1029.お披露目ショー、人選ミスバージョン。
お披露目ショーは、続いている。
大人サイズのモデルは、『
最初に登場したのは、新リーダーのニャンムスンさんとサブリーダーのズナカケナさんのセクシーコンビだ。
ニャンムスンさんは、赤のワンピース風軽鎧の上からローブを着ているが、ベストマッチだ。
『ツリーハウスベルト』も、腰飾りとしてゆったりと付けていて似合っている。
ズナカケナさんは、いつも着物に似たデザインの薄紫のローブを纏っているが、『ツリーハウスローブ』をその上から重ね着にしている。
もともと着ているローブが和服っぽいためか、変な感じではなく意外と似合っているのだ。
腰飾りも、ニャンムスンさん同様ゆるく巻いていて、よく似合っている。
二人でいろんな決めポーズをとってくれているが……表情が色っぽすぎる。
そして二人とも、かなり足が露出していて……セクシーすぎる。
なにこのセクシー爆弾!
そんな俺の動揺が伝わってしまって……ニアさんの『頭ポカポカ攻撃』が発動してしまったじゃないか! ……トホホ。
次に登場したのは……元リーダーのラットマンさんとコーナキンさんだ。
ラットマンさんは、もともと灰色のフード付きローブを着ているのだが、やはりその上から重ね着している。
色合い的にはダークグリーンのツリーハウスローブと合わなくはないのだが……すごく変な感じになっている。
というのは、ラットマンさんがもともと着ているねずみ色のローブが足首まである長いもので、上から重ね着しているローブが膝位の長さのものだからだ。
絶対変な感じなんだけど……スルーするしかない。
コーナキンさんは、ノースリーブで短パンという独特のスタイルだが、普通に『ツリーハウスローブ』を着れば、結構合うと思う。
それなのに、なぜかマントバージョンにして上だけ止めて、しかもマントの部分を細く絞って背中に垂らしている。
もうほとんど、つけてないのと同じだと思うが……。
どうしても、大きな菱形の赤い軽鎧を強調したいようだ。
なんか……変だとしか言えない……残念すぎる。
やはり、赤ちゃんプレイをしている筋骨隆々の変態おじさんに見えてしまう……ここもスルーするしかないようだ。
次のモデルは……ヌリカベンさんとイッタァンさんだ。
ヌリカベンさんは、いつも着用しているグレーの全身鎧に『ツリーハウスローブ』をマントバージョンにして装着している。
これは、奇跡的に似合っている。
前の二人が異常すぎたせいか、すごく良く見える。
ただ……調子に乗ってフードをかぶったりして……怪しげな感じにもなっている。
ヌリカベンさんは、全身鎧を着てるといっても普段はヘルムは装着していない。
スキンヘッドがむき出しなのだ。
それはいいのだが……その状態で、ローブのフードを被っているので、全身鎧の頭だけフードというすごく変な格好になってしまっている。
得意げにやっているが、とっても微妙な感じだ。
ただ、そのことに本人は、全く気づいていないようだ……残念!
しまいには、頭の動きでフードを脱いでスキンヘッドを出すという技を披露し、子供たちから爆笑さらっていた。
ヌリカベンさんは、意外と茶目っ気もあるようだ。
イッタァンさんは、白い軽鎧に、白いロングマントをつけている。
その上からローブを着込んでいるので……やはりとっても変な感じになっている。
白いロングマントは、地面に引きずるくらい長いのに、その上に膝丈のローブを着ているので……何か……本当に変だ……ムズムズするくらい気持ち悪い……残念!
