ランドセルの子。

 ・一月二十六日

 ・公園

 ・メガネの男の子

 ・カレはいて座かおとめ座

 ・ツインテールがおすすめ!


 胸に抱いているのは、カコの愛読している子供向け雑誌、ピーチランド。

 今月号は年始めもあって、占いのページはかなりボリューミーだ。

 今年出会う運命の男の子!なんて特集もある。

 カコは近所の公園に赴くと、メガネの男の子、もとい運命の男の子を探すために広い公園の中を三周した。

 ――あれはおじいちゃんだし、あれはカップルだし……。

 他にもメガネの男の子はたくさんいるものの、カコの理想の人物には当てはまらない。

 諦めて帰ろうかと思っているときに、公園のベンチで缶珈琲を仰いでいる男が目に入った。

 ――メガネ、かけてる!

 イケメンではないけれど、不細工でもない。

 まだお昼なのに、少しくたびれたスーツが、頑張っている感じがして好感が持てる。

 じっと彼を見つめていると、気付かれたのか目が合った。

 ――あれ、この人知ってる。

 そろそろと近付いて、隣に腰をかけると、彼は少しずれてカコとの距離を空けた。

 なんだかそれが寂しくてカコは声を掛けることにした。

 雑誌を読んでいるふりをして、彼の様子を窺う。

 缶珈琲を持っている左手に指輪はない。

 ――よし、いまだ。

「なんさいですか?」

 男の人は声をかけられたことに驚いて、一度きょろきょろと辺りを見回した。

「えぇっと……俺に聞いてる?」

 カコは反応してもらえたことが嬉しくて、力強く肯いた。




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