798.海の魔物、大量ゲット。
俺は、海の魔域『魔域 スパイラル大海域』の主になることができた。
だがこの大海域を事実上制圧したというだけで、完全に掌握したわけではない。
大森林の二倍以上の広さがあるこの大海域で、縄張りエリアを作っていた『マナ・アーマークラゲ』と『シーサーペント』と『スキュラ』という強い魔物たちを従えたというだけなのである。
それ以外に多くの海の魔物が生息しているが、奴らを仲間にできるのは、今のところ『魚使い』のジョージと俺だけなのだ。
仲間にするには『操魚の矢』を打ち込んで、『魚使い』のジョージの『魚使い』スキルの力で仲間にするか、『限界突破ステータス』の俺が『操魚の笛』を吹きながら強く念じるしかない。
そして俺の場合は、『操魚の笛』を吹きながら強く念じても駄目な場合は、さらに『テイム』スキルを使うことで仲間にすることができる。
その作業はかなり面倒くさいので、強い魔物から優先して、少しずつ仲間を増やしていくしかないだろう。
かなりの長丁場になると思うので、俺やジョージが訪れたときに休憩できる拠点を作ろうと思う。
そこで、この大海域のほぼ中心にある島に、拠点を作ることにした。
転移を使って、すぐに訪れることもできるようになるしね。
俺たちは、一旦その島に降り立った。
当然のことながら、この領域にある陸地も魔素が濃く、すべて魔物の領域である。
ここの魔物たちを無理に討伐する必要はないので、襲ってくる魔物だけを倒すことにした。
俺たちが降り立った場所は、入江のようになっている場所から比較的近い開けたスペースだ。
後ろには、森がある。
ここに囲いを作って、普通の魔物は入って来れないようにして、屋敷を作ろうと思う。
俺は、『コロシアム村』に作った屋敷を設置した。
『固有スキル』の『絶対収納空間』の『データ収納』コマンドで、データコピーしてあったので、それを貼り付けるだけの簡単作業で屋敷を作ってしまった。
だが、悪魔がもし来たときに、明らかに人の居住空間とわかる建物だと狙われるし、不在の間にいろんな魔物が押し寄せてきても困るので、見た目は大きな岩……岩石の塊のような形にすることにした。
屋敷の外側に、カムフラージュで岩石をいくつもつなぎ合わせて、全体を大きな岩のようにしたのだ。
これを前提としていたので、ここに設置したのは屋敷の本館だけだ。
こういう作りにしてしまったので、屋敷の中に自然光を取り入れるのが難しくなり、魔法的な明かりに頼るかたちになった。
たまにしか来ないから、いいだろう。
外のスペースに大きなテーブルや、バーベキュースペースを作るから、基本的には外で過ごす感じだ。
建物は、万が一宿泊する時の保険的な感じでしかない。
この建物をカムフラージュしている大きな岩石から、かなり距離をとって不自然ではない形で周囲に大きな岩石を巡らせた。
一種の岩石群のような地形を作ったのだ。
周囲に張り巡らされた岩石は、魔物の侵入を拒むための壁だ。
ただこれが近い位置にあると、明らかに不自然で人工的なものだと思われそうなので、建物からかなり距離を取った。
このおかげで、大海域の屋敷のスペースは、かなり広くなったのだ。
適度に木も生えているし、小さな林みたいな感じの場所もあり、いい感じで誤魔化せている。
ちなみに、この俺のお屋敷エリアにしたところにいる魔物たちには、申し訳ないが出て行ってもらった。
逃げ出す魔物は、そのままにしたが、襲ってくる魔物は倒してしまった。
ちなみに襲ってきた魔物は、一般的なイノシシ魔物、バッファロー魔物、ゴリラ魔物、大兎魔物、大ネズミ魔物、ムカデ魔物、ゴキブリ魔物、ガ魔物、トンボ魔物だった。
今のところは、珍しい魔物は現れていない。
大きな岩を周囲に配置したので、陸上の魔物が近づくのは大変だと思うが、飛べる魔物は普通に来ちゃうんだよね。
俺たちがいる時は、寄ってきた奴を倒せばいいが、そうじゃない時にここを破壊されると厄介だから、番人のような存在が必要なんだよね。
そう思っていたところに、うまく爬虫類型の魔物がやってきてくれた。
爬虫類型の魔物なら、『操蛇の矢』を使って、仲間にすることが可能なんだよね。
そしてやってきたのは……初めて見るユニークな魔物だった。
奴はどう見ても……俺が知っているエリマキトカゲが魔物化したものだと思うんだけど……。
ただ……魔物化したからなのか、常時二足歩行になっている。
そしてエリマキも常時広がっている。
大きさも二メートルくらいある。
なんとなく……『
『波動鑑定』すると……『種族』が『イビル・フリルドリザード』となっている。
レベルは40だ。
俺は、奴に『操蛇の矢』を打ち込み、『操蛇の笛』を吹きつつ、仲間になれと強く念じた。
そして、無事に仲間にすることに成功した。
『テイム』スキルは使わなくても、笛を吹いて念じるだけで仲間にすることができた。
俺はこいつに、エリマキンという名前をつけ、この屋敷を守らせることにした。
拠点もできたので、少し海の魔物を仲間に作業をすることにした。
仲間たちと総出で来ているが、まだ本格的に行動を開始していないからね。
仲間たちが手分けして、強めの魔物に『操魚の矢』を打ち込んで、俺とジョージが二手に分かれて、まとめてスキルを使って仲間にするという作戦にした。
海の中から強めの魔物を海上に放り出す役目は、『スキュラ』のキュラリと『シーサーペント』のサーペンと『マナ・アーマークラゲ』のクラゲッティたちがやってくれる。
最初に海上の上がってきたのは、十メートル越えの大物……ハンマーヘッドシャークの魔物だった。
頭の形が特徴的だ。
魔物化によって、より強調されている。
巨大で鋭角なハンマー状になっている。
三十七体もいた。
皆レベル40ほどだ。
他にもマンボーの魔物、ウツボの魔物、リュウグウノツカイの魔物、タチウオの魔物などが上がってきて、かなりの数を仲間にした。
マンボーの背鰭も、リュウグウノツカイの体も、タチウオの体も、本当の剣のように鋭角で鋭い形状だった。
ウツボは十メートルくらいの大きさがあり、凶悪な感じだった。
それぞれ四、五十体くらいいた。
一体でも凶悪な魔物なのだが、どれもかなりの数が生息していた。
大王イカの魔物もいて、二十メートルくらいの巨大な魔物だった。
これも、三十四体いた。
だが『オリジン』である『スクイードクラーケン』に比べると、はるかに小さいらしい。
『スクイードクラーケン』は、百メートルをはるかに超える巨体らしいのだ。
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