683.護身用の、装飾品。
『メカヒュドラ』の中では、魔法道具やお宝も発見することができた。
操縦席の所には、首領が使っていた転移の魔法道具があった。
これは過去に捕縛した『正義を爪痕』幹部から没収した『転移の羅針盤 小型三式』と同じものだった。
宝物庫のような部屋もあって、かなりお宝が入っていた。
大きな宝箱がいくつもあったのだ。
まず『マシマグナ第四帝国』の金貨が入った大宝箱が、五個もあった。
おそらくだが、五万枚ぐらいはあるだろう。
普通に換算しても五億ゴル……日本円で五億円相当の金貨だが、古代文明の金貨という付加価値を考えると、実際は何倍もの換金額になるようだ。
ただこれほど大量の金貨が流通してしまったら、希少性が薄れて付加価値も下がるだろう。
実際の価値は、通常の金貨と同じくらいと思っておいた方が良さそうだ。
ただ、特にお金に困っているわけでもないので、この古い金貨を換金する予定は全くないけどね。
今回も死蔵品になりそうだ。
それでも、大量の金貨を手に入るのはやっぱり嬉しい!
金持ちの気持ちが味わえているので、それで充分だ。
今までに手に入れた、古い時代の金貨同様、死蔵品ではなく、コレクションだと思って大切にしよう。
そして、これ以外に大きな宝箱が四つあり、そのうち三つには『コウリュウド国王』や周辺国の金貨……すなわち現在流通している金額が入っていた。
これだけでも三億ゴルくらいある。
これも戦利品として俺がもらえるのだ。
この三億ゴルのうち、一億ゴルは、俺が密かに行っている仲間たちの個別貯金に割り振ろうと思っている。
もう一億ゴルは、諸々の活動資金として自由に使えるようにプールしておこう。
そしてもう一億ゴルは、仲間たちに特別な小遣いとして割り振るかなぁ。
俺には多くの仲間たちがいるが、人型でない仲間たちにとっては、お金はあまり価値も興味もないものだ。
したがってその子たちには、記念メダル的に一枚ずつ渡してあげようと思う。
もっともこれも、希望者のみだけどね。
残りは、人型メンバーのお小遣いにしようと思っている。
俺の『絆』メンバーの中の人型メンバーは、以前は少なかったが、今や『聖血鬼』のみんなが入っているので、かなりの人数になっている。
みんなで分けたら、ちょっと多めのお小遣い程度の金額に落ち着いてしまうと思う。
それから、これとは別に『フェアリー商会』のスタッフの皆にも、特別ボーナスを支給しようと思っている。
『コロシアム村』の運営はハードだったし、最後には『正義の爪痕』による襲撃もあって、いろいろ大変だったからね。
大きな宝箱の最後の一つには、宝石類が入っていた。
いろんな種類の宝石や装飾品が満載されているので、かなりの数がある。
そして今回の宝石類の特徴としては、指輪が多かったことだ。
今までは、指輪はあまり多くなかったんだよね。
ネックレス、ペンダント、腕輪、ティアラみたいなものが多かったのだ。
指輪って、サイズ調整の問題があるからかと思っていたんだが……。
そう思って一つだけ指輪を『波動鑑定』してみたら、魔法的な仕組みの指輪だった。
というのは、指にはめると自動でサイズがフィットするという機能を持っているのだ。
つまり指のサイズを気にせずに、プレゼントできるという優れものなのである。
この戦利品は、俺の仲間の女子たちやユーフェミア公爵たちに分けてあげようと思っている。
ユーフェミア公爵たちは、お金には困っていないと思うので金貨を分けるよりも、装飾品をあげた方がいいと思うんだよね。
しかも失われた古代文明の装飾品なので、絶対喜びそうだ。
そしてこの装飾品の入った宝箱とは別に、大きなアタッシュケースのようなものがあって、そこにも指輪が入っていた。
ただ全く同じデザインの指輪が、百個入っていたのだ。
銀色のリングだが、宝石が位置する場所が四角く盛り上がっている。
気になったので『波動鑑定』してみると……魔法のアイテムだった。
名称が『魔法の指輪 シールドリング』となっていて、『
『シールド展開』という
特殊任務をこなす帝国の兵士たちに、配備される予定の品だったようだ。
デザイン性は、悪くないので普段からつけておける感じだ。
これは護身用のアイテムとして使えそうなので、ユーフェミア公爵たちを含めて知り合いに配ってもいいかもしれない。
特に俺の『絆』メンバーでない知人に配りたい品だ。
『共有スキル』が使えないから、こういうアイテムは役立つはずだ。
アタッシュケースの中に入っていた説明書のようなものを見ると、この指輪を含め他にも護身グッズがあるようだ。
『マシマグナ第四帝国』では、『護身装飾品』というカテゴリーのアクセサリーがあったらしい。
一般の人にも、広く普及していたようなことが書いてある。
確かに、そういう機能があり、かつ綺麗な装飾品があれば、みんな身に付けたいよね。
現代でも生存率を高めるために、そういうアクセサリーがあれば良いのだが、作れる技術がないのだろう。
もちろん一部の魔法道具を作れる職人さんなら、作れる可能性はあるんだろうけどね。
ただ装飾品は魔法道具と違って、いずれもサイズが小さいので、それに魔法的な機能を持たせるのは結構大変なのかもしれない。
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