481.フェアリー商会の、新体制、その九(飲食事業は大盛況!)。

 

 十九、精肉事業本部——『フェアリー食肉』を展開。

 現在は、『マグネの街』に本店、『領都ピグシード』『ナンネの町』に支店がある。

 今後『イシード市』にも出店予定。ヘルシング伯爵領には、今のところ出店の予定は無い。

 事業本部長は、『マグネ本店』の事業支配人のアッキーにお願いした。

 アッキーは、『資産管理室』室長と兼務になる。

 事業内容は、『食肉処理場』と『肉の直売所』の運営である。

 この事業部門は『領都支店』で最初に立ち上げたが、後から『マグネの街』にも本店として『食肉処理場』と『肉の直売所』を作ったのだ。



 二十、飲食事業本部——『フェアリー飲食』の個別ブランドとして、喫茶店の『フェアリーキッス』と、焼肉屋『七輪焼きフェアリーグリル』と、食事処『フェアリー亭』を展開。


 喫茶店の『フェアリーキッス』は、『マグネの街』に一店舗出店している。

『領都ピグシード』では、本部ブロックの商業棟の二階と『食肉処理場』の隣の『食肉加工場』の二階と四つのエリアブロックの施設棟の合計六店舗に出店した。

『ナンネの街』では、、中央通り沿いの店舗ブロックに作った施設棟に出店している。

 今後『イシード市』にも出店予定。ヘルシング伯爵領の各市町にも、いずれ出店しようと思っている。


 焼肉屋『七輪焼きフェアリーグリル』は、『マグネの街』『領都ピグシード』『ナンネの町』に出店している。

 今後『イシード市』にも出店予定。ヘルシング伯爵領の各市町にも、いずれ出店しようと思っている。


 食事処『フェアリー亭』は、『領都』と『ナンネの街』に出店している。

 今後『イシード市』にも出店予定。ヘルシング伯爵領の各市町にも、いずれ出店しようと思っている。

 宿屋『フェアリー亭』は、トルコーネさんのお店で、『フェアリー商会』とは資本関係はない。

 ただ俺がレシピを提供したり、『フェアリー商会』から仕入れてもらっているので、ほぼグループ企業だ。

 トルコーネさんは『フェアリー亭』の二号店を作るなど手を広げることはしたくないというので、『マグネの街』以外では、『フェアリー商会』が食事処として『フェアリー亭』を出店することになっている。


 飲食事業も本来なら無理に出店をする必要はないが、美味しいものを食べて、より多くの人に元気になってもらいたいので、この部門に限っては積極的に出店していこうかと思っている。


 喫茶店の『フェアリーキッス』は、相変わらず『ホットケーキ』と店員さんのメイド風制服が評判で、毎日行列ができている状態だ。

 女性客のみならず男性客も多く、この異世界では男性もかなり甘味に弱いらしい。

 思ったよりも、かなりスイーツ男子が多いようだ。


 焼肉屋『七輪焼きフェアリーグリル』も、大盛況だ。

 臭いの力は絶大で、肉の焼ける美味しい匂いで、お客さんがどんどん集まってくるのだ。

 そして、氷で冷やす大型冷蔵庫を利用して提供している、キンキンに冷えたエールビールも大好評だ。

 七輪で使う炭の消費がかなり激しいので、専用の『炭焼き工房』を作ることにした。


 食事処『フェアリー亭』も、連日満席の人気らしい。

 看板メニューは、トルコーネさんの『フェアリー亭』と同じだ。

『牛のとろとろシチュー』、『ソーセージ』、『卵焼き』、紅エビと白エビの『素揚げ』を半分ずつ盛る『紅白揚げ』、紅エビを使った『紅かき揚げ』、白エビを使った『白かき揚げ』、『鮭おにぎり』、『ホットドッグ』、『コロッケ』などで、『フェアリーパン』から仕入れいる『やわらかパン』もお客さんに人気とのことだ。



 二十一、日用雑貨販売事業本部——『フェアリー雑貨』を展開。

 現在は、『マグネの街』に本店、『領都ピグシード』『ナンネの町』に支店がある。

 今後『イシード市』にも出店予定。ヘルシング伯爵領には、今のところ出店の予定は無い。

 この部門は、最初にできたのは『領都支店』であるが、その後『マグネの街』でもオープンした。

 事業本部長は、『マグネ本店』の事業支配人のクヒメンさんにお願いした。

 クヒメンさんは、元々『フェアリー商店』で店長のショクニールさんと長年働いてくれていたスタッフだが、『マグネの街』に『フェアリー雑貨』を作るときに、店長として抜擢していた人だ。

