1338.シュキさんの、スキル。
シュキさんのスキルも確認させてもらった。
『鬼人族』は『種族固有スキル』として、『修羅の如く』というのを持っている。
これは『サブステータス』の『攻撃力』と『防御力』と『速度』の数値をスキルレベルに応じて上昇させることができ、かつ『身体力(HP)』が10%を切ると自動で一度だけ50%まで回復するという凄いスキルだ。
まさに修羅の如く暴れまわることができるのだ。
『通常スキル』もいくつか持っているが、俺が持っていないものとしては……まず『縮地術』というレアスキルを持っていた。
『縮地』というのは、元の世界にいたときのゲームの知識でも知っている。
地上を移動するときに、瞬間移動のように瞬時に移動できることだ。
距離自体を縮めるような、そんな感じの能力だった。
実際にスキルの説明を確認すると、やはりそんな能力だった。
瞬間移動と言えば、ニアが身に付けてくれた『
直感的にそう感じる。
もちろん地上戦限定だけどね。
『
もちろん使い慣れれば、それでも自在に動いて戦えるので大きな問題はない。
『縮地術』は目的地をロックオンして瞬間的に移動するというのではなく、普段動く感覚を超高速で行う感じみたいだ。
だから、より自然な感覚で使えるのではないだろうか。
シュキさんが仲間になってくれたおかげで、この『縮地術』スキルも『共有スキル』にセットできるので、仲間たちにも使い勝手を確認してもらおう。
もちろん俺も試してみるけどね。
今後の悪魔との戦闘を考えると、『
シュキさんは、もう一つ『瞑想』という『通常スキル』も持っている。
これもレアスキルではないだろうか。
その内容は、『精神を集中統一することにより自分の内面と向き合い、自分の外部と調和し潜在能力を引き出すことができる』という謎スキルだ。
よくわからないが、多分俺の元の世界で知識で知っている瞑想と近いのだと思う。
俺の知っている瞑想は、心を落ち着けて、自分の内外と調和し、普段通りの力を出すというイメージで、試合前の精神統一とかそんな感じのイメージだ。
まぁ『瞑想』はスキルとして構成されているわけだから、心を落ち着けるだけじゃなく、何らかの効果があるのは間違いないんだろうけどね。
シュキさんに実際の効果を聞いてみたが、あまりよくわからないらしい。
潜在能力を引き出しているという実感も、実際のところはあまりないそうだ。
ただなんとなくの感覚として、『通常スキル』が取得しやすくなってるような気がするというのと、戦闘中にうまく瞑想できると、技のキレが良くなるような気がするらしい。
明確にはわからないが、何かしら効果があるというか、いろんなことに影響するのかもしれないね。
シュキさんは毎日訓練をする前に瞑想をするように心がけているようだが、瞑想する回数とか頻度とかも影響するのかもしれない。
『通常スキル』が取得しやすくなるというのは、いまいちよくわからないが、実際シュキさんは『通常スキル』をかなり持っている。
俺の『共有スキル』にセットされているものと被らないのは、この二つだけだが、所持スキルの総数は十六もあるのだ。
シュキさんによれば、この所持数はかなり多いらしい。
『鬼人族』は、『妖精族』などと同様に『通常スキル』はあまり数多く取得しないのが普通なのだそうだ。
もちろん、いろんな分野への取り組みをするとか、日々修練を欠かさないという生活を続け、着実にレベルアップをしていけば、スキル発現率を高めることは、人族と同様にできるだろうけどね。
今まであまり意識した事はなかったが、『妖精族』とかは人族に比べ『通常スキル』の取得率は良くないらしい。
ニアにも改めて確認した。
「確かに『妖精族』とか『霊獣』や『浄魔』『魔物』なんかの動物系の生物は、『通常スキル』の発現率は良くないわね。
人族の方が発現しやすいと言っていいと思う。
でもこれには諸説あるし、個人差もあるから、絶対ではないと思うけどね」
「やっぱりそうなのか」
「でも、私たちには、『種族固有スキル』という強力なスキルがある。
動物系の生物も持っていたりすることが結構あるし。
それに比べると人族には、『種族固有スキル』がないのよね。
そのかわり『通常スキル』が発現しやすいとか、そんな調整があるのかもしれないわね」
なるほど……この世界のシステムを作った存在がどこまで意図したかはわからないけど、そんな調整があってもおかしくはないな。
「そう考えると、シュキさんたち『鬼人族』を含めた『魔人族』は『妖精族』に近いのかもしれないね。
『種族固有スキル』を持っている代わりに、『通常スキル』の発現率が低いということなんだろうね」
俺はそう言いつつ改めて考えた……なぜ人族には『種族固有スキル』がないのか?
……不思議だ。
種族としての特徴がないのだろうか?
まぁ考えてもわからないし、自由度が高いとか、汎用性が高いとか、という感じで前向きに捉えたほうがいいかな。
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