番外編 レーズンバタークリームドーナツ (シール無し)

 パンまつりシールは貼ってなかったが、うまそうだったので買ってきた。パンまつり対象商品ではないのか、シール泥棒のせいなのか、おれにはわからない。いずれにせよハルヒには内緒である。

 ただのレーズンではなくラム酒漬けのレーズンいわゆるラムレーズンが使われている商品に「ハズレ無し」がおれの信条だ。

 レーズンバタークリームドーナツ。定番商品ではなく季節限定商品のようだったので、ここで見逃しては後悔するにちがいないと思い、SOS団とは別会計にてポケットに忍ばせておいたのである。

 さっそく開封してみる。ずっしり重たいのでクッキー記事かと思っていたが、意外にもブレッドタイプのドーナツだった。ミスドならばハニーディップとかあの辺の食感を思い浮かべていただきたい。

 肝心のバタークリームだが、これが期待を上回るほどの旨さだった。きょうは気温がヒトケタだが、寒さにもかかわらずバタークリーム特有のコテコテ感はなく、やわらかい状態を保っている。クリームの量も多い。ラムレーズンの粒をかみしめたときのおとなのほろ苦い甘いのもグッド。くどい甘さではないのでコーヒーだけではなく紅茶との相性も良さそうだ。

「──あ、キョンくん、ずるーい。自分だけおかし食べてる!」

 おっと、我が家の食いしん坊がラムレーズンの甘い香りをかぎつけてしまった。まだ半分残っているから取り分けてやるとするか。

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