薄皮クリームパン 1点

「SOS団員は、5人……。薄皮クリームパンは、5個入り……」

「おい、ハルヒ。もう食っていいか?」

「ダメよ。いちばんおいしい薄皮クリームパンを食べる権利は、もちろんSOS団長のあたしにあるんだからね!」

 いちばんおいしい薄皮クリームパンだと? どれも同じに見えるが……。

「ぜんぜん違うわよ。五個あるってことは、いちばんおいしい薄皮クリームパンといちばんおいしくない薄皮クリームパンがある──て考えるのが順当でしょ?」

 むむ。そう言われるとそんな気がしてくる。ただし違いがわからない。

「まあ確かに……太巻き寿司とか、端っこの具がはみ出ているやつが好きって言うヤツがいるけどな」

「いちばんおいしい薄皮クリームパンは当然あたしが食べるとして──2番目においしい薄皮クリームパンは有希とみくるちゃんにあげるわね。2人はジャンケンして決めなさい」

「わ、わたしは3番目においしい薄皮クリームパンで結構ですぅ。2番目においしい薄皮クリームパンは、そのう、長門さんがどうぞ……」

 すみません朝比奈さんっ。ああ、ハルヒと違ってなんて健気な女性なんだろうか。個人的には、あなたにこそいちばんおいしい薄皮クリームパンを食べていただきたいっ!

「……」

 そして長門。そんな目でおれを見るな。2番目においしい薄皮クリームパンは、おまえが食ってくれ。おれのことは気にしなくてよろしい。

「団長のおおせのままに。レディーファーストは当然の義務です。そうですよね?」

 そのとおりだが、古泉。4番目においしい薄皮クリームパンはおまえに譲る気はない。いちばんおいしくない薄皮クリームパンを食うのは貴様だ! ジャンケンでは絶対に勝つ!


・・・・・・・


きょうもSOS団はにぎやか。つづく。


商品名『薄皮クリームパン』

今回の獲得シール 1点

累計 2点

「白いフローラルディッシュ」獲得まで、あと23点

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る