第5話 まずは
「愛を教えるにはどうしたら良いんだろう」
恋愛経験値ゼロの私には、分かるはずもない。
「恋人みたいに振る舞えば分かるかも。手、繋ぎませんか」
おずおずと手を差し出すと、彼が立派な眉毛の眉尻を下げながら「良いな」と言って笑った。
指先、手のひら、と。するするとゆっくり触れていく。彼のひんやりとした手が、じわり、じわりと私の体温であたたかくなっていく。
「待たせてしまって、冷えてますね。ごめんなさい」
少しでもあたたまるように、ぎゅっと握り返す。彼は少し耳を赤くして目を逸らしながらこう告げた。
「いや、長い間待っていた訳ではなく……。俺は『アンドロイド』だから」
「?」
今日は驚かされる事ばかりだ。彼がアンドロイド?こんなに人間にしか見えない彼が。
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