『領都支店』には、俺が買い取る前の商会だった頃の焼き物職人さんが二名残っていたので、雇用して『焼き物工房』を再建した。

 現在は職人希望の人たちを弟子として採用し、二十人規模の工房になっている。



 二十二、ギルド運営事業本部——『狩猟ギルド』『農林水産ギルド』『職人ギルド』の運営。


 事業本部長は、『領都』で『狩猟ギルド』のギルド長をお願いした元冒険者のローレルさんにお願いした。

『マグネの街』では、従前からのギルドが機能しているので『フェアリー商会』では運営していない。

『領都ピグシード』では、『狩猟ギルド』『農林水産ギルド』『職人ギルド』を運営している。

『農林水産ギルド』と『職人ギルド』については、ローレルさんが適した人材を『アルテミナ公国』から呼び寄せてくれたので、採用してギルド長に就任してもらった。

『ナンネの街』では、『狩猟ギルド』と『農林水産ギルド』を運営している。

 このギルド長についても、ローレルさんが呼び寄せてくれた人たちを採用した。


 ギルド運営事業は、事業と言いつつも基本的に収益が見込めないボランティアのような部門になってしまっている。

 ただ『狩猟ギルド』や『農林水産ギルド』は、ギルド会員が持ち込んだ物の買取業務もあるので、将来的には運営費を捻出することくらいは可能だと思う。



 二十三、建設事業本部——『フェアリー建設』を展開。

 『マグネの街』の拡張工事を請け負うために作った部門で、公共事業の下請け工事をしている。

 現時点では、『マグネの街』でしか運営していない。

 事業本部長は、一応サーヤになっている。



 二十四、警備保安事業本部——『フェアリー商会』の各店舗や施設の警備を担当する部門である。名称は『フェアリー警備』にした。

 将来的には、警備の請負なども考えている。

 事業本部長は、当面の間『アラクネロード』のケニーに担当してもらっている。

 メインの人材は、俺の眷属の『聖血鬼』のメンバーだが、正式にこの部門を発足する前から警備を担当していた腕の立つ社員や最近入社している元冒険者などが配置されている。



 二十五、仕入買付事業本部——今回新設した事業本部で、『フェアリー商会』で扱うもの全般に関連する情報収集や仕入れルート作りをする。

 事業本部長は、シイレードさんだ。

 仕入れ先を確保して安定的に仕入れることと、スポット的に特別に買い付けること、そして外注生産やOEM生産なども担当してもらう。

 前述の通り、この部門で優秀なバイヤーを育成してもらい、重要な仕入れ商品が見込める支店には、バイヤーを配置する予定だ。

『バイヤーズ』という名の最強仕入れ部隊……いわば『食材ハンター』を養成し、俺が必要とする食材を探し出してもらう予定だ。



 二十六、行商事業本部——行商団『フェアリー行商』を組織し、各地に行商に行く。

 行商団を指揮するのは、『アラクネロード』のケニーだが、まとめ役の事業本部長はカイツゲルさんが務める。

 ケニーの行商団は、ピグシード辺境伯領の特産品を広めるために各地に行商に行くのだが、同時に様々な情報を収集をする諜報部隊でもあるのだ。

 俺の眷属となっている『聖血鬼』のメンバーで構成されているのである。

 そして行商団は、各地の特産品情報なども拾い上げ、有望な商品があれば仕入れてくるという業務も行う。

 俺の探している食材の情報収集も行なってもらう。



 二十七、卸売事業本部——『フェアリー商会』の商品を購入したいという大口取引希望の行商人や行商団との商談窓口となる部門だ。

 事業本部長は、オロシンさんである。

 スポット的な買付依頼に対応するだけではなく、『サングの街』の『アシアラ商会』のように、定期的な販売チャンネルへの卸売も管轄してもらう。



 二十八、容器包装事業本部——商会の商品に使う容器や包装資材を作る部門だ。

 商品としての容器も販売しようと思っている。

 当面は、『魔竹プラスチック』の製造を軌道に乗せることが急務である。

 事業本部長は、当面の間、ミルキーに担当してもらう予定だ。



 二十九、おもてなし事業部——守護屋敷の執事セバンさんが率いる使用人のプロとしての『おもてなし特別チーム』の運用と各市町での『炊き出し』の統括も行う。

