643.中継、しちゃってたの!?

 キンちゃんのステータスで他に変わったところは、『基本ステータス』のところの『職業』欄に『化身獣けしんじゅう(コウリュウ)』と表示されている。

 『状態』の表示からは、『コウリュウの化身状態』という表示が消えている。

 コウリュウ様の憑依状態が解けたからだろう。


『特殊ステータス』のスキルのところに、『職業固有スキル』という項目が追加されている。

『職業固有スキル』には、『転移集合』『連携通話』『コウリュウの眼光』というスキルが表示されている。


『転移集合』は、『神獣の巫女』と『化身獣』が、転移で集まれるスキルのようで、全ての『神獣の巫女』と『化身獣』に備わるスキルらしい。


『連携通話』は、『神獣の巫女』と『化身獣』で、お互いに念話ができる能力のようで、全ての『神獣の巫女』と『化身獣』に備わり、全員で同時に会話をすることもできるようだ。

 俺の『絆』メンバーでの『絆通話』のオープン回線と同じようなものだろう。


『コウリュウの眼光』は、キンちゃんのみの『職業固有スキル』みたいだが、グレーアウトしたような感じになっていて、詳細が表示されない。

 おそらく『コウリュウ化身状態』になった時だけ、使えるスキルなのだろう。


 それから、『固有スキル』にも新しいスキルが発生している。


放送局ブロードキャスター』というスキルで、自分が視聴した映像と音声をリアルタイム、もしくは記録して、映し出すことができるという能力らしい。

 技コマンドの『望遠撮影』は、遠くの映像や音声を拾えるというもので『視覚強化』スキル、『聴覚強化』スキルよりも、さらに映像や音が拾える技能となっているようだ。

 もう一つの技コマンド『リポーター』は、任意の者を指名し、その者の言葉を映像に乗せて届けることができるとなっている。


 なんか……すごいスキルが発現している。

 これはある意味、凄い便利なスキルだと思う。

 キンちゃんが『固有スキル』の『ランダムチャンネル』で拾った情報とかを、脳内で記録して、みんなに見せてあげるという使い方もできるはずだからね。

 なんとなく……文化ハザードが起こりそうで怖いけど……。


 それから、キンちゃんが仲間たちの活躍を記録してくれれば……後から動画として見れるってことでしょう……めっちゃ凄い!


 キンちゃんに聞いたところによると、この新しく発現したスキルの力を『神獣の巫女』と『化身獣』の力を合わせて、増幅させたとのことだった。


 それによって、防御障壁の中に映像を映し出して、人々に見せていたらしい。

 キンちゃんは、「オーナーの戦ってる姿を見て、みんな安心してたし!」と誇らしそうに言っていたが……俺の戦ってる姿を中継しちゃったわけ……?

 てか……なんてことをしてくれるのよ!

 それダメでしょうよ!

 事前に念話で教えて欲しかったわ!

 報連相しようよ……。

 まぁ戦いの最中だから、そんな場合ではなかったかもしれないけどさぁ……。


 どの範囲を中継されていたのか……今は怖くて聞く気になれなかった……トホホ。



『特殊ステータス』のところでは他に、『称号』の欄に『コウリュウの化身』が追加され、『加護』の欄に『コウリュウの加護』が付いている。


 ちなみにキンちゃんのレベルは60で、化身獣になる前と変わっていない。

 キンちゃんを含めた『ライジングカープ』たちは、『ミノタウロスの小迷宮』での特訓などを経て、皆レベル60になっていたのだ。



 オリョウたち他の『化身獣』たちのステータスも、ちょっとだけ確認させてもらうことにした。


 『セイリュウ』の『化身獣』となっている『龍馬たつま』のオリョウは、『基本ステータス』のところの『職業』欄に『化身獣けしんじゅう(セイリュウ)』と表示されている。

 『状態』の表示からは、『セイリュウの化身状態』という表示が消えている。

 レベルは、3つ上がって63になっている。

 おそらく『亜竜ヒュドラ』を倒したのが効いているのだろう。


 『特殊ステータス』の『称号』の欄に『セイリュウの化身』『竜馬りゅうま・飛竜を統べる者』が追加され、『加護』の欄に『セイリュウの加護』が付いている。

 『竜馬りゅうま・飛竜を統べる者』は、クラスチェンジして『龍馬たつま』になったことで、追加されたのだろう。

 二つの種族の上位種族ということなんだろうか……。


 『特殊ステータス』のスキルのところには、『職業固有スキル』が追加されている。

 『職業固有スキル』には、キンちゃん同様、『転移集合』『連携通話』というスキルがある。

 オリョウ独自のものとしては、『セイリュウの爪』というスキルが表示されている。

 これも、グレーアウトした感じになっていて、詳細が表示されない。

『セイリュウの化身状態』になった時だけ、使えるスキルなのだろう。


 その他にオリョウは、『龍馬たつま』にクラスチェンジしたことによって、『種族固有スキル』の『臥龍転生がりゅうてんせい』を取得している。

臥龍転生がりゅうてんせい』を発動することによって、『臥龍シークレットドラゴン』という『特別竜エキストラドラゴン』になることができるのだ。

 一時的な強化スキルとはいえ、強力なスキルなのである。


『ビャッコ』の『化身獣』となっている『スピリット・ブラック・タイガー』のトーラは、『基本ステータス』のところの『職業』欄に『化身獣けしんじゅう(ビャッコ)』と表示されている。

 『状態』の表示からは、『ビャッコの化身状態』という表示が消えている。

 レベルは、1つ上がって56だ。

『ミノタウロスの小迷宮』で特訓を行った時よりは5つ上がってレベル55になっていたが、今回の戦いでは1つしか上がらなかったようだ。

 かなりの数の魔物を倒していたはずだが、トーラよりもレベルが低い魔物ばかりだったからね。


 『特殊ステータス』の『称号』の欄に『ビャッコの化身』が追加され、『加護』の欄に『ビャッコの加護』が付いている。


 スキルのところには、『職業固有スキル』が追加されている。

 『職業固有スキル』には、キンちゃんたち同様、『転移集合』『連携通話』というスキルがある。

 トーラ独自のものとしては、『ビャッコの牙』というスキルが表示されている。

 これも、グレーアウトした感じになっていて、詳細が表示されない。

『ビャッコの化身状態』になった時だけ、使えるスキルなのだろう。



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