81.サーヤの、スキル。
そんなこんなで、サーヤさん、もとい、サーヤが正式に俺のパーティーメンバーになることになった。
そしてサーヤに、俺の今までの経緯を説明し、秘密を打ち明けた。
もちろん、霊域や大森林の仲間で詳しく知らなかった者にも、隠さなかった。
この子たちから情報が漏れることはないからね。
隠すよりも、信頼の方が大事なのだ。
なぜかサーヤは、特に驚く様子はなかった。
そして当然『絆』スキルの話もした。
その関連もあるので、サーヤのステータスやスキルなどを教えられる範囲でいいので教えてほしいと頼んだのだが………
「もちろん、全てお教えします。鑑定でいつでも見てください。わ、私の全てを……い、いつでも……見てください……」
……そういう……変な意味にもとれる発言を……潤んだ瞳でするのは……やめてほしいんですけど……。
オホンッ……気を取り直して……
サーヤが教えてくれたところによると……
サーヤは、現在レベル19
年齢は、以前にも聞いたが128歳
スキルは……
家魔法系の種族固有スキルで、すでに知っているが『
この『
現在のスキルレベルが8らしいので、この『管理物件』スロットは、もうちょっと増える余地があるそうだ。
もう一つ、家魔法系の種族固有スキルで『
この『
なんとなく『アイテムボックス』っぽい使い方ができるようだ……
倉庫に置いてある物を、転移させ取り寄せることができるらしい。
これは、自分が倉庫に転移しなくても、倉庫から転送して使えるから非常に便利とのことだ。
『アイテムボックス』や俺、リン、シチミの収納系スキルには、入れることができない人や動物も移動できる。
うまく使えば凄い機能かもしれない。
サーヤが一緒に行かなくても、転移できる裏技というのはこれのことらしい。
やはり『アイテムボックス』というよりは、転移の一つと考えた方が良さそうだ。
更にもう一つ、家魔法系の種族固有スキル『
これは、『お気に入り登録』したお店の近くに転移して、すぐに買い物ができるという便利スキルとのこと。
これも距離が関係ないらしいので、超絶便利ではないだろうか。
ただ、さすがに人通りのあるところに、いきなり転移で現れるわけにもいかず、実際はなかなか使いづらいらしい。
もっとも、これを補助するためのコマンドで『
これは転移にする前に、予定の場所の周辺を空間透視で確認する技能とのことだ。
それで人通りがない場所や時間を見計らって転移できるらしい。
またお店の中も覗けるらしく、商品の在庫状況やお店の混み具合なども見れるとのことだ。
これも中々な便利コマンドだ。
『お気に入り登録』スロットは、現在四件登録できるそうだ。
これもスキルレベルが上がれば、登録件数が増えるそうだ。
現在のスキルレベルは、4らしい。
こう見てくると………
家魔法系の種族固有スキルというのは……空間魔法や時空間魔法に近い気がする。
そういう系統なのかもしれない……。
それから通常スキルで……
『家魔法』というレアスキルを持っているわけだが……
この『家魔法』の技は、ニア達の『風魔法』の技などと同じように、一つの技がスキルとなっているようだ。
……ということで持っているスキルは……
『家魔法適性』———このスキルレベルにより、魔法の効果や使用する魔力の量が大きく変わるらしい。
『
これは…… めっちゃうらやましい!
めっちゃ欲しい! この魔法。
……てか、誰でも欲しいよね。
特に主婦の皆さん全員欲しいんじゃないだろうか……
まぁ……お掃除好きの人もいるから全員というわけじゃないか……
『
こっちの世界であるかどうかわからないけど、賃貸住宅などの現状回復にすごく便利そうだ。
本当に不動産屋ができるんじゃないだろうか……。
『
ただ規模により消費魔力が違うから、無制限にできるわけではないようだが。
これもすごい便利スキルだね。
ビフォー、アフターとか見てみたい気がする。
サーヤのことを“匠”と呼んでしまいそうだ……。
『
これも規模により消費魔力が違い、今のサーヤのスキルレベルでは、そんなに大きい家は建てられないらしい。
もっともやり方次第で、毎日全魔力を使いながら何日かに分けてやれば、大きな家も建築可能らしいが……。
家が建つなんて……
まさに魔法だよね……
魔法の大工さん……
サーヤのことを“棟梁”と呼んでしまいそうだ…… 。
『
大変な落ち葉拾いも楽勝とのことだ。
『
自分の思い通りに、庭の造形が変えられたらかなり面白そうだ。
『
ただ、菜園いじりは楽しいので、魔法を使わないでやることの方が多いらしいが……。
その気持ち……なんとなくわかる……。
『
この回復魔法は、必ずしも家の住人に限定されるわけではないので、一般的な回復魔法としても使えるらしい。
またストレスや、精神疾患なども和らげる効果があるそうだ。
まさに家庭というか……家族の癒し的なことなのだろう………。
さすが家妖精………
すごい数の家魔法を持っている……。
しかし、サーヤ一人で、総合建設会社、庭師、不動産管理会社を兼ねている感じだ……。
ほんとにすごいなぁ……
これはほんとに、サーヤの技能を生かして不動産屋でも始めた方がいいかもしれないね………。
そしてもう一つレアスキルで、『契約魔法』というの持ってるらしい。
『契約魔法適性』———魔力消費や一部の契約の成功率、新たな技の発現率に関わるらしい。
『通常契約』———任意の者同士を、お互いに取り決めた内容と効果、罰則などで縛る効果を出せるらしい。
契約内容に拘束するということだろう。
もちろんお互いの自由意志が前提であり、一方的な強制では契約が結べないらしい。
ただし、契約違反の罰則等は、契約後には強制的に行使されるらしいが……。
秘密保持なんかに使うといいらしい。
秘密保持が大事なのは、どの世界でも一緒なのか……
どの世界でも、内部告発が一番怖いのかもね……
なんか世知辛い……。
『
『
サーヤに訊いたところ、『
また、契約に応じる生物も少ないらしい。
主人側からすれば、より拘束して好きなように使える。
そして視覚や聴覚を共有できることから、支配する感覚が強いらしい。
その分、『
スキルレベルが高くなると、『テイム』のように、半強制的に契約を結べるようにもなるらしい。
……そうなると、もはや『支配の首輪』とあまり変わらない気がする……。
ある意味、恐ろしい魔法だ。
レアスキルで良かった……。
また、サーヤは持っていないが、『契約魔法』には『奴隷契約』というスキルもあるらしい。
これは『奴隷紋』という魔法の刻印を刻み、『奴隷契約』を締結するというものらしく、奴隷商人等が所持している場合が多いとのことだ。
サーヤは他にも通常スキルで……
『調理』———料理が上手にできる。
『操車術』———馬車の御者ができる。
『馬術』———乗馬ができる。
『裁縫』———縫い物が上手にできる。
……など、長年生きているだけに、いろんなものを持っているらしい。
実に頼もしい仲間が増えた。
落ち着いた大人の女性という感じだし……俺の至らないところをフォローしてくれるに違いない。
今後、いろいろと頼らせてもらおうと思う……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます