1337.種族の整理と、『鬼人族』。

 シュキさんを『絆』メンバーに加え、俺は彼女のステータスを確認させてもらった。


 『種族』が『鬼人族』で、『年齢』は三十歳だった。


 少し気になって訊いたのだが『鬼人族』は、妖精族よりは人族に近いそうだ。


 歳のとり方も人族と同じらしい。

 ただ人族よりも肉体は強靭で、寿命は長く百歳以上生きるのが普通とのことだ。


 ちなみに妖精族は、十五歳までは人族と同じように歳をとるが、それ以降は十年に一歳づつ外見が成長する。


 『鬼人族』は、そんなことはなく人族と同じように外見も成長するそうだ。


 ただ、肉体が強靭であるために、アンチエイジング力が強いようで、五十歳でも三十歳ぐらいに見える人が『鬼人族』には多いらしい。


 妖精族ほどではないが、なんともうらやましい種族だ。


 種族関係でもう一つ気になっていた事があり、それについても確認した。


 それは何かというと、『鬼族』との関係だ。


 関連が深いのではないかと思ったのだが、『鬼族』と『鬼人族』は別物らしい。

 一説には、上位種族とも言われているそうだが、明確な関連は不明とされているそうだ。


 実際のところはわからないが、現在の定説では『鬼族』と『鬼人族』は別系統の種族であり、『鬼族』はどちらかというと『巨人族』に近い存在らしい。


 『鬼族』は、巨大らしいのだ。


 そして、ここでも驚いたのだが、『巨人族』という種族がいることがわかったことだ。


 今までニアと話していても、話に出てきた事はなかったと思うのだが……。

 ……出てきたかな?

 まぁどっちでもいいか。


 ニアに改めて確認したが、『巨人族』は幻の種族というくらい数が減っていて、ニアたち妖精族でも、どこにいるかわからないらしい。

 一度会ってみたいものだ。


 それから現在の定説は違う説で、『鬼族』が『鬼人族』の上位種族ではないかとする説があるそうだ。

 その説では、『鬼人族』はある意味『鬼族』の眷属のような存在とも考えられているらしい。


 それ故に『鬼人族』が『鬼族』と遭遇すると、もしかしたら従わされるとか、何かが起こる可能性があると唱えている学者もいるそうだ。


 ここら辺が定かではない理由は、『鬼人族』自体があまりこのことを気にしていなかったのと、古い時代の資料が残っていないかららしい。


 『鬼人族』が『鬼族』と遭遇したとか、一緒に暮らしていたという資料は残っていないそうだ。


 まぁいずれにしても、今は『鬼族』との関係は、ほとんどないと考えられているわけだ。


 それから種族的な話で言うと、『鬼人族』は、『魔人族』の中に括られる種族とのことだ。


 なんとなく『亜人族』に近いのではないかと思ったが、違ったらしい。


 そして、ここでも新しい言葉『魔人族』というのが出て来た。


 これも初めて聞いた気がするが、そういう括りがあるそうだ。


 ここで改めて、ニアに種族について確認した。


 ニアの話によれば、『鬼人族』が属している『魔人族』は、魔属性が強い種族というだけであり、悪魔や魔王と関係しているというわけではない。

 魔属性というのは、魔素の影響を強く受けているとか、魔力の適性が高いということらしい。


 『魔人族』という括りに入る種族はいくつかあって、『鬼人族』『天狗族』『河童族』などが有名なのだそうだ。


 『天狗族』とか『河童族』とか、またもや新しい種族名が出て来た。

 本当に会ってみたい。


 それから、現在では確認されておらず伝説に過ぎないと言われている種族に、純粋な『魔人族』がいるらしい。


 これは、『人族』が何らかの原因で強い魔属性を持った存在とのことだ。


 単に凄い魔力を持った人間ということではなく、種族として魔属性を固定化され、変質した存在という事のようだ。


 いわゆる魔人ということだろうか?


 過去の文献上存在しているだけで、実在するかは疑われているらしい。


 この世界には、まだまだ俺の知らない種族がいっぱいいる。

 いつかのんびり旅が出来るようになったら、できるだけ多くの種族と出会いたい。

 しみじみ思ってしまった。


 せっかくなので、ニアを中心にみんなの知識を聞きながら、改めて種族について自分なりに整理をしてみた。


 俺たち『人族』は、大括りの『人類族』の中の『人族』ということになる。


 『人類族』の中には、『亜人族』も入っている。


 『亜人族』は、ほとんど『人族』と同じ見た目だが、動物の耳と尻尾がある点が異なる。


 『人類族』とは別に、『獣人族』という種族も存在している。


 『獣人族』は、二足歩行しているが、見た目は動物なのだ。

 例えば猫の獣人ならば、猫が直立して歩いているような姿なのである。

 俺的には、『獣人族』も『人類族』に入れていいのではないかと思うが、一応違うらしい。


 それから『妖精族』という大括りがあって、その中にいわゆる『妖精族』と『亜妖精』が分類されている。


 『妖精族』には、『エルフ』『ピクシー』『シルキー』『ドワーフ』など様々な種族がいる。


 『亜妖精』には、『ハーフエルフ』『マーメイド』『リザードマン』などが分類されている。


 ちなみに『ダークエルフ』は、通常は『亜妖精』に分類されるが、説によっては『魔人族』に分類されることもあるそうだ。


 改めて整理をすると、二足歩行している人型の生物には、大きな分類として『妖精族』『人類族』『獣人族』『魔人族』というのがあるわけである。


 これ以外にも、『巨人族』『天使族』『魔族』という括りもあるようだが、ほとんど伝説上の存在らしく、実在するかわからないと考えられているそうだ。


 まぁ仮に存在していたとしても、普通ではお目にかかれない種族ということだろう。


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