパンを吟味してきた。

 ハルヒから告げられている6ヶ条の原則は、つぎのとおり。


【1】期間内に食べたヤマザキパン製品のシールは対象外とする。だから同じものを買って来ないこと。

【2】同製品シリーズで異なるテイストのものはなるべく避けること。薄皮シリーズ、半月ケーキ(○○スペシャル)シリーズ、ランチパックシリーズ。ただし季節限定モノやロングセラー商品は例外とする。

【3】新製品パンは5品目以内にすること。定番、定番パンの論評をメインコンテンツにするため。保守的に思えるが、今回は資金にも食欲にも限界があるので仕方ない。

【4】菓子パン、調理パン、洋生菓子など、ヤマザキ春のパンまつり対象製品の選定数が特定ジャンルに偏らないように、まんべんなく選定すること。

【5】万人受けなどを考慮せずに、あんた(キョン)の責任によって独断と偏見で選ぶこと。

【6】今回は2点シール以上の対象製品はできるだけ避けること。たとえばダブルソフト(2点)は見送ることが望ましい。


 よく考えられている妥当なルールだと納得した。ただのワガママ女じゃないってことだな。我らがSOS団長・涼宮ハルヒは。


 パンまつりシール集めの買い出し。はじめた当初は、北高ちかくのコンビニエンスストアに行って、適当なものを選ぶだけで良かった。じつをいうと、この方針は行き詰まってしまう。

 ちかごろのコンビニ各社は自社プライベートブランドの菓子パンや調理パンに重きを置いているからだ。セブンイレブンのPBは自社工場で製造しているが、ほかは山崎製パンなど既存の製パンメーカーによるOEMである。ローソンで売っている『あんドーナツ』は包装パッケージはローソンブランドでありながら中身は山崎製パンの工場で作っている実質『つぶあんドーナツ』である。だが、期間中にもかかわらずパンまつりシールは貼られていない。

 そういうわけで。年々、コンビニにおける大手製パンメーカー名義の袋パンが減っている。だから今回、買い出し先としてのコンビニは早々に候補から外れてしまった。

 コンビニに代わる買い出し先は、地元の食品スーパーである。しかし定番商品しか置いていない。定番シリーズの新しい味や新製品の実物をチェックすることが難しい。コンビニで唯一の例が、山崎製パングループが運営するデイリーヤマザキだが、これは北高から気軽に行ける距離に店舗がないから最後の駆け込み寺となる。

 おれにとって、パンまつり対象商品の買い出しにおける仕入れ先は、専らザスコやラピタのようなショッピングセンター内の食品スーパーであった。徒歩で行ける距離にはないが、北高からバスや電車を乗り継げば、往復1時間以内で行って帰ってこれる。

 大型ショッピングセンターである「ザスコ」や「ラピタ」は、毎日にように製パン各社の数種類のパンを100円均一セールを催していたり、定番シリーズの季節限定モノや新製品が店頭に並べている。客を飽きさせない工夫であり、ハルヒが提示したパンまつりシール収集にまつわる6ヶ条の原則を満たすために、なくてはならないヤマザキパンの供給先だった。

 まあ、こんな感じです。

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