 事業本部長は、セバンさんだ。

 この部門は、事業本部と言いつつも、目に見えて売り上げが上がるということはない部門である。

 事業の展開としては、『ケイタリングサービス』や『出張執事メイドサービス』なども考えられなくはないが、今のピグシード辺境伯領では需要はないだろう。



 三十、芸能事業本部——吟遊詩人の活動を行う部門。

 アグネスさんとタマルさんには、『フェアリー商会』に入ってもらい、吟遊詩人の活動をしてもらっていたが、今回改めて事業部門として設置することにした。

 事業本部長は、アグネスさんにお願いした。

 現在弟子として、亡くなった『死霊使い』だった吟遊詩人ジョニーさんの妹弟のギャビーさんとアントニオくんもメンバーとなっている。

 実は新しい試みとして劇団を作ろうかという話が出ている。

 この世界では、旅の興行劇団が来ると、みんな大喜びでこぞって見に行くそうだ。

 娯楽が少ない世界なので、吟遊詩人の弾き語りはもちろん、劇団が来たらかなり喜ばれるらしい。

 みんなが喜んでくれれば、街も明るくなるし、意義は大きいと思う。

 実はこの話は、俺の分身ともいえる『自問自答』スキル『ナビゲーター』コマンドのナビーと、『魚使い』のジョージも大乗り気なのだ。

 元の世界の昔話や面白い話を演劇にしたら、この世界でも受ける可能性があるよね。

 著作権問題もないだろうし。

 そんなこともあり、芸能事業本部として独立部門にしたのだ。

 この部門は、吟遊詩人の育成をするとともに、最終的に劇団の設立を目指しているのである。

 娯楽を提供し、世の中を明るくするために力を入れていこうと思っている。


 三十一、サルベージ事業本部——沈没船引き上げ及びお宝発掘をする部門である。

 大河での沈没船引き上げが楽しかったので、事業部門にしてしまった。

 まぁ半分はお遊び事業部門となってしまうが……いいだろう。

 でも密かに、収益性は高い部門になりそうだ。

 川イルカのキューちゃんたちの協力があれば、簡単にお宝が発見できてしまうからね。

 事業本部長は、『魚使い』ジョージを抜擢した。

 そして当面、この部門には俺も直接関わろうと思っている。

 といっても……ただ単にお宝発見……サルベージ作業がしたいだけだけどね。

 何が出るかわからないワクワク感が、本当にたまらないのだ。


 この部門には、もう一つ隠れた使命がある。

 それは展示用の魚の確保だ。

 これから復興する『イシード市』に、娯楽施設として『水族館』を作ろうと思っている。

 ジョージの前世の夢だったイルカショーも実現できるし、人を呼び込むこともできると思っている。

 その準備もしてもらう予定なのだ。

 形ができてきたら、水族館事業本部として独立させようと思っている。


 三十二、アルコール飲料製造事業本部——『フェアリー酒造』として、酒類を総合的に生産販売していく部門だ。

 ビールやワインと共に、蒸留設備を作って様々な蒸留酒を作っていく予定だ。

 ゲンバイン公爵家長女で王立研究所の上級研究員のドロシーちゃんの監修のもと、蒸留設備を作って本格的に稼働させることになっている。

 最初の蒸留所は、これから復興する『イシード市』に作ろうと思っている。

 事業本部長は、当面サーヤにやってもらうことにしたが、いずれ適任者が雇用できたら任せようと思っている。

 実は、元冒険者パーティー『炎武』のリーダーローレルさんに頼んで、『アルテミナ公国』の蒸留職人を呼び寄せているところなのだ。

 この辺では、『アルテミナ公国』が蒸留酒の製造が盛んで、人材確保をローレルさんにお願いしていたのだ。



 以上が、現時点での事業部門となる。


 それとは別に、資本関係はないがグループのような存在として、トルコーネさんの宿屋『フェアリー亭』や領都の俺専属の奴隷商人となってくれたバーバラさんの存在がある。

 ヘルシング伯爵領の『サングの街』の『アシアラ商会』のアシアさんや、イカ焼き屋台のマックさんもグループと言っていい気がする。

 それから『ピア温泉郷 妖精旅館』も『フェアリー商会』とは別だが、実際上はグループと言っていいだろう。

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