異世界を魅了するファンタジスタ 〜『限界突破ステータス』『チートスキル』『大勢の生物(仲間)達』で無双ですが、のんびり生きたいと思います〜

645.女の武器って、なに？

『ビャッコの巫女』となったビャクライン公爵家長女のハナシルリちゃんは、急激なレベルアップにより『レベルアップ疲労』に陥り、ぐったりしたままだ。

　レベルを確認したついでに、『基本ステータス』についても、確認させてもらった。

『職業』欄に、『神獣ビャッコの巫女』と表示されている。

『状態』にあったであろう『戦巫女発動状態』という表示は、なくなっている。

『特殊ステータス』の『称号』の欄に『神獣の巫女』が追加され、『加護』の欄に『ビャッコの加護』が付いている。

　スキルのところには、『職業固有スキル』が追加されている。

　『職業固有スキル』には、化身獣たち同様、『転移集合』『連携通話』というスキルがある。

　ハナシルリちゃん独自のものとしては、『強化術』というスキルが表示されている。

『強化術』は、『基本ステータス』の『身体力(HP)』『スタミナ力』『気力』『魔力(MP)』と『サブステータス』の『攻撃力』『防御力』『魔法攻撃力』『魔法防御力』『知力』『器用』『速度』の全ての数値を高めるというスキルらしい。

　すべての数値を、同時に高めるなんて、凄すぎる……そして、お得すぎる。

　それからハナシルリちゃんには、新たな『固有スキル』まで発現していた。

　三つ目となる『固有スキル』は……『女の武器』というスキルだった。

『女子力』『女の勘』に引き続き……『女の武器』って……何なの、この女シリーズ……。

『女の武器』は、名前のごとく攻撃用のスキルのようだ。

　そしてこのスキルも、技コマンドが多く存在している。

『肘鉄砲』……物理攻撃で肘打ちを繰り出すようだ。

　母親のアナレオナ夫人が、ビャクライン公爵によくお見舞いしている肘鉄と同じだと思う。

　母親譲りの攻撃が発現してしまったらしい。

『セクシービーム』……体からエネルギー弾を発射し、相手を魅了状態にするらしい。

　同時に、『基本ステータス』の『身体力(HP)』『スタミナ力』『気力』『魔力(MP)』を何割か奪い取ることもできるようだ。

　成功率は、レベル差やスキルレベルによるらしい。

『壁ドン』……対象者を片手を前に突き出した独特の姿勢にして拘束し、自分に引き寄せることができる技のようだ。

　この技コマンドも成功率は、レベル差やスキルレベルによるらしい。

　そのまま相手を確保したり、無防備なところに攻撃を打ち込んだりできるようだ。

　なんとなくだが……『壁ドン』を発動させて、身動きできない状態で近づいてくる相手に、『肘鉄砲』を喰らわせるというのが、必殺コンボっぽい気がする。

　それは良いのだが……『壁ドン』って……。

　女子がする攻撃じゃなくて……男子からされて、女子がドキドキするやつだと思うんですけど……。

　もしかして……壁ドンをやられてみたいっていうのが、ハナシルリちゃんの心の願望だったりするのだろうか……これ以上考えるのは野暮だな……やめてあげよう……。

『逆壁ドン』……威圧して、相手の気力を奪うことができる技のようだ。

　また自白を引き出す効果もあるらしい。

　この技コマンドも成功率は、レベル差やスキルレベルによるようだ。

　てか……何の精神攻撃なのこれ……？

　普通、男子が女子からやられて、ドキっとして嬉しいやつでしょ？

　この技コマンド……完全にビビらせるってことでしょ……コワッ

　色々とツッコミどころは満載だが、ハナシルリちゃんは更なるパワーアップを遂げたようだ。

　そして……微妙な感じではあるものの、『固有スキル』に直接攻撃できるスキルが発現して喜ぶことだろう。

　多分まだ自分では、確認してないと思うんだよね。

　他の『神獣の巫女』クリスティアさんたちも、ハナシルリちゃんと同様に、『職業』欄と『加護』に、それぞれの神獣の名称が入ったものが付いているようだ。

『神獣コウリュウの巫女』『コウリュウの加護』といった感じである。

『称号』は、みんな共通で『神獣の巫女』と表示されているらしい。

　クリスティアさんたちのステータスを『波動鑑定』で見るのは気が引けたので、口頭で簡単に教えてもらったのだ。

『職業固有スキル』は、『コウリュウ』の巫女の第一王女のクリスティアさんが『治癒術』、『セイリュウ』の巫女のセイバーン公爵家長女のシャリアさんが『幻術』、『スザク』の巫女のスザリオン公爵家長女のミアカーナさんが『舞空術』、『ゲンブ』の巫女のゲンバイン公爵家長女のドロシーちゃんが『結界術』が発現しているらしい。

『治癒術』は、怪我の治療や解毒ができるスキルとのことだ。

　また、技コマンドの一つである『自動回復』を使うと、『基本ステータス』の『身体力(HP)』『スタミナ力』『気力』『魔力(MP)』の各数値が減少した場合に、即座に回復できるらしい。

『幻術』は、自分の幻影を出現させ敵を惑わせるというスキルとのことだ。

　スキルレベルが1のシャリアさんでも、三体の幻影を出すことができるらしい。

『舞空術』は、空中に浮遊して、念の力で滑るように高速移動できるスキルとのことだ。

『結界術』は、物理耐性、魔法耐性の目に見えないエネルギー障壁を体の周りに展開するというスキルらしい。

　レベルは、クリスティアさんが6つ上がって51、シャリアさんが5つ上がって52、ミアカーナさんが16上がって46、ドロシーちゃんも16上がって46だ。

　ドロシーちゃんは、『ドワーフ』のミネちゃんやピグシード辺境伯家の姉妹ソフィアちゃん、タリアちゃんと共に、特訓してレベル30になっていたのだ。

『三領合同特別武官登用武術大会』に向けて、アンナ辺境伯たちが特訓しているときに一緒に参加して、がんばっていたのだ。

　四人とも揃って、レベル30になっていた。

　ドロシーちゃんが、46にジャンプアップしてしまったので、他の三人もレベルを合わせたいと特訓を申し出そうだ。

　まぁ切磋琢磨ということでいいと思うけど……本当はパワーレベリング的に一気にレベルを上げないで、徐々に上げた方が色々メリットはあるんだけどね。

　ドロシーちゃんの場合は、しょうがなかったけど、他の三人は少しずつ上げた方がいいと思うから、焦らないように話してみようと思う。

　ミアカーナさんとドロシーちゃんは、一気にレベルが16上がったので、ハナシルリちゃんほどではないにしろ、少しダルそうだ。

　俺は、『レベルアップ疲労』の状態だということを伝え、休むように声をかけた。

　そんな彼女たちの元へ、ユーフェミア公爵たちも駆け寄った。