最後に登場したのは、メーダマンさんとキティロウさんの親子だ。
メーダマンさんは、いつも黒いマントを羽織っている。
その上から『ツリーハウスローブ』をマントバージョンにして重ねて羽織っているのだが……黒いマントが長く『ツリーハウスローブ』が膝丈なので……やはりアンバランスで、とっても変な感じだ。
キティロウさんは、黒いロングローブを着用しているが、やはりその上から『ツリーハウスローブ』を重ね着している。
これもやはり丈がアンバランスで……とっても微妙だ。
この親子……残念すぎる。
なんか……ニャンムスンさんとズナカケナさんのセクシーコンビはともかくとして、他の男性メンバーをモデルに起用してしまったのは、完全に人選ミスだったと思う……トホホ。
この人たちは、無理に『ツリーハウスローブ』を着用しないで、『ツリーハウスベルト』をつけてもらえばいいと思う。
まぁそのために作った装備でもあるしね。
ニャンムスンさんの心配は、完全に的中していたのだ。
それを忘れて、モデルに起用した俺の失態だ……トホホ。
お披露目ショーが終わって、俺は子供たちを始めとするクランメンバーに、もう一つお披露目というか……紹介した。
それは……スライムたちだ。
紹介したスライムたちは……アホ貴族のボコイ=クレーターに囚われていた百七体のスライムたちだ。
一旦、大森林に避難させていたのだが、急遽連れ戻したのだ。
みんなレベル5以下の普通のスライムたちだったが、『アラクネロード』のケニー蜘蛛型分体の指揮の下、短時間でレベル15まで上がっていた。
ケニーから念話で連絡があり、今後の育成方針を尋ねられてわかったんだけどね。
ケニーが確認してきたのは、このスライムたちを『ハイスライム』にクラスチェンジさせるか、『マジックスライム』にクラスチェンジさせるか、もしくはその割合をどうするかということだった。
通常スライムは、レベル20になると『ハイスライム』にクラスチェンジする。
だがその前に、『小悪魔 インプ』や『小悪魔 ジャキ』の死体を吸収させておくと、『マジックスライム』にクラスチェンジできるのだ。
この場合、選択制なので『ハイスライム』を選ぶこともできるんだけどね。
『マジックスライム』へのクラスチェンジは、特殊なクラスチェンジらしく、一般には知られていないようだ。
本当はレベル20まで引き上げて、上位クラスにクラスチェンジしてから呼び戻した方が、戦力としては確実なのだが、今回は一旦保留にしたのだ。
実は、予感めいたものがあってというか……ボコイ=クレーターの部屋で没収したスライムに関する書物の中に、特殊なクラスチェンジの記載があったのだ。
まだ詳しく読み込んではいないが、そんなこともあってクラスチェンジ前に、パワーレベリングをやめたのである。
ちなみに没収したスライムに関する資料は、『スライム その神秘と可能性』と『幸福を呼ぶ百八体のスライム』という二冊だ。
『スライム その神秘と可能性』という本の目次だけ、さっと見たのだが、“特殊なクラスチェンジ”という項目があった。
時間がなくてまだ読んでいないが、今夜にでも読もうと思っている。今から楽しみだ。
スライムたちは、レベル15でも俺の『絆』メンバーになっているから、『共有スキル』が使える。
だから多少格上の魔物相手でも、ある程度戦えるのだ。
レベル30越えの中堅冒険者とも渡り合えるはずだ。
まぁ冒険者と戦う事は、想定していないけどね。
子供たちが九十九人いるから、その相棒的な感じで守ってもらおうと思っている。
その他にも、このスライムたちには、街のゴミの片付けや美化にも協力してもらおうと思っている。
スライムは、ゴミを片付けてくれる優秀な生き物だからね。
そして、迷宮都市で暮らしてもらうわけだから、レベルを上げようと思ったら迷宮に連れて行けばいい。
いつでも、効率の良いレベル上げができるのだ。
ちなみに、昨日の中区での魔物の撃退や人命救助で活躍してくれた『エンペラースライム』のリンちゃん直属の独立部隊のスライムたちは、大森林に引き上げてもらった。
リンちゃんは、この周辺の調査に行きたいというので、自由行動にした。
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