【PL・GM用】第二節の始まり


本映像はいついかなる場所で流されるのかをGMは判断してよい。

また、映像が流れたと過去にしてもいいが必ずプレイヤーが以下の映像を

どこかで知る。または見ることが推奨される。

[描写]

 映像の向こうに男はいた。綺麗でもない画質の粗い昔のVHSでダビングされた

 ニュースを見るような感覚。

 古めかしい。レトロ。現代に似つかわしくない。

 そう思ってしまうほどの昔の映像のように見える。

 10秒ほど無言の時間が続くと静寂を割り男はしゃべりだした。

 私はね。クマバチが好きなんだ。その蜂は藤の花が好きでね。

 体は2~3cmほどで非常に温厚な蜂なのだが、羽音がね。酷く大きくてね。

 耳の近くで飛ぼうものならサーキュレーターを耳元に近づけたような音がするん

 だ。そんなクマバチは飛ぶことが航空力学上不可能なのを知っているだろうか。 

 体に不釣り合いなほど小さな翅を必死に羽ばたかせている姿を見た航空力学の

 学者はクマバチは飛べると信じているから飛べているのだという結論に至った

 そうだ。

 そのことから諦めなければ何事もできる、不可能を可能にする象徴としてクマバチ

 をシンボルにする学者が多くいたそうだ。

 かく言う私もその一人でね。これを見ている君も一度クマバチの生態を観察して

 見ると言い。

 

 さて、ここから本題だ。 

 私がこれを話しているのは諦めないで欲しいと伝えたいことと、

 後世にこの出来事を抹消して欲しいからだ。

 これから提示する報酬は世界を一変させるほどのポテンシャルがある。

 だが、正直なことを言えば、報酬が誰の手に落ちていようが私は構わない。

 私が依頼することさえ達成してくれるならばのちの出来事さえ公開しても構わない

 では話そうか、起こってしまった出来を。

 まず、私は複数人いるうちの一体だ。オリジナルの私は今どこで何をしているのだ

 ろうかと考えるがまぁ、仕方がない。

 名前がないと不便だろう。Dr.南方≪ドクターミナカタ≫。そう呼んでくれ。

 私のオリジナルはバベルと呼ばれる純人類種の保護と権利の確立を志す結社に

 属していた。バベルはそうだなここではこれ以上の説明は省こう。

 私自身はレネゲイドビーイングの内の一体だ。バベル風に言えばレプリカンズなん

 て言われていたがまぁ、いいだろう。

 オリジナルの私を殺してくれ。依頼はそれだけだ。

 依頼を達成してくれた暁にはバベルの全てを君に譲り渡そう。

 技術、知識、ヘルメスの心臓。そして、我々が育雛された全ての根幹である星々の

 財貨を譲り渡そう。

 さぁ、早いもの勝ちだ。

 楽しく戦って殺してくれ。

 君たちの町はもう昔のようには戻らないぞ。

 プレゼントだリヴァイアサン、ミネルヴァ、イスカリオテ。気に入れってくれれば

 幸いだよ。

 

 薄気味悪い悪い笑みをDr.南方は浮かべるとすぐに映像が切り替わり、

 テレビの砂嵐だけが映し出されていた。





 

 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

【ダブルクロス(DX3)/シナリオ】彼岸の花、竜胆の根 いつみきとてか @Itumiki_toteka

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る