455.魚を使った、特産品づくり。
もう少し特産品を考えるなら、やはり資源が豊富な魚介類を使った何かを考えるのが合理的だ。
魚介類が新鮮だから、その場で焼いたり調理して食べるのは抜群に美味しいわけだが、今後の産業の育成を考えれば、やはり特徴のある加工品を作り出す必要があるだろう。
そこで一番いいのは、日持ちがしてお土産として買って帰れるようなものだ。
そんな観点から一つ思い浮かんだのは、せんべいだ。
小エビやエビの皮やしっぽを鉄板でプレスした『パリパリエビせんべい』、そして魚の骨を油で揚げた『骨せんべい』がいいと思っている。
資源の有効活用としても、優れていると思うんだよね。
旅人の保存食としても優れているし、もしかしたら人気が出るかもしれない。
屋台で、テスト販売してみたらいいかもしれない。
そしてもう一つ特産品として、あまり日持ちはしないが『カマボコ』を作ろうかと思っている。
マナゾン大河で仕留めた川サメを材料にしようと思っているのだ。
十メートルサイズの巨大川サメが、波動収納に大量に入っている。
最初の一匹は俺たちが退治した奴だが、残りは川イルカのキューちゃんたちが退治したもので、十匹以上あるのだ。
サメの身は、『カマボコ』などの練り物にできるのだが、凄い数ができそうだ。
まずは通常の板に乗った『カマボコ』を作る予定だ。
練り物は冷蔵環境がないと日持ちがしないから、広く普及させるための特産品としては不向きかもしれないが、個人的に食べたいという理由も大きい。
特に『板わさ』が食べたい!
そして前回この案を思いついた時に、早速『わさび』捜索指令を出していたが、すぐに『わさび』を発見したのだ……ムフフ。
秘密基地『竜羽基地』のある竜羽山脈の山の清流に自生していたのだ。
これで『板わさ』が食べれるので個人的には大満足だが、本当は広く普及させたいんだよね。
まぁ今後の課題ではあるが、簡易的な冷蔵ボックスのようなものを作れれば普及させられるかもしれない。
魔法の巻物で氷を作り出すことができるので、氷を使った簡易的な冷蔵ボックスならすぐ作れるのだ。
それの小型版を作って、お土産として持ち帰りできるようにしたらいいかもしれない。
ただ魔法の巻物を使う魔法道具である以上、安くはできないんだよね。
当然個人的に安くして売ることはできるが、魔法道具全体の価格破壊になってしまって、魔法道具業界に悪影響及ぼしかねないからね。
そうなると小型化して、個人に販売するのは厳しいということになる。
むしろ大型化して、行商団や商会に販売して輸送できるようにしてもらう方が現実的かもしれない。
そうだ! 当面の間、『フェアリー商会』の行商団に大型の簡易冷蔵庫を装備させて各地に売りに行けばいいかも!
この方式で、少しずつでも普及させるとしよう!
他の練り物としては、前に考えたように串に刺して、油で揚げた『揚げカマボコ』も作ろうと思っている。もちろんイカやタコを混ぜたり野菜を混ぜたり、バリエーションもいくつか作る予定だ。
そしてこれも屋台でテスト販売をするつもりだ。
まぁテスト販売というよりも、俺の中では屋台の新しい種類として確定しているけどね。
『おにぎり』『ホットドッグ』『コロッケ』『フレッシュジュース』『かき氷』に続く第六弾として『揚げカマボコ』、第七弾として『パリパリエビせんべい』と『骨せんべい』の『せんべい』が俺の中ではほぼ確定している。
テスト販売でよほど不人気でない限りは、これでいこうと思っている。
また、『揚げカマボコ』をホットドッグのような感じで、そのままパンに挟んでも美味いと思うので、『ホットドッグ』屋台のバリエーションとして、『揚げかまぼこドック』も入れて見ようと思っている。
もう一つ、練り物として『ちくわ』も作れる。
『ちくわ』があれば、キュウリもあるし、チーズもあるし、簡単なおつまみがすぐに作れる!
しかも美味い!
トルコーネさんの『フェアリー亭』の新メニューにいいかも! 提案してみよう!
それから腸詰というかたちで、『魚肉ソーセージ』も作ろうと思っている。
普通の練り物だと冷蔵できない限りあまり日持ちしないが、ソーセージならある程度日持ちさせれる。
これはかなり有望だと思う。
そして棒に刺して小麦粉をつけて、『アメリカンドック』にしちゃってもいいかもしれない!
いいなぁアメリカンドック! うーん……食べたい!
屋台の第八弾は『アメリカンドック』だな!
あと大量のフカヒレがゲットできるわけだが、これは料理自体を普及させるところから始めなきゃいけないので、当面は俺の『波動収納』にしまっておいて、自分たちで消費しようと思っている。
高級食材フカヒレを大量に買い占めた気分だ。
誰かに料理を振る舞うときに、特別料理として出そうと思っている。
それとサメは巨大な肝臓は有効利用できる。
サメには浮き袋がなく、巨大な肝臓に油がぎっしり詰まっていて浮き袋代わりになっている。
この肝臓の脂から作ったのが、懐かしの『肝油ドロップ』なのだ。
『肝油ドロップ』を作ろうと思っている。
健康補助食品としていいし、保存もできるのでお土産にもちょうどいい。
他にサメの利用方法としては、歯や皮を使ったアクセサリーや加工品がある。
十メートルを超える川サメの歯は大きく、象牙のような感じでいろいろ加工できる。
アクセサリーにしても、綺麗なはずだ。
あと少し加工して包丁やナイフとしても使えるから、そんな商品にしても面白いかもしれない。
皮は、わさびのすりおろし金にできる。
今後『わさび』を普及させるときに、セット販売するのにちょうどいい。
あと様々な革細工もできるはずだ。
カバンやベルトなどが作れる。
ちなみに、サメは軟骨魚類で柔らかい骨しかないので、骨自体は加工品には向かない。
ということで、川サメを中心にした水産資源で、特産品を作る案を詰めようと思っている。
将来的に川サメが減って、あまり取れなくなっても他の魚で十分代用できるだろう。
俺は大河沿いにあるヘルシング伯爵領の四つの市町に水産加工品を割り振って、その市町の特産品として育てようと思っている。
本当は一カ所にまとめてしまった方が、俺としては効率がいいのだが……ヘルシング伯爵領全体のことを考えれば、それぞれの市町に特産品があったほうがいいと思うんだよね。
ヘルシング伯爵領には、北から南に通っているマナゾン大河に沿うかたちで、北から『ヨングの街』、『ハンシング市』、ここ『サングの街』、そして南の『アンシング市』がある。
そこで俺はこの四つの市町に、水産加工品を割り振ることにした。
『ヨングの街』には『カマボコ』、『ハンシング市』には『ちくわ』、ここ『サングの街』には『揚げカマボコ』、そして南の『アンシング市』には『魚肉ソーセージ』を割り振ろうと思っている。
肝油ドロップと歯と皮の加工品は、それぞれの市町で作ろうと思っている。
それぞれの市町に、『フェアリー水産』と『フェアリー食品』を作って、魚介類の確保と水産加工施設を作るつもりだ。
『フェアリー水産』での魚介類の調達は、川イルカのキューちゃんたちが協力してくれる予定だ。
川サメを退治してきてくれるので、強力な調達要員といえる。
その他の魚介類については、独自に漁をしてもいいし、地元の漁師から買い上げてもいいと思っている。
できれば漁師から買い上げてあげた方が、彼らの生活が潤うと思うんだよね。
その方向で考えるてみよう